タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪460号(2014年6月8日発行) 
オーパス ワン Craft man 高田 直樹さんへ

梅雨入りの季節になりました。権現堂では初夏の日差しの中であじさい祭りも始まり、季節の彩を楽しむ人たちを迎えてくれます。さて、本日の友達の輪には夢菓子工房プレザン・パッセの細井さんご夫妻からご紹介いただいた高田直樹さんに登場いただきます。高田さんは革製品の制作販売をなさっているクラフトマンです。

【本紙】 お店を開かれるきっかけってなんですか?

【高田】(敬称略) 趣味でバイクに乗っているのですが、そのバイクにつけるウエストポーチを革で作ってみようかなと思ったのが、今の仕事を始める最初のきっかけだったと思います。でも、独学でしたから作り始めた当初は縫う方法すらも分かりませんでした。最初に作ったのは革の巾着で糸の代わりに靴ひもを利用しました。普通なら図面などを書くのですが、僕は絵が下手なので頭の中で立体的な形をイメージし、それを分解して平面図をイメージし、図面を書かずにいきなり型紙から作り始めます。一度絵に描けばいいのですが絵にするとまったく別のものが出来てしまうのです。器用なのか不器用なのか分かりませんね。(笑)そして、突き詰めていくうちに、材料はどういうところに売っているとか、どういう風にすれば縫えるのかという事など色々と試行錯誤しました。そしてある時、目の前がパーンと開けたのです。それで、ハンドクラフトの革製品店を始めようと思ったのです。開店は2007年の7月です。

【本紙】 趣味から1年でお店を開業されたわけですが、回りの反応はどうでしたか?現在メインで作っているのはなんですか?

確信の瞬間友達の輪写真

【高田】 お店を開いてやっていけると思っていたのは僕だけだったと思います。回りの人はまったく理解できなかったのではないでしょうか。道具も今ならホームセンターに行けば売っていますが、当時レザークラフト用品はほとんどなかったですからね。ここ数年でレザークラフトが認知され、商品も一点物で高いというのが分かってきています。始めたばかりの頃、まだ趣味の域でしたが鹿革で服を作りました。でも、自分の中では服は違うかなと思ったのです。一カ月位かかりましたが、いま見てもよく出来ていると思います。それで、この服を作ったときにお店を出せるという確信が持てたのです。服を作ったのはこれが最初で最後です。現在作っているものではお財布が圧倒的に多いですね。お財布は寸法が決まっているので、決められた寸法の中で、いかに凝縮できるかというのが腕の見せ所だと思います。革の種類もクロコダイルから牛や鹿などあり、色もバリエーションが増え、赤やブラウンなどもあります。その中でも当店の売りはナチュラルですね。

【本紙】 商品にコンセプトがあるそうですが?

クロコは気合

【高田】 クロコダイルを使った商品ですね。ワニ皮の中で高級なのがクロコダイルでその下にアリゲーターやカイマンなどと他の種類があります。さらにクロコダイルの中でもラージクロコ、スモールクロコ、ナイルクロコと3種類あり、最も高級なのがスモールクロコのコロサスと言われています。僕はナイルクロコの鱗が立っているのを使っています。クロコダイルを扱うときは裁断する日の朝に「クロコダイルを切るぞ」というモチベーションがあります。高価なものなので、絶対に失敗が許されません。革の業者さんの協力もあり多くの中から選ばせてもらえるので、自分のイメージと同じ革をさがせます。クロコダイルは背中から開いてお腹だけ残すのが一般的です。クロコダイルは野生のものはなく、すべて養殖です。クロコダイルは腹を擦って歩くので、お腹が傷になってしまいます。養殖では傷がつかないように例えばウレタン状のマットの上で養殖したりしています。

【本紙】 補修などのアフターケアも受け付けていますか?

友達の輪写真

【高田】 もちろんです。うちでは全て手縫いですが、ミシンは厳密に言うと縫っているのではなく、上糸を下糸に引っ掛けひっかけています。そのために、1か所が切れてしまうと、全て解けてしまいます。手縫いの場合ですと、クロスステッチでひとつの穴に針が2本通るので、例えば1個が切れてももう1個がひっかかって残っていますし、確実に引っ張って縫っているので解れることもありません。糸もうちではシニューという手縫い専用の糸を使っています。

【本紙】 カスタムもしているそうですが何種類くらいありますか?将来的な夢みたいなことってありますか?

やっていることが夢

【高田】 ジャンルで言えば、財布・バッグ・携帯ケースなどですね。そこからのカスタムで大きくしたり、小さくしたり、違う革を使ってオリジナリティを出したりなどです。これらはお客さんとの話し合いで出来るので、ほぼ無限に出来ます。他にもチョーカーやビーズなどのアクセサリーも作ったりしています。ビーズの世界は奥が深く、ハマるととんでもないことになりそうなので、そっちには行かないようにしています。シルバーも同様にハマらないように気を付けています。将来の夢ですが、いまやっていることが夢みたいなことです。

【本紙】 楽しそうですね。では、お友達をご紹介下さい。

【高田】 演歌歌手として活躍されている中川京美さんをご紹介いたします。

【本紙】 ありがとうございました。益々のご活躍をご祈念します。(オーパス・ワンという店名は音楽用語で作品番号第一という意味だそうで、高田さんのクラフトマンシップを表しているように感じました。また、高田さんは6月下旬頃に店舗を幸手市内に移すそうです。手縫いの革製品一度ご覧になってはいかがですか。)