タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪439号(2013年7月21日発行) 
幸手市圏央道上高野周辺まちづくり協議会 世話人 小林 淳一さんへ

夏祭りも盛大に終了して本格的な夏になりましたね。さて、本日の友達の輪には農業の新井康之さんからご紹介いただいた小林淳一さんに登場いただきます。小林さんは農業のかたわら、植林用の苗木を育て、地域では圏央道上高野周辺まちづくり協議会の世話人もされています。

【本紙】 こんにちは。新井さんから、直売所を一緒にやっている方とご紹介いただきました。

【小林】(敬称略) 新井さんから農協が「さくらファーム」を立ち上げるという呼びかけのなかで、「農業の6次化に協力できないか」ということで始めました。

【本紙】 まちづくり協議会は6年目だそうですね。どのような構想がありますか?

圏央道開通と共に友達の輪写真

【小林】 世話人代表をやらせてもらっているのですが、現在は準備組合を作る前の検討会などをやっています。上高野地区の地域開発については、市のほうでも都市計画の一部として組み込まれていますが、圏央道が開通することでさらに周辺のポテンシャルが上がるのでは、という期待があります。この地域には農地が45haくらいあるのですが、将来的な農業を考えると農地の開発を圏央道の開通と合わせて検討したらどうか、と地権者の皆様と相談をしているところです。構想としては大型店舗を中心に住宅開発なども合わせていけたらどうか、という段階ですね。この地域は農振地区にですから開発規制が厳しいんですね。地権者の賛同も現状7割ですが、最低でも9割はクリアしないと次の段階にいけないんです。圏央道が開通した頃に開発工事に着工という段取りではいますが、必ずしもそうなるかはわからないですね。いまの人口減少なり、経済状況なりを考えて危惧する方もいます。理解できるだけに開発は本当に難しいと思います。

【本紙】 この辺りのお米は美味しいと聞きましたが?現在は農業を専業でやられているんですか?

JR退職後農業に

【小林】 この地区は特にお米は美味しい地域ですね。土質がいいんでしょうね。ただ、生産量が多くないので、ブランド化するのは難しいですね。当家では代々の農地がありましたので、JRを退職してから農業を始めました。また、JRを退職する少し前から公害問題等を考え、森林の保全や環境保護活動をやろう、ということで、この地に慶作舎という研修センターを作りました。私はJRの東日本労働組合にいました。JR労組ではネイチャークラブと言って公害問題を考えたり、緑を復活させるという取り組みを10年前から始めていて、慶作舎もJRの仲間たちとカンパを募って運営しています。現在は空いた農地でドングリ、ブナ、コナラなどの苗木を育てて足尾に植林しているんです。

【本紙】 なぜ足尾なんですか?また、どんな活動をされているのですか?

公害の原点を復元

友達の輪写真

【小林】 足尾は公害の原点と言われている場所ですので、公害問題を組合としても取り上げて、若い仲間にも考えたり、勉強してもらうためですね。ここでの活動は苗木の手入れです。3日に1回くらい水やりなどをやるために、交代でここまで来てくれています。苗木つくりは、集めてきたドングリをプランターに植え、発芽した苗をひとつずつポッドに植え替えて3年くらい育てていきます。約30㎝くらいまで成長します。そして、3年ごとに育った苗を足尾に持って行き植林していきます。正確な数はちょっとわかりませんが、すでに10万本くらい植林したと思います。植林した場所は最初は丸裸でなにもなかったですね。始めた頃は赤茶けた地肌しかなかったところでしたけれど、続けていくうちに緑もよみがえってきて、猪や熊、猿などといった野生動物が日光から降りてきています。最初に植えたものは15mくらいまで成長して、自然の森が出来上がっています。

【本紙】 すごいですね。どこまでやられる予定ですか?

南相馬で植樹祭

【小林】 そうですね。一応、区切りとしてまた新しい場所を設定して、続けていこうと考えています。去年の11月に第1回として南相馬の防潮堤に苗木の植林に行きました。南相馬では議会でも話し合っているようですが、コンクリートで防潮堤を作りたいようです。しかし、横浜国大の宮崎先生の指導もあって瓦礫などを活用した防潮堤を作りたいのです。津波の被害を受けた沿岸などでも屋敷林といった広葉樹は残っていますし、そういうものを防潮堤として活用すれば、津波も減衰できます。引き波によって海に流されてしまった財産などもそこで止まる効果もありますし、景観も守れるのです。南相馬へはこの間、苗を運び入れました。向こうの環境に慣らさせるためですね。田植えのできない土地を借りてそこで育てています。今年の秋に植樹祭がスタートできる見込みです。

【本紙】 ご趣味などは?

趣味は山登り

【小林】 山登りは若い頃から好きですね。冬山も含めて谷川や丹沢、穂高といった山に集中的に行きましたね。谷川岳では遭難しかけたこともあります。雪崩に遭って我々のテントは巻き込まれなかったんですが、周りのテントが巻き込まれてしまったんです。幸いにも死者は出ませんでした。JRが国鉄の時代に山岳部に所属していて、富士山の冬山訓練というのをやるのですが、8合目辺りでテントを張りそのなかで炊事などを行うのですが、冬のテントは内張りがあって機密性が高く、火を扱いますからいつのまにか酸欠になってしまいました。気がついて助かりましたが危なかった思い出です。

【本紙】 ありがとうございました。では、お友達をご紹介下さい。

【小林】 慶作舎の管理人である、岡安幸治さんを紹介します。岡安さんもJRのOBです。

【本紙】 ありがとうございました。自然環境を守るために益々のご活躍を祈念いたします。(小林さんはJRで労組活動一筋に、労働者の環境を守るとか、賃金を上げるといったことを中心にやられてきたそうです。ある時、それだけでいいのかと考え、企業として社会問題や環境問題も考える必要がでてきて、植林などの活動がスタートしたそうです。OBになってもボランティアで続けられているってすごいですね。夢はヨーロッパのアルプスをトレッキングすることだそうです。)