タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪438号(2013年7月7日発行) 
農業 七代目 新井 康之さんへ

今日は七夕。おり姫とひこ星が一年に一度、天の川をわたって会うことを許された特別な日です。願い事を短冊に書いてロマンチックに空を見上げてみませんか? さて、本日の友達の輪には中田博三さんご夫妻からご紹介いただいた新井康之さんに登場いただきます。新井さんは七代目として農業をされている方です。

【本紙】 こんにちは。農業の7代目だそうですが、初代はいつ頃なのでしょうか。お米は何を作っているのですか?

【新井】(敬称略) 何年前になるかはちょっと分からないですね。ここで代々やっていたことは間違いないと思います。この辺りの土地は砂場で、昔から砂っぱと呼んでいました。水はけもいいし、肥料が残らないので美味しいお米が取れるんですね。埼玉県でも入賞しました。当時、我が家では2町の面積でお米を作っていました。私は父の手伝いをしながら、東京に仕事に行っていました。竹中工務店という会社の下でビル解体の仕事をしていました。30年くらいやっていたでしょうか。色々と立派なものもやりました。東京ドームもそうです。私は営業職で竹中工務店との間のパイプ役でした。ひとつの仕事の大規模ですから、請負金額を間違ったら大変で神経を使いました。農業も兼ねていましたが、私の仕事にも余裕が出来てきていたので、600坪ばかり田んぼを買って2町2反にしました。すると、今度は他のところもやってほしいと頼まれ、現在では3町2反になりました。現在作っているのは、コシヒカリともち米です。今年はコシヒカリを1町、もち米は1町2反作りました。実は農業としては2町2反くらいでは、食べていけないんです。我が家では、昔から餅をついていまして、それを近所や親戚などに配っていたのです。それが、知れ渡ったようで、もち米を買いに来られる人ができたのです。年末に大量に使うようで30Kgを100袋です。そうなると、収入にも繋がり農協に直売所も作りましたので、加工品もやろうということで、今年の2月に加工場を「新井砂場ファーム」として、保健所に申請しました。現在、お餅と赤飯、お饅頭、揚げ餅を作って提供しています。

【本紙】 生産から加工、販売まで行うのですね。

農業の6次産業化友達の輪写真

【新井】 1次産業だけでは駄目と判断して、お餅などに加工して売り始めたんです。1次産業で作ったものを2次で加工、そして3次で販売ですから、それらを足し合わせて6次産業と呼んだり農業の6次産業化とも言います。この発想は昔からあったと思いますが、自家消費することが多く、売るということはあまりなかったかもしれません。6次産業化が幸手の農業を引っ張ってくれたらいいなと思います。私はあと5年、6年くらいしかできないと思うのですが、できれば若い人たちに受け継いでいってもらいたいと思いますね。今年は二十歳の男女が農業に来てくれました。若い人が来るのは珍しいので、よくきてくれたな、と思います。もし、やってみたいという方がいれば教えてあげることもできます。今までにも何人かに野菜作りを教えたこともあります。その人も今は立派な野菜を作っています。私には娘がふたりなので後継者の期待はできませんが、近所にお米をたくさん作っている方がいるので、「私の後をやってほしい」と頼んであります。農業はとても大事な産業です。そして、農業もやり方によっては将来明るいと思います。農協が直売所を作り、利用すれば加工品の売上も上がると思います。

【本紙】 販売している商品のお値段や加工場ではおふたりでいつ作るのですか?

毎朝加工場へ

【新井】 お餅は1キロ700円ですね。お饅頭は3個で300円です。餡まで手作りです。お饅頭は昔から私の母が作っていたものを、妻が見事に受け継いでくれました。レシピなどはなにもなく、試行錯誤の繰り返しで身に付けたようです。あまり甘みがないので、好みは分かれやすいかもしれません。砂糖は昔からずっと三温糖と黒砂糖を使用しています。皮は牛乳と小麦粉と卵で作っていて水は一切使っていません。製造は毎日朝の4時30分頃から行っています。まず赤飯の仕度を始めて、終わるのが6時頃です。それから8時頃までお饅頭作りをします。だいたい3時間くらいですね。直売所は9時30分に開店しますので、出来上がった順に持って行くので出来立てを食べていただけます。毎朝搬入して、残ったら取りにいき、古いものは絶対に売りません。逆に売れてしまったら補充します。今の時代、電話やメールで連絡もあるので売れ行きは予想することができます。毎日の販売量ですと夫婦で作っていても大丈夫です。でも、杉戸農業高校の創立90年記念式典というのがあり、中田商会の社長が役員をやっていて、赤飯を千パック作ってほしいと頼まれたことがあります。この量だと使う米は210キロにもなり、ふたりではできませんので、中田商会の奥さんや地域の方々が手伝ってくれました。

【本紙】 地域交流が盛んなようですが、地域でなにかをやられたりするのですか?

大切な地域交流

友達の輪写真

【新井】 この辺りは仲のいい人が多いと思います。実は私が会長を務めている権現堂川環境保全協議会というのがあるのですが、ごみ処理場として桜泉園が出来たときに、地域の環境保全をしてほしいと、市から協議会に環境保全活動を委託されています。やっていることは、例えば権現堂小学校でケナフを種から育て、収穫し紙すきをしたり、権現堂小学校にじゃがいもの植え付けなどといった農業を教えたりし、地域全体としては、県外視察に行ったりもします。他の事業ですと、町のクリーン作戦などの共同事業に参加しています。また、権現堂川環境保全協議会は地域に住んでいる方全員が協議会に入っていることも地域コミュニティの活性化に繋がっているものと思います。

【本紙】 では、お友達をご紹介ください。

【新井】 農協直売所で一緒のテーブルで加工品を販売している小林淳一さんを紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。益々のご活躍を期待いたします。(新井さんは最近俳句を始められたそうで、季節感や自然の動きなどがよく見えるようになったそうです。そんな新井さんの作るお米は減農薬で肥料も有機肥料を使い、埼玉県米麦普及協会賞を受賞されました。埼玉県の品評会で認められた美味しいお米やもち米が地元で採れるのはうれしいことですね。)