友達の輪397号 生江表具店 生江 秀徳さんへ
残暑が厳しい9月から秋の風を感じる10月に入りましたね。季節の変わり目ですからお体をご自愛下さい。さて、本日の友達の輪には㈱東武自動車の峰岸潤さんからご紹介いただいた生江秀徳さんに登場いただきます。生江さんは表具店の後継者です。
本紙 こんにちは。峰岸さんから親しい友人と紹介頂きました。表具店はだれが始めたのですが?
生江(敬称略)こんにちは。よろしくお願いいたします。表具店は37年くらい前に父が創業しました。父は福島の会津地方の出身で、18歳で幸手に出てきました。父はサラリーマンでしたが表具店を見て「面白そうな仕事だな」と思ったそうです。それで、脱サラして23歳でこの業界に入り27歳で独立しました。独立時の最初は幸手駅前で開業したのですが、もっと広い場所をということで緑台に移動し、現在の上高野に至ります。表具店は、主に壁紙、ふすま、掛け軸などの表装を扱います。昔は当店でも全般を扱っていたのですが、今では新しく建てる住宅に和室がないこともあるように私たちの仕事も洋風壁紙がメインとなりました。中学生のころには、父の仕事が忙しい時は手伝い程度でしたが、壁紙を剥がしたりもしていました。その当時は、襖なども良く扱っていましたが、時代の流れと共に求められるものも変わってきています。
本紙 後を継ごうと思ったきっかけなどありましたか?お店のモットーなどありますか?
脱サラで後継者
生江 高校を卒業して一度サラリーマンになりました。大手の印刷会社に就職したのです。その時点では親の後を継ぐつもりはほとんどありませんでした。印刷会社では技術職で印刷オペレーターをやっていました。そこでの仕事は夜勤などもあり、かなりハードでした。遊びたい年頃でしたが、友人とも休みなどが合わず、仕事を考えるようになりました。結局、印刷会社は一年半くらいで退職してしまいました。それで退職したあとに「父の仕事をやってみようかな」と考え、父に相談したのです。一緒にやりたいということを伝えたところ、父は受け入れてくれました。それで、家業に入る前に千葉の方へ一年程修行に出ました。知らなかったことや新しい知識などが身についたので、外に出て良かったと思います。今仕事は父と二人でやっていますが、2人で仕事をし始めた当初は、しばらくは気持ち的にも後継者という実感はありませんでした。自覚が出てきたのは22歳の時に結婚してからです。振り返れば父と一緒に仕事を始めて13年になります。当店のモットーは親切、丁寧です。それと、お客様とのコミュニケーションを大切にしているところです。仕事も小さなリフォームから大きなものまで何でも取り扱います、見積もりでも何でもご遠慮なく、どしどしお声をかけて下さい。ご相談だけでも大歓迎です。
本紙 地元密着で安心してお願いできますね。ところで、趣味が錦鯉だそうですね。
錦鯉に夢中
生江 そうですね。最初はこんなにハマるとは思わなかったのですが。(笑)錦鯉というと高級な大きな鯉をイメージされる方が多いのですが、金魚みたいな小さいものから色々あります。最初のきっかけは、19歳のときに加須にある県の水産試験場へ遊びに行って、錦鯉を買ってきたことです。初めて買った錦鯉は、15センチくらいのサイズでとても安かったですね。それからしばらくして、もっと本格的な錦鯉が見たいと思い、加須の業者さんのところへ錦鯉を見に行ったのです。大きな池で、でっかい錦鯉が優雅に泳いでいました。それを見た瞬間からもう虜になってしまって(笑)それ以来すっかり、錦鯉の世界に魅せられています。今、家には17匹くらいいます。幅2m位の水槽で飼っていますが、大きいサイズのもので50センチの錦鯉がいます。水の手入れや錦鯉の健康状態など結構大変ですが毎日楽しみの時間でもあります。
本紙 錦鯉ってどう評価するのですか?
錦鯉の評価
生江 錦鯉は真っ白と、真っ赤な鯉を掛け合わせて人間が作りだした魚です。模様は色々ありますが、品種改良などで鱗の色が違ってきます。ほとんどが赤と白と黒の鯉です。20年くらい生きられますが、汚いお水のところにいる錦鯉は鱗の色がなくなってしまい、真っ白になってしまう鯉もいます。錦鯉の価値は主に模様と色艶、体つきで決まります。魚にも肌質というのがあり、つやつやしているものが良いとされ、体つきは、さんまみたいにひょろっとしたのはあまり良くなくて、逆にマグロみたいに筋肉質にがっちりしているのが良い錦鯉です。そして、模様です。模様は遺伝だったり、環境によっても大きく変わります。紅白という種類がありますが、まさに赤と白だけの鯉です。赤と白に黒が混ざっていると墨もの(すみもの)と言います。他に白と黒だけのものもあります。錦鯉の模様の黒色は面白いことに出てきたりなくなったりします。錦鯉が成長するとともに消えてしまったり、小さい時は出ていなかったのに成人すると黒色が出たりします。
本紙 奥が深そうですね。錦鯉のコンクールもあるそうですね?
国魚賞を目指して
生江 鯉の全国大会が毎年一月にあります。見に行ったり自分も出品したりして、毎年参加しています。私の夢ですが、育てた錦鯉で国魚賞(こくぎょしょう)を獲りたいと思っています。国魚の文字通り日本の魚は鯉ですが、国魚賞は全国大会で種類別に選ばれた頂点の賞です。種類別に出品された錦鯉が、まず、サイズ別に審査が行われ、その中で優勝して国魚賞にエントリーされます。私は今までにサイズ別で優勝したことはあるのですが、国魚賞はなかなか獲れませんね。国魚賞を獲ると錦鯉専門誌に載ったり、カレンダーに載ったりして一躍有名になりますね。この賞は参加者であれば誰もが欲しい賞です。
本紙 国魚賞狙ってくださいね。では、お友だちをご紹介下さい。
生江 家族ぐるみでお付き合いさせていただいている岸麗子さんをご紹介します。
本紙 ありがとうございます。(生江さんは目を輝かせて錦鯉のお話をして下さいました。とってもピュアな印象を受けました。また、お仕事についてはお気軽になんでもご相談下さいとのことでした。)