タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪429号(2013年2月17日発行) 
蕎麦処権兵衛 店主 野村 守さんへ

節分、バレンタインデーと2月の催事も過ぎていき、各地で梅まつりの話題が聞こえてくる季節になりました。待ち遠しい春がそこまで来ている気がします。さて、本日は寿司玉製造卸の木村健さんからご紹介いただいた野村 守さんに登場願います。野村さんは蕎麦処権兵衛のオーナーをされています。

【本紙】 寿司玉製造をされています玉木さんからご紹介いただきました。

【野村】(敬称略)こういう取材はなれていないので緊張します。よろしくお願いいたします。

【本紙】 以前は割烹でしたが、蕎麦処に業態を変えたのは?

【野村】 父が経営していた割烹権兵衛を改装して、2011年12月1日に蕎麦処権兵衛として開業しました。若いころから家業を継ぐかも知れないと思っていましたが、学生の頃に携帯ショップでアルバイトをしていて、そこの親会社がカー用品の問屋さんで、私自身カー用品が好きだったこともあり、そのまま親会社に就職しました。そこでは1年くらい在籍し、カー用品の営業をやっていましたが、その後、友達がやっている看板を作る工場でアルバイトをさせていただき、自分的にはフリーターになりました。そんな時にお爺ちゃんが亡くなってしまったのです。葬儀の時に、親戚のおじさんから、「お前はなにをやりたいんだ」と聞かれました。自分のやりたいことが見つからない状態でしたから、おじさんの声は、自分を見つめなおすきっかけになりました。おじさんには本当に感謝しています。

【本紙】 それからどうしたのですか?

蕎麦屋の門をたたく友達の輪写真

【野村】 「自分がやりたいことは何だろうな」と考えたときに、昔好きだったお婆ちゃんの手作りの蕎麦があったんです。その蕎麦は太めで腰のある蕎麦でした。どのような蕎麦と言うと田舎蕎麦でしょうか。それで、無鉄砲でしたがアポもなく、気に入っているお蕎麦屋さんに「蕎麦を教えて下さい」と蕎麦屋の門をたたいたのです。タイミングが良かったというか、丁度、若い子が辞めてしまったみたいで、「修行という形でやってみる?」と誘っていただけました。こちらのお店には4年くらいいましたね。

【本紙】 お店に勤めてみていかがでしたか?

練り3年、のし2年、切るのが1年

【野村】 初めは驚きでしたね。あの粉が本当に蕎麦になるのかと。修行先では店主自ら横についてくれ、とても丁寧に教えていただきました。蕎麦修行では一人前になるのに、練り3年、のし2年、切るのが1年で、最低でも6年かかると言われています。練りは、その時の気温や湿度、自分の体調でも水の量が変わってきます。湿度が高ければ水の量を減らしたり、蕎麦は粉物ですので一生懸命混ぜるのですが、体調が疲れたりしていると混ぜる速度も変わってくるわけです。そうすると、水が多く入ったりしてしまいます。のしのほうも、練りを教えてもらって半年くらいで、少しずつ教えてもらいました。これも手際よく伸ばしていかないと、端のほうからどんどん乾燥してしまうのです。よく粉を振っていますが、これは蕎麦と蕎麦がくっつかないようにするためのものです。これを振りすぎてしまうと、今度はその粉が水分を吸ってしまって乾燥してしまいます。自分の中ではまだまだ「極めた」とは言い難いですね。まだまだ、日々研究中です。

【本紙】 すぐに開業とはいかないですよね。

たくさんの人に支えられて友達の輪写真

【野村】 最初にお世話になったお店に、ここを出てすぐに開業してもいいけど、出来るのなら何店舗か見たほうがいいとアドバイスをいただきました。それで春日部のお店で1年、八潮で4年くらいお世話になりました。これらは紹介ではなく、自分から出向いて、将来お店を持ちたいと希望を伝えたうえで雇ってもらいました。今思えば、色んなことを教えてもらったり、色んな方を紹介してもらったり、と非常に良い経験をさせてもらえました。八潮にいるときに、そこから独立した方がいて、その方から「お前もそろそろいいんじゃないのかな」という話をいただきました。この時が31歳でしたね。それで、初めは幸手のどこかで店舗を探そうと思っていました。父にも相談しましたら色んなところを探してくれたのですが、いい物件がなかったので、「ここでやるか?」と父がやっていた割烹権兵衛の改装を提案してくれたのです。おかげさまで、ここでお店を出来るようになりました。父には本当に感謝しています。

【本紙】 オープンして1年と2ヶ月経ちますが?

店主は休みがとれない(笑)

【野村】 やりがいがありますが、やっぱり商売は難しいということでしょうか。特に店主と従業員の違いですね。今まではずっと勤めだったので、今やっているような細かい部分は従業員の仕事ではないわけじゃないですか。それが、店主になるとこういうところまでやっていかないといけないんだよな、という部分が見えてきますね。給料計算や売上の集計や、入金、両替などですね。休みの日というのが、休みじゃないんだなと思えるようになりました。細かいところの掃除や、普段いけないようなところへの買出しはその日にやりますから。正直、自分の時間はないですね。でも、たくさんのお客様がご来店いただきうれしい気持ちでいっぱいです。

【本紙】 お勧めのメニューはなんでしょうか?お酒も色々と揃っていますね。

【野村】 けんちん蕎麦ですね。うどんもあります。税別850円になります。日本酒は3種類用意しています。焼酎は蕎麦、芋、米、麦香り無しと一通り揃えています。ウィスキーも揃えています。作ってくれるのは母です。母と相談してみたら、出来るよ、と言ってくれたので、じゃあ頑張ろうか、と。本当に母には助けてもらって感謝しています。

【本紙】 親子で仲良く仕事が出来るのは幸せなことですね。では、お友達をご紹介ください。

【野村】 キッチンカーで鴨料理を売っている「ままごと屋さん」の土屋雄一さんをご紹介します

【本紙】 ありがとうございました。ますますのご繁栄を祈念いたします。(野村さんは山登りが好きなようですが、時間がなくて出来なくなってしまったそうです。また、現在独身で一緒にお店を盛り上げてくれる花嫁さんを募集中だそうです。花嫁候補はまずお蕎麦を食べに行かれてはいかがですか。蕎麦処権兵衛・電話43-2217・幸手2415-4昼11時~14時半・夜17時~20時半・水曜定休・http://locoplace.jp/t000194495)