タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪441号(2013年8月18日発行) 
篠﨑農園 生産者 篠﨑 清和さんへ

お盆休みも終わり、夏休みも終盤に入りました。早い梅雨明けでスタートした今年の夏も、やはり猛暑の連日で身体が悲鳴をあげています。その暑さの中で甲子園では高校野球の熱戦が繰り広げられています。頑張ってほしいですね。さて、本日の友達の輪は慶作舎の岡安幸治さんからご紹介いただいた篠﨑清和さんに登場いただきます。篠﨑さんはフルーツトマトの生産農園です。

【本紙】 篠﨑農園さんはいつからこちらでやられているんですか?

【篠﨑】(敬称略) 私の父が立ち上げて今年で15年目になります。私がやるようになったのが、1年くらい前からです。

【本紙】 農業などの第一次産業は後継者不足と言われていますが意識されたのですか?

【篠﨑】 現在、28歳ですが、高校のアルバイト時代から音楽活動の傍らで10年以上もラーメン店で働いていました。26歳の時に新店舗を出す計画が出て、オーナーには「一緒にやっていこう」と誘われました。私も新店舗に行く予定になっていましたが、同時期に父の方からも「農業をやってみないか?」と言われていて、自分にとっての転換期でした。頭の片隅には、父が立派なハウスなどの建物を作ったので、それが無駄になるのはもったいないし、ラーメン店も小さいお店ですが、ずっと働いてきましたし、年齢的にも本腰を入れてやってみようと考えていて本当に悩みました。でも、トマト作りに馴染みはすごくありまして、子供のころから休みの日などは手伝ったりしていましたので、後を継ぐことにしたのです。

【本紙】 トマトにも品種がありますけど?

水分を凝縮友達の輪写真

【篠﨑】 当農園では暖房を使って生育させているのですが、出荷を始めるのが12月下旬頃から6、7月くらいまでになります。出荷が終わった7月から11月くらいまで休みなのかと言われるとそうではなくて、その間は育苗期間になります。野菜は1年のものですから、収穫をしたら畑を綺麗にして次の準備に入ります。育苗期間が半年、収穫が半年くらいです。 品種は毎年変えているのですが、今年はアニモという品種を使いました。「締めづくり栽培」といって、水をあげないで凝縮させる作り方をしています。水は最初に植えるときにあげるくらいで、あとは収穫の頃まであげないですね。枯れると思われますが、トマトは元々水が少ないアンデス地方で生まれた植物なので大丈夫なんです。原産地に近い環境を作ってあげている形になります。スーパーなどで売られているようなサイズのトマトを3分の1くらいの大きさで作ることが出来ます。元々は大玉のトマトですが、水分をぎゅっと搾って小さく凝縮させることが出来るのです。その中で濃厚になっているのがフルーツトマトです。基本的に濃厚なトマトを作っているのですが、その中でも特に選別されたものがフルーツトマトです。うちの方でも時期によりますが、フルーツトマトを扱っています。

【本紙】 どこかで学習されたのですか?他の野菜も作られているんですか?

父からの指導

【篠﨑】 元々、農業をやろうとも思っていませんでしたから、農業の学校も出ていません。主に父から話を聞くのと、本やインターネットで勉強しました。でも、やればやるほど深いと感じています。凝り性という性格もありますし、トマト作りは自分の肌に合っているように思えます。生産工場とかで作っていると飽きてしまったかもしれませんけど、こうして一から作ったり、自分の考えやイメージですね、こうやったらもっとこうなるかもしれない、と自由に出来るところがいいのかもしれません。ただ、その分失敗もしますが、逆にいい方向に転ぶこともあるので、とても面白いですね。他の野菜はキュウリを作っています。直売として、いろんな野菜を置いておいたほうが、お客さんの要望にも応えられるだろうと思っていて、親戚の祖母から委託されたナスや枝豆なども置いてます。

ファーマーズマーケット友達の輪写真

【本紙】 新しい試みなどお考えですか?

【篠﨑】 興味があるのはインターネットを使った販売でしょうか。やってみたいとは思っていますけど、現実的に考えていくとまだどうなるか分からないですね。ある程度のこだわりで作っている生産者の方がそういったところに出していたりしますし、審査もあったりしますから自分の野菜を試してみたいという意味ではやってみたいと思いますし、いろんなところでの反応を見てみたいとも思います。また、インターネットと限らずに、レベルの高いところでのお客さんの反応にも興味があります。今年も「ファーマーズマーケット」といって、都内やさいたま新都心で朝市のようなものが開かれているんですが、そういったところに出店して、試食販売をやって、生の声を聞くことが出来たのが大きいですね。良い声も悪い声も聞けましたから。

【本紙】  農業の道に進んで苦労などはありましたか?

やりがいを感じて

【篠﨑】 生き物相手なので、思い通りにいかないというのがありますね。イメージしている通りの形になるわけではないですから。失敗だらけで、こういうことだったのか、と分かってもすぐに対応はできないですからね。どうしても1年後になってしまいます。毎年毎年が勉強のようなものですね。自分のやる気次第といいますか、情熱次第でどうにもで変化していけるものなので、そういう意味ではやりがいがあると思います。それと収入が見合うかどうかは別になりますが、やりがいは感じられる仕事だと思いますね。なにもないところから、自分で作って、それを食べてもらって、反応をもらえるというのが、自分にとっても感動を覚える部分でもあります。マーケットに出店すれば、お客さんと対面で接することが出来ますし、商品の感想もすぐに受け止められるというのも魅力ですね。

【本紙】 では、お友達をご紹介下さい。

【篠﨑】 農業のことで情報交換しています新井一樹さんを紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。これから年末まで育苗期間でお忙しいかと思いますが、おいしいトマトを楽しみにしています。 (傍らにおられたお父様にお話を伺うと「親の姿を見て子は育つというわけではないですけど、昔から手伝ってくれていましたから、最終的には後を継いでくれたというのは、自分がやってきたことが認められたのかなと思うところもあります。同じトマト作りでも、トマトに味をのせたり、フルーツトマトを作ったりこだわってやってきたことも息子は見てくれていたのかなと感じています。」と後継者に期待を込めていました。)