タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪414号(2012年7月8日発行) 
畑山木工 二代目 畑山 秀勝さんへ

あじさい祭りも今日で終わり、梅雨明けも待ち遠しい今日この頃です。そして、27日に開会するオリンピックムードも高まり、日本選手団には大いに活躍していただきたいと思います。さて、本日の友達の輪にはソフトボールチーム「オールスターズ」の監督である巻島幸男さんからご紹介いただいた畑山秀勝さんに登場いただきます。畑山さんは二代にわたり木工業を営んでいる方です。

【本紙】 巻島さんからなんでも相談できる大親友と紹介されました。

【畑山】(敬称略)巻島さんにPTA会長のバトンを渡しましたが、私自身は無我夢中でPTAをやってきた思い出ばかりですよ。

【本紙】 二代に続く木工業のようですが?

オイルショック 友達の輪写真

【畑山】(有)畑山木工といいます。父が東京足立区で創業しましたが、手狭になり幸手に越して今の市役所の近くで工場を開きました。家具製造が主で、タンスや食器棚や、カップボードやテレビ台などです。その頃は、三種の神器で冷蔵庫、洗濯機、テレビが売れ始め、テレビの台を作ればすぐに売れる時代でした。「三丁目の夕日」に出てくるような台で、足が四本ついていてテレビを載せる上の部分が回転するものです。問屋からはどんどん注文が入り当社にとっては最初のヒット商品でした。次に食器棚が売れ始め、一日百本作る目標を立てたのですが、今度はこの工場が手狭になってしまい、五霞の工業団地に工場を建てました。私が小学校三年生頃だったと思います。ところが、オイルショックで問屋が全て潰れてしまい、納品した商品代金も回収できず倒産してしまいました。銀行にも借金がありましたし、そのときあった東二丁目の家や家財道具にも赤紙を貼られてしまい全てを失いました。当時はまだ子どもでしたが、生活環境が変わったということは実感しました。収入もありませんから父は3年位タクシーの運転手となり、母と私、そして2人の妹たちを養ってくれました。母も内職などで少しずつお金を貯めていました。父は木工業をなんとしてもやりたかったようですね。破産してしまっているので、木工機械を買うために母名義でお金を借りて最低限の設備を揃えたようです。そして、今度は照明器具を作り始めたのです。よくお寿司屋さんやお蕎麦屋さんにあるようなものです。それが見事に当りました。以前の数十分の一ほどの工場ですが、父の諦めない精神に頭が下がります。

【本紙】 倒産、転職、復活ですね。跡を継いだのはいつ頃ですか?

技能オリンピック

【畑山】 大学に落ちてしまい、先生に「就職しろ」と言われました。どこもなくて、最後の砦が職業訓練校でした。やる気はなかったのですが、行ってみたら意外に面白くて、技術を覚えて木工所に就職すれば父も賛成してくれるだろう、と考えていました。その頃、先生から二十歳前なら出場できる「技能オリンピック」というのがあるぞ、と言われ、東京都代表として参加しました。私が出たのは指物(さしもの)と言って釘を使わずにタンスや食器棚などを作る部門です。予選に受かれば一級技能士がもらえて全国大会に出られ、優勝すると海外での世界大会に出られるのです。大会は二日間で「何を作るか」という設計図は当日渡されます。材料は無加工の板が用意され、全部手で削ったり、幅や長さ、厚みを自分で決めます。持っていけるものは、ノコギリやカンナ・ノミ・ゲンノウなどです。釘は使えないので、ほぞをつけて、お互いが組み合わさるように加工します。ほとんどの人が二日間で完成しないのです。順位もなくて一位だけです。私はなんとか完成したのですが駄目でしたね。一回しか出場しなかったのですが、今にして思えばもう一回チャレンジすれば良かったなと思います。

【本紙】 物を作る人は妥協しないですね。思い入れのある作品はありますか?

留形隠し蟻組み接ぎ 友達の輪写真

【畑山】 例えばですが、お寺や神社を建てる宮大工さんが絶対に妥協しないのは、五百年や六百年経っても壊れない社寺を作るとあとで笑われるのは俺だ、と。そこまで考えて作っているのではないでしょうか。今はタンスなどの家具が壊れたりすると、捨てたり買い換える方が多いように思えます。量販店で間に合ってしまう人はそれでいいのかもしれないですが、娘や息子の世代まで使えるものが欲しいという方はやっぱりいらっしゃいます。お客様からオーダーされた場合はその希望に添うように作ります。手作りなので、どうしても納期がかかってしまいますが、それでも三ヶ月くらいは待ってくれますね。「留形隠し蟻組み接ぎ(とめがたかくしありくみつぎ)」というのがあるのですが、完成すると中の仕組みはまったく見えないのですが、一番丈夫な組み方です。凄い時間がかかり、途中で失敗してしまうともう駄目なんです。昔、カセットテープを入れる箱の注文で、「桑の木を使って、留形隠し蟻組み接ぎでやってほしい」と依頼を受けたことがありました。知っている方だったんでしょうね。四箇所をそれで接いで、小さい猫足を付けて、オイル仕上げです。自然の塗料を使ったオイルを使い最終仕上げにロウを使うのです。そうすると、湿気があるときは湿気を吸って、それがないときは吐き出すようになります。テープ入れにそこまでするのだから、相当なこだわりがあったのだと思います。4~5日位かかったでしょうか。雄と雌が完全に一致していないと当然はまらないんです。最終的にニカワで止めるのですが、接着してふたを閉めてしまうと中が完全に見えなくなってしまいます。ごまかそうと思えばごまかせてしまうのですけど、もし落として壊してしまったときに分かってしまうので、やはり妥協は絶対に出来ませんね。

【本紙】 やっぱり凄いですね。では、お友達をご紹介してください。

【畑山】 仕事や町内会で、親しくお付き合いさせていただいている建築業の田中肇さんを紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。ますますのご活躍を期待します。(畑山さんは趣味で家庭菜園をされているようですが特に幅二センチ位のニラに凝ってるようです。柔らかく美味しいそうでニラ玉や味噌汁に入れて味わっているそうです。種蒔きから収穫まで三年かかるらしくお仕事と同じように根気を大事にされている方と感じました。)