タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪403号(2012年1月22日発行) 
㈱小沼製作所 取締役専務  小沼 弘和さんへ

お正月気分もあっという間に過ぎましたが、暦の上では昨日は大寒、そして明日は旧正月の1月1日にあたります。旧暦ではお正月気分をもう一度ですね。さて、本日の友達の輪には㈱津野製作所の取締役工場長である津野裕之さんからご紹介いただいた㈱小沼製作所の取締役専務の小沼弘和さんにご登場いただきます。

【本紙】 こんばんは。津野さんからお仕事でもお世話になっている方と紹介いただきました。津野さんから「毎日夜遅くまで忙しく仕事をしている方」と紹介されました。お忙しい中恐縮です。

【小沼】(敬称略)こんばんは。遅い時間指定ですみません。仕事が深夜にも及ぶこともあって、今日はもう少し早くても大丈夫だったかなと思っています。

【本紙】 ずいぶんお忙しいようですが、お仕事について伺いたいのですが?

精密メタル加工 友達の輪写真

【小沼】 当社は父が若い頃、県内の板金工場で技術を習得した後、個人で板金工場を創業したものです。最初は製パン機械カバーや耕運機部品の加工を行っていたようですが、その後、県内の大手建機メーカーからクレーンのエンジンカバーなどの板金仕事を受注するようになりました。板金といっても一般的には自動車の板金と思われてしまいますが、鉄の薄板・中板などシートメタルと呼ぶのですが、受注先から図面をいただきその仕様にそって、シートメタルを切断・抜き・曲げ・溶接などを行って機械のカバーや部品を製作しています。津野製作所さんからも津野さんが製作された機械のカバーなどを受注しています。

【本紙】 工場には機械がたくさん並んでいますね。小沼さんは2代目のようですがいつ頃から家業を継ごうと思われたのですか?

【小沼】 学生時代はアルバイトで家業を手伝っていましたが、高校を卒業していろいろなことを学びたいと思っていましたので、家業を継ぐことなどは考えていませんでした。それで、最初にレアメタルを回収する会社に就職しました。数年前からレアメタルは話題になっていますが、私の仕事は半導体メーカーの工場を回っては、残材となったシリコンを回収する仕事でした。しかし、サラリーマンはどこまでいってもサラリーマンという環境を感じ、物流にも興味があったので、道路を熟知したいという単純な動機で運送会社に転職したのです。そして、家業である小沼製作所を継承しなければいけない、と徐々に考えるようになり、1993年に入社したのです。

【本紙】 家業に入られていかがでしたか?

JMCとの出会い

【小沼】 当社はスタッフが20名ほどおりますが、入社の時は社員のみんなが温かく迎えてくれました。もちろんアルバイト程度の知識と経験しかありません。ですから、板金加工のことはもちろん、経営に必要な計数管理もわかりませんでした。それで、社長に相談したところ板金加工のマシーンを製造しているアマダという会社の職業訓練法人アマダスクールという職業訓練校があることを知ったのです。そこが主催するJMC(Junior ManagementCollege)というところで、板金工場の後継者として必要な板金加工の実務から経営全般の知識まで幅広く勉強させてもらいました。神奈川県厚木市に存在するのですが、入校者は完全合宿制でした。年齢も幅があり仕事のことはもちろん、人生の事まで学べる環境でした。全国の同業者の事業後継者とも交流を持つようになれましたし卒業生で構成する会にも積極的に参加しています。そこで得た物を持ち帰り自社のノウハウに出来るようにアレンジします。

【本紙】 大きな転機になったようですね。将来の夢などは?

会社の存続友達の輪写真

【小沼】 そうですね。刺激を受けることがたくさんありました。人に対する接し方や考え方など、今までの自分にはなかったものが生まれました。それまでの自分はどちらかと言えばワンマンな性格でした。でも、JMCで学んだおかげで変わっていったのだと思います。JMCの卒業生とアメリカに板金業界の視察ツアーに行く機会に恵まれたことがあるのですが、全体の企画もそうでしたが、人間関係など学ぶことばかりでした。ですから私にとっては本当に良かったですね。ワンマンな性格で家業に入っていったらスタッフに受け入れてもらえなかったでしょうね。将来の夢は最低限跡取りを残して永遠に会社を存続させる事が私の責任であると思っています。当社のような会社はバブル崩壊やリーマンショック、地震などのグローバルな事に影響される程大きな会社では無いので、比較的景気にあまり左右されないのですが、技術進歩は早いですからライバル他社に負けないように頑張っています。

【本紙】 毎晩遅くまでお仕事されているようですが、睡眠などは十分取れるのでしょうか?ストレスなど溜まりませんか?

驕りに気づく

【小沼】 そうですね。私は短時間で熟睡してしまうタイプなんですね。典型的なショートスリーパーです。ストレスですか?先ほどもお話しましたJMCの仲間が全国にいるのですが、都内に集まり飲んでコミュニケーションすることも多く、私はアルコールを飲まないので仕事が終わってから車で都内に向かって合流します。仕事や人生やこれからの夢や目標などお酒と共に話しているとストレスも発散していますね。経営者ばかりの集まりですから時々自分の考えが驕っているなと思うこともありますが、これも勉強だと思うようになりました。今までの自分でしたらそんなことにも気がつかなかっただろうと思います。

【本紙】 人生を大きく変える体験や出会いというのは実在するものですね。では、お友達をご紹介下さい。

【小沼】 伏見屋酒店の土屋澄江さんを紹介します。私の先輩になります。

【本紙】 ありがとうございました。(小沼さんはとても積極的な印象を受けました。座右の銘を伺うと「やりたいことを、やりたい時に、やりたいだけやる」とお話下さいました。取材時は夜の10時~11時半と遅い時間でしたが、取材後も仕事に戻っていらっしゃいました。製作した製品を寝ずにそのまま配達してしまうこともあるそうで、関東に走っているほとんどの電車の車両のシート部分にあるシートフレームは小沼さんの会社が係わっているものだそうです。「幸手の手はものづくりの手」というフレーズが似合う会社をまた発見しました。益々のご繁栄を祈念いたします。)

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