タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪384号  寿司 葉菜和  オーナー  佐々木  信義 さんへ

東北関東大震災で犠牲になられた方々にご冥福をお祈り申し上げます。そして、被災された方たちにお見舞い申し上げますと共に救護活動などにご尽力されている方たちに深く敬意を表します。この地に暮らす私たちも、今自分たちにできることを考えながら、一致団結してこの困難を乗り切りたいと思います。 さて、本日の友達の輪は野口内科小児科医院の野口寿一さんよりご紹介いただいた葉菜和寿司の佐々木信義さんに登場いただきます。

本紙 こんにちは。大地震で物流も混乱して大変かと思いますがよろしくお願いいたします。

佐々木(敬称略)私は宮城県の大崎市で生まれました。故郷にはたくさんの親戚や友人もおります。今回の大地震で犠牲になられた方たちのご冥福をお祈りします。本日は私事で取材をいただき恐縮しております。よろしくお願いいたします。私がこのお店を「葉菜和(はなわ)」という名前で現在の地で始めたのは16年前のことです。最初は幸手の西側で「蛇の目寿司」という名の10坪のカウンターとテーブル1つだけの小さなお店でした。そこで12年営業し緑台に移り、その後今の場所に移動して「葉菜和」を始めました。ですから、幸手でお店を始めて32年になります。

本紙 故郷の復興にみんなで協力したいですね。ところで、寿司職人を目指したのは?

ご飯が食べられる 友達の輪写真

佐々木 うちが貧しくて食べ物に苦労していたことが理由の一つにあると思います。5人兄弟で私はちょうど真ん中でした。出身地である宮城の仙台といえば魚料理が多かったですから、寿司になじみはありました。進路を選ぶ際に割烹の職人か寿司の職人かで迷ったときに学校の先生が「寿司職人だと、白いご飯も食べられるぞ」なんて言われ、単純に「そっちがいいや」と思ったのです。それで、学校を出て仙台の寿司屋に1年居て、そこで知り合った板前さんを頼って横浜に行きました。見習いでしたが、雑用を含め何でもやりました。

まずは出前からです。ふろしきやかごに入れて自転車で運びます。出前を覚えたら次はエビの皮むきや、ご飯の研ぎ方を教わります。あとは職人さん達がやっていることを見て盗む感じですね。ある程度の期間が経つと、いよいよ、しゃりの握り方を覚えます。最初はたこ糸で布巾をにぎりの形にして覚えたものです。形を指先に覚えさせるんですね。当時この布巾は肌身離さず持ち歩きました。そして、1年くらい居ましたら、その板前さんが新しいお店を出すということで、私もついていきました。そして、見習いを経て一人前の寿司職人として寿司屋を13軒程経験しました。そのときに今の妻に出会いました。そして妻の親戚からお店をやってみないかと言われて、結婚を機に幸手に移りお店を持ったのです。

本紙 自分のお店はいかがでしたか?仕入も自分で行かれるそうですね?

五霞町のお客様

佐々木 開店してからしばらくは多くのお客さんに来ていただいたのですが、その後、半年くらいで波が来て、お客さんが少なくなってしまったのです。もうお店を辞めようかと思いました。そんな時に五霞町のバレーボールチームの方がお店に来て下さったのです。その方たちは東北出身の人たちでした。同じ東北出身だということで、お店に団体で来てくれるようになったのです。本当に大変なときに助けられました。そうしているうちに年末年始になり、乗り越えられたのです。今でも私は五霞町の人たちを特別な思い出として大事にしています。仕入は毎朝六時半くらいに家を出て大宮に行きます。お店で使う物はその日に必ず仕入れます。売り切れるだけしか入れません。やはりお寿司は新鮮さが命ですから、仕入に自分で行って自分の目で見て選ぶのがとても大切です。あとは今日は何曜日で何日だから、あのお客さんが来るのではないかなと思って魚を選んだりもします。

本紙 さくらの時期にはイベントもあるそうですね。これからの目標などは?

倒れるまでが定年 友達の輪写真

佐々木 15年くらい前ですが、「幸手のさくら祭りに出店してみないか」と言われ、幸手に来て初めて綺麗な桜を見ました。店を持ってから必死で、気がつくと夜という毎日で、桜の時期にお花見なんて出来なかったですから、その時の桜がものすごく綺麗で感動したのを覚えています。今年も出店を予定していましたが東北関東大震災の関係で、さくら祭りが中止となってしまいました。被災された方たちを思うと胸が痛くなりますが、いつの日か東北地方にもさくらの美しさを感じていただける復興を祈っています。

私自身の目標は小さなものですが、お客様にずっと来ていただけるお店として頑張ることです。開店してから今日まで、怪我した以外3日以上はお店を休みにしたことがありません。うちのお店を当てにして来てくれるお客様に応えたいと思います。そして、新鮮な良い物をリーズナブルに出せるよう努力しています。お客様の年齢層も高くなってきているので、思いやりといたわる心を持って妻と共にお客様にご満足いただけるよう頑張っていきます。体力的にきついときもありますが、倒れるまでが定年だと思っています。働き続けるのが健康の秘訣だなとも思います。あと10年で70歳になりますが、1年刻みで心を入れ替えながら若返っていこうと決めました。

本紙 趣味などは?

佐々木 絵が好きで、水彩画を描いてます。休みの日や閉店後くらいしか描けませんが、風景画や女性の顔を描いています。風景画は旅先で見たものを、ぱっと描いて絵手紙にしたりしています。女性の顔はモデルはいなくて自分の中でイメージして描いてます。水墨画もやりますが、本格的にやる時間もなく、品書きなどを書いて楽しんでいます。また、生け花をちょっと習ったことがあるので、自分のお店の花も自分で飾ったりします。カラオケで歌うのも好きですけどね(笑)

本紙 では、お友だちをご紹介下さい。

佐々木 「風瑠里(ふるさと)」というラーメン店を経営されている佐藤祐夫さんをご紹介します。

本紙 ありがとうございました。益々のご活躍を祈念いたします。 佐々木さんのおすすめはランチタイムメニューだそうで、ランチ用のネタではなく、夜に出しているのと全く同じネタだそうです。そして、ランチで使うネタもその日の朝仕入れたものしか出さないそうです。取材しながらお腹が減ってきました。

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