タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

サイトマップ・個人情報取扱いについて
  • トップ
  • 友達の輪
  • タウンプレスとは
  • タウンプレス最新号
  • 会社案内
  • 特集号
  • 学校新聞
  •  
  • 読売新聞

友達の輪482号(2015年5月10日発行) 
ソアーヴェ代表 阿部 敏子さんへ

ゴールデンウィークも過ぎ、水田にも水がはられ植えられた稲の葉が風にゆれています。さて、今回の友達の輪はエステサロン「英」の神谷英子さんからご紹介いただいた阿部 敏子さんに登場いただきます。阿部さんは音楽ボランティアの「ソアーヴェ」を主宰されている方です。

【本紙】 こんにちは。ボランティア先の「すぎと翔裕館(しょうゆうかん)」までお邪魔してしまいました。ソアーヴェとはどういう意味ですか?元々声楽をなさっていたのですか?

【阿部】(敬称略) 「柔らかに」や「優しく」という意味です。これは私のコーラスの先生と立ち上げた独唱を楽しむ会です。コーラスは結婚する前までやっていました。結婚をして一旦辞めましたが、それから子供が十分に育って、息子の友達の母親からコーラスのお誘いをいただき、それからずっとコーラスをしています。今までは混声合唱をやっていたのですが、現在の先生と知り合うことができまして、また独唱をやっていくことになりました。

【本紙】 独唱と合唱では違うものですか?

【阿部】私としては違いがあると思っています。声楽というのは声帯を振動させて体全体に響かせることによって、その人の持つ声で歌うことになるのです。合唱だと数人で各パートの声を合わせ、パートごとに違った旋律を歌いハーモニーを楽しむのですが、独唱だとその人の声で歌うことができるのです。自分の声帯という小さな楽器ですが、歌い方によってはホール全体に声を響かせることができると先生から教わりました。また、ちょっと表現は良くないのですが、独唱ですと、自分ひとりですから歌詞忘れや歌詞間違いなどが出来ません。この辺りは本当に自己責任となります。歌の効果もありますよ。腹式呼吸をしますので、喉を大切にしようとする意識も働いて風邪も引かずに健康ですね。また歌を歌うということが私自身のリラックス法にもなっています。先生から教わっていて、何度もやり直しをさせられても、体で覚えていくためのご指導をいただいているということですから、苦にはなりませんね。

【本紙】 ボランティアを始められたのは?

音楽療法のひとつ友達の輪写真

【阿部】 平成24年の6月にある施設から「ボランティアに来てくれないか?」と依頼がありました。それで現在習っている先生に相談したところ、先生は音楽療法のお仕事をされていたので、ピアノの協力と、音楽療法を教えて下さいました。しかし、先生は声楽家でお忙しくなってしまい、現在、一緒に活動している土屋智子さんというピアニストを紹介して下さいました。ボランティア活動で訪問するのは主に高齢者の方の施設です。杉戸から久喜などの五ケ所に常時出向いています。ここは「すぎと翔裕館(しょうゆうかん)」というデイサービスの施設ですが、毎月一回必ず伺っています。他にも毎月一回のところもありますが、施設からのご依頼があったときに伺っています。これ以外でも単発でご依頼があれば受けるようにしています。活動は一回の訪問で、1時間くらいです。音楽療法というのは、参加してくださった施設の皆さんが笑顔になって元気になっていただくということで、共に楽しい時間を過ごそうということです。今日はピアニストの土屋さんにヴァイオリンを弾いてもらいましたが、オカリナを奏したり、私がソロで歌ったりする事もあります。でも、施設にも色んな方がいますので、大事なのは無理強いせず、出来る範囲のことをしてもらいます。私も介護の方から色々と教わったり、ヨガの呼吸法なども教わってそれも取り入れたりしています。一口に音楽療法といっても色々とあります。音楽療法の一種で嚥下体操のひとつに、飲み込みの力も改善させる「パタカラ体操」というのがあります。早口言葉をやったり、口パクでもいいので、滑舌を良くなるように土屋さんといろいろ考えてやっています。
【土屋】 機能訓練をただやるだけでは、やる方も苦痛になってしまうこともあるのです。音楽を媒体にしてあげると楽しんで出来るという側面があると思います。

【本紙】 ソアーヴェでの夢ってありますか?

たくさんの施設に

友達の輪写真

【阿部】 大きい施設もいいのですが、ボランティアがあまり来ないようなところからもご依頼が来て欲しいと思います。ソアーヴェの歌の会も募集しています。特に条件はなく、歌が好きなら問題ありません。音符も読めなくても、歌を歌ったりの経験がなくても大丈夫です。本当に音が取れない人でも先生の指導ひとつで音が取れるようになりますし、きちんと歌えるようになります。何人かで聞きながらひとりずつ指導するのですが、指導の過程で上達していくのが目に見えて分かります。私たちの先生もまた先生に教わってて、その方から教わったことをご自分の声楽勉強の一環として私たちに教えてくださっているので、謝礼はいらないということなんです。先生から教えてもらったことを、どなたかにお返ししてその人たちが元気になってくれれば嬉しいと思っていますし、また私たちも元気にさせてもらえますし、楽しかったと家に帰れば家族も喜んでくれます。

【本紙】 ボランティアで思い出に残っているものなどありますか?

母へのボランティア

【阿部】 私事ですが母が今年の1月に亡くなりました。その半年前から体調を悪くして、施設に入ったのです。95歳の母がひとりでバスに乗って病院に行ったり、色んなサークルをやったりととても元気な母だったのですが、そんな母が施設に入ったときに退屈で仕方ないと言うのです。それで施設にお願いして、土屋さんにも協力してもらってボランティアをさせてもらったのです。そうしたら、母がとても喜んでくれ、土屋さんと私のところに来て、「元気で頑張ってね、仲良くやってね」と声をかけてくれたのです。私が小さいときに両親が色々と習わせてくれたものが今につながっていて、母がとても喜んでくれたのです。嬉しかったですね。

【本紙】 その言葉があればもっと頑張れますね。

【阿部】 そうですね。他の施設からもまたお願いしますと頼まれたり、入居者の方から「次はいつ来ますか?また来て下さい」と言われるのも嬉しいですね。

【本紙】 土屋さんから見て阿部さんはどんな方ですか?

【土屋】 すごく明るくてパワーのある方ですね。人と接することが大好きで、人が楽しんでくれることに喜びを感じるからこそ続けられるのだと思います。決して押し付けではなく、目の前にいる方がどうやったら喜んでくれるのかを考えて内容を作っていますので、勉強させてもらっています。

【本紙】 土屋さんと二人三脚ですね。では、お友達をご紹介ください。

【阿部】 フラワーオブジェをやっている華道教授の松本浩子さんをご紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。益々のご活躍を祈念します。(阿部さんは色々な趣味をお持ちで、ハガキ絵やパンが好きなご主人の為にパン作りも楽しんでいるようです。お話しているととてもパワーを感じる方でした。