タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪443号(2013年9月22日発行) 
(社)幸手青年会議所 第30代理事長 吉良 英敏さんへ

2020年東京オリンピックが決定しましたね。明るい話題に日本中が歓喜しました。これを機に震災復興のスピードがアップして欲しいものです。さて、本日の友達の輪は新井一樹さんからご紹介いただいた吉良英敏さんに登場いただきます。吉良さんは(社)幸手青年会議所の理事長を務めています。

【本紙】 こんにちは。新井さんからご紹介いただきました。歴史あるお寺のご住職と伺いましたが?

【吉良】(敬称略) うちはお寺としてはそんなに長くはないのですが、私で16代目になります。真言宗の正福院(しょうふくいん)というお寺で開山は江戸時代になります。その時代、当寺は日光街道とはまた違う文化圏で、関宿藩主が参勤交代に行く途中の祈願寺でした。関宿城のお殿さまが四里八町を抜けて、江戸に参勤交代に登るときに立ち寄って、道中無事に済むようにとお祈りしていたそうです。今でいう交通安全祈願のようなものです。 また、うちのお寺では毎月最終日には「座禅会と写経会」、毎年8月16日にはご本尊「薬師如来」を奉る縁日を開催しています。

【本紙】 仏門に入ろうと思ったのは?お坊さんになるにはどんな修行をされるのですか?

寺子屋の歴史友達の輪写真

【吉良】 生まれた家がお寺ということもあり自然に仏門に入ることができ、物心ついた頃には近所の人にはマルコメくんと呼ばれていました。親だけでなく、周りの人にも育てられた影響もあったのだと思います。また、うちの一家は父・母・祖母を初め全員が地元学校の教員だったので、普通のお寺以上に人の出入りがありました。またうちの寺は寺子屋の歴史もありました。戦前あるいはその前の話です。校舎というものが建つ前はお寺を使っていた時代がありました。この辺りではうちの本堂が使われていました。修行は奈良県の長谷寺という真言宗のお寺に行きました。真言宗はいくつもの宗派に分かれているのですが、その中のひとつである豊山派の総本山です。そこで40日間の山篭りを行いました。この間は下界には一切触れることはありません。特に真言宗は厳しく、最初は辛かったですね。食事がお粥とかになりますからね。私はそのとき学生だったので、これから食べられなくなるから、とにかくいっぱい食べてから修行に入ってしまい、逆にそれが苦痛を生む結果になってしまいました。最初は空腹を感じますが、1週間もすると慣れてしまいます。摂取カロリーも少なく、40日間で10キロ弱痩せました。また、修行とは関係ないのですが、奈良県から埼玉県まで16日かけて歩いて帰って来ました。そのときにはさらに3キロくらい痩せました。

【本紙】 なぜ歩いて帰ろうと思ったんですか?

修行で感じたこと

【吉良】 行きは新幹線でしたが、修行が終わり帰る時に「新幹線で帰ってしまうのはなにかもったいない」と感じたのです。ちょっと真言宗の話をしますと、修行の中に護摩加持というのがあります。火を燃やして、そこでひたすら念じるのです。心を集中させ、無の境地にする修行です。要はまわりの環境を変えずに、内面を磨き逆境や苦難を乗り越えるというものです。例えば、いま辛いから仕事を変えるとか、日本にいてもつまらないから外国に行く、というものではなくて、目の前の今ここにある幸せにいかに気付くかという修行でした。修行中は禁酒、禁煙はもちろん、私語を慎み、本を読んだり日記を書いたりするのも禁止されました。余計な事を考えず目の前にあることを深く味わいなさいと。するとひとつひとつの呼吸にさえも心地よく有難く感じれるようになりました。そして修行が終わり「好きにしなさい。好きなものを食べてご自由にして下さい」と言われるのですが、私はなんとなくもったいないと思い、夏でしたので公園や橋の下、神社の縁の下を借りて野宿しながら、目の前の自然を感じながら歩いて帰ったのです。

【本紙】 幸手青年会議所理事長としてあかるい豊かなまちづくりをされていますね?

一隅を照らす

【吉良】 スローガンでも掲げたのですが、あかるい豊かなまちを作るには、まちの豊かさとは何か、を考えないといけないと思っています。いろんな行政サービスもあり、あるいは市民団体の活動もあり、様々な豊かさの要素があると思うのですが、一番基礎になるのは心の豊かさだと思います。まさに人づくりです。そこに通ずる事業をやっていきたいと思っています。いまの幸手だけに限らず、社会は無関心や無責任だとか言われていますし、また、たくさんの事件が起きています。もう一度まちづくりの土台を作ることが必要です。私達の今年のスローガンは「心の富を蓄える社会へ 一隅を照らす」です。これは言い換えるならば「気づき」です。仏教では「ご利益」なんて言いますが、これは先祖や自然、世界をうやまう気持ちがないとご利益に気付かない。身近で言えば、感謝の気持ちがないと近くの人の小さな親切や思いやりにも気づけない。そういった気づきの心を育める環境作り、あるいは育める事業をやりたいと思っています。

友達の輪写真

【本紙】 何か具体的には?

【吉良】 10月27日にウエルス幸手で開催する市民討議会です。幸手市に住民登録のある20歳以上の方から、年齢構成比や男女比など人口構成を基準に1,000人を無作為に選出させていただき、参加依頼書を発送し、抽選をもって20人の方々にご参加いただくこととなります。5人程度で一つのグループをつくり、今の社会やまちづくりに関して意見を出し合いながらまとめていきます。最終的に全員が投票をもって提言を作成するというものです。さらに、提言書の作成で終わらせることなく、自分たちの事業として次の年に実践していこうと考えてます。そして、3年から5年でこの事業を自立させ、市民参加のまちづくりが根付くことを目標としています。また、「子ども大学さって」も本年からスタートします。地域が子供の教育にもっと携わる、子供に学ぶことの楽しさや生きる喜びを親や地域の人たちで教えられる環境を作ることができればと思っています。

【本紙】 では、お友達をご紹介下さい。

【吉良】 スタジオRichを主宰している友人の久野理奈さんを紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。あかるい豊かなまちを作って下さい。(吉良さんは趣味が創作活動だそうで絵画や造形をはじめいろいろなものを創っているそうです。吉良さんと同じように若々しさもったまちづくりに期待したいですね。)