タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪361号  ふるさと北上民話研究会 高橋 道直 さん

桜から花水木へと季節の花も移り、外歩きも気持ちよい気候になってきました。さて、本日の友達の輪には、明るい社会づくりの会の今野貞三さんからご紹介いただいた高橋道直さんに登場いただきます。友達の輪写真

本紙 こんにちは。今野さんから語り部として活躍されている方とご紹介いただきました。

高橋 今野さんとは明るい社会づくりの会でご一緒しています。

本紙 北上民話研究会の語り部と伺いましたが、どちらの出身ですか?

好奇心いっぱい

高橋 私は岩手県の北上出身です。北上では大工の仕事をしていました。東京へ出てきたのは二十代前半のことだったと思います。同郷の友人が東京に就職していて、東京の話を聞くうちに「おもしろそうだな」と感じて、東京に遊びに来たのがきっかけです。友人は大田区住んでいて、遊びに来ないかと誘われ、好奇心もあこがれもありましたから、行ってみよう、ということで、岩手から東北本線で上野に出て来ました。今でも鮮明に覚えていますが、唐草模様の風呂敷に荷物を包んで持ってきました。また、当時は石炭の汽車でしたから、汽車の煙で顔が真っ黒になるのです。上野に着いたとたん乗客みんな顔を洗っていました。昭和30年代の前半のことだったと思います。

本紙 約半世紀前のことですね。

財布に500円

高橋 友人は蒲田に住んでいました。上京してきて蒲田駅に到着しましたが、駅前は何もない原っぱで「本当にこれが東京か…」とショックを受けました。私の東京のイメージとかけ離れていたのです。しばらく東京で遊んで、さあ岩手に帰ろうかと財布を見たところ、お財布の中に500円しかありません。帰りの切符も買えません。汽車賃稼ぐまで東京にいようと思っていたら、今度は居心地が良くて帰れなくなっていました(笑)。これが移り住んだきっかけです。それで、蒲田のデパートに就職し、箪笥などを販売していました。そのうち、そのデパートの衣類や宝石の外商部に配属になり、職域販売で会社や学校や郵便局などに出向いて、注文紳士服の販売をしました。生地をライトバンにたくさん積み込んで行くのですが、帰りはからっぽになるのです。本当に良く売れましたね。8年ぐらいやりましたね。その後、結婚を機に幸手に移り、東京ガスのガス設備設計の仕事に転職し、30年ほど勤め定年を迎えたのです。

本紙 介護のお仕事をされているようですが?

60歳からの挑戦

友達の輪写真

高橋 定年を迎えてからも働こうと思っていたのですが、会社の方で退職手続きをしてしまい、60歳から年金暮らしになりました。しばらくごろごろしていましたが、これはまずいと感じたのです。そんなとき、嫁いだ先の母親に献身的な介護をしている姉の姿を見て、介護の必要性を感じたのです。それで、一年奮起して二年間でヘルパー2級の資格を取ったのです。介護資格以外にもいくつかの資格を持っていましたが、今後のためにと23歳の時に取得した自動車の二種免許が、介護の分野に活かせるとは思いませんでした。それは、介護タクシーの仕事で、ヘルパーと二種免許の両方の資格を活かせる仕事です。

 普通はタクシー運転手と介護のヘルパーさん2人が一人の利用者に対して付くのですが、私だけで出来ました。そして、介護タクシーの勤務経験が実を結び、先輩の勧めもあって現在の職場に声をかけられたのです。

本紙 デイケア施設にお勤めですね。

なのはなの里

高橋 幸手市心身障害者デイケア施設「なのはなの里」で指導員補助の仕事をしています。補助と言ってもいろいろあって、食事介助やその他の身の回りのお世話などがあります。今までの介護タクシーの経験がとても役に立っています。介護はヘルパーの資格を取る時に学んでいますが、現場ではいろいろな事があります。戸惑うことも多いです。でも、何事も経験をするということが活かされてくるんだなと思います。補助をやっていて思うのは、この仕事に携わらなければ、介助を必要としている方がこんなにたくさんいるとは、知ることができなかったなということです。また、利用者の方も、むしろどんどん外へ出て行って、明るく過ごしたいという願いを持って過ごしている人が多い気がします。この仕事は続けられる限りずっと続けていきたいと思います。

本紙 お元気そうですが、何かスポーツをされているのですか?

さくらマラソン

高橋 マラソンをやっています。今年も「さくらマラソン」の10マイルに参加しました。今年で16回目になります。走る前はボランティアで受付を手伝っていました。しかし見ているうちにだんだん走りたくなってきて参加することにしたのです。さくらマラソン以外にも色々な大会に出ています。年間3、4回は出場します。次はハーフマラソンがありますが、二時間半くらいで走ります。以前は一カ月くらい前からアルコールを辞めて記録に挑戦していましたので、大会が近くなると二カ月くらい前から毎日練習です。最近は記録にこだわらずに楽しく走っています。

本紙 語り部についてお聞かせ下さい。 語り部として 高橋 生まれ故郷のおじいさんおばあさんから聞かせていただいたお話を語り合う民話研究会という会があり、そこに参加しています。今では話を聞くだけではなく、自分でも話を選んで語り部として話をします。そしてお互いに仲間内でもっとこうしたほうがいいなどと意見を言い合って、語り部の研究をしています。北上の民話を中心にやっています。

 当初は話を聞いているだけでしたが、仲間に「語り部として話さなきゃだめだよ」と言われ、デビューすることになりました。有楽町駅前のビルで岩手の物産展があったんですが、そこで語り部デビューでした。原稿見ながらでしたが、初体験でしたので緊張しました。短い話でしたが、長く感じました。研究会に入って10年くらいになります。北上に展勝地(てんしょうち)という権現堂の桜のトンネルのような桜の名所があるのですが、そこで9月に10周年記念イベントが開かれ出演します。今からドキドキしています。(笑)

本紙 楽しみですね。では、お友達をご紹介下さい。

高橋 読み聞かせで活躍されている小野寺るり子さんをご紹介します。

本紙 ありがとうございました。これからもお仕事、マラソン、そして語り部と多方面でのご活躍お祈りいたします。(高橋さんはとても前向きな方で、お話の中に一生懸命さが伝わってきました。)

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