タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪483号(2015年5月24日発行) 
華道教授 松本 浩子さんへ

新緑がまぶしい季節がやってきました。今回の友達の輪はコーラスボランティアの「ソアーヴェ」の阿部敏子さんからご紹介いただいた松本 浩子さんに登場いただきます。松本さんはフラワーオブジェ等をされている方です。

【本紙】 こんにちは。阿部さんからご紹介いただきました。ボランティア活動が長いようですね?

【松本】(敬称略) ボランティアのきっかけは幼稚園の先生になるときでした。短期大学の保育科で乳児院などの施設で実習させていただいたので、その段階で手話などに興味を持っていました。学生の頃からなにか福祉のことで役に立ちたいという思いもありました。でも、ボランティアに本当に関心を持ったのは阪神淡路大震災です。震災直後に結集したボランティアの姿は、一筋の希望の光で、いつか、私もそのような活動ができればと思いました。そして、まず一歩の気持ちで福祉体験活動からスタートしました。手話、要約筆記、ガイドヘルプ、傾聴などの講習会にも参加しました。参加することによって自分自身が、目の見えること、耳が聞こえること、歩けることに感謝できました。また、読み聞かせボランティアは、本屋さんに新刊や良書を紹介していただき、済生会栗橋病院の小児病棟の読み聞かせボランティアを六年間続けさせていただきました。当時は病室で一対一で読み聞かせができたのです。「アンパンマン」の本や「うさぎとかめ」「みにくいアヒルの子」など毎回ベッドの横にすわって笑顔で読みました。毎回が一期一会の出会いです。国語の教科書の音読では子どもが、先生になって、読み方を批評してくれたり、オセロゲームでは、子どもが勝つまで何度も挑戦させられ「勝った」と大喜びしたり、「明日退院だ」と言っていた子どもなど、それぞれ一言一言から喜びがこぼれていました。小児病棟は、勇気と希望を与え生きることの大切さを伝えています。病気と闘う子どもたちの姿勢に逆に自分が励まされました。

【本紙】 生け花もボランティアと伺いましたが、フラワーオブジェとはどのようなものですか?

リサイクルフラワー友達の輪写真

【松本】生け花ボランティアは、病院の入り口に生け花を飾るのですが、始めた一年目は、頂いた花器や庭園に咲いている花をミニオブジェにして飾りました。六年間飾り続けましたが、患者さんにはとても喜んでいただきました。お花をはじめたきっかけは34年前幼稚園の先生をやりながら桂古流の生け花の免許を取ったことです。私が生けた作品に園児たちが一生懸命折り紙で鶴を折ったり、石で絵を描いてくれたりしていたのです。そのときにオブジェというものを意識するようになりました。子どもたちから学ばせてもらった感じですね。オブジェというものは想像力を働かせる工作的な面があり、生け花や和紙工芸士の資格を持っていましたので、両方を上手く組み合わせました。花屋さんの生花だけでなく、野菜の花などでも生けるようになりました。桂古流のものというのではなくて、食べるものも好きだったので、野菜を種から自分で植えたり、また廃物利用といいましょうか、ダンボールなどを利用してお花を生けたりもしました。視覚障害者のガイドヘルパーなど福祉用具資格も持っていましたので、足の不自由な方のお宅にボランティアに行ったりして、そのお宅にあるお皿や器、空き缶などを利用してなるべくお金をかけないように工夫してお花を生けたりしました。それもあって、別名リサイクルフラワーと呼ばれていました。病人の方が生の花の匂いが駄目という方もいます。でも、色鮮やかなお花は視覚を刺激し必要だと思うのです。それで、生花だけでなく和紙でお花を作ったりしましたね。もちろん、伝統的な生け花も大切だと思っています。

【本紙】 リサイクルフラワーというのはいいネーミングですね。献血も積極的にされているそうですね。

献血ボランティア

【松本】 母も祖母も100年続いた酒屋の嫁で、実家は助産所も兼ねていたのです。母は国立病院の看護学校1期生で、助産婦と正看護婦の資格を持っていました。そういう姿を見ていて私と妹の誰かが看護の道へと言われたのですが、私はあえて保育科に進んで幼稚園の先生になったのです。人の命っていうのは100歳まで生きる方もいますけど、寿命って分からないじゃないですか、妹が29歳で亡くなってしまったというのもあると思います。いろんな病院に行ったときに、血液のO型が常に足りないところを見てきて、「人の役に立てることができたらいいな」といつも思っていました。私はボランティアのひとつのつもりで献血も積極的にやっています。自分自身あまり体調がよくないので、200mlしか取れないのですが、「それでもお願いします」と川口に行く度に献血センターから頼まれるのです。以前は60歳までだった献血も、今は69歳まで引き上げられました。みんなで協力したいですね。また、買い物の時もピンクリボンなどに協力している商品を買ったりして、自分に出来ることをやるようにしています。

【本紙】 これからの夢ってありますか?

友達の輪写真

【松本】 やっぱり教育でしょうか。心の叫びを聞いてあげられるような、自分自身も生きている限り共に成長していきたいなと思います。心の叫びというのは子どもや保護者、お年寄りかもしれません。団体だと話してくれないことでも、ひとりだと話してくれることもありますから、そういうのを聞いてあげるのも大切だと思います。総合学習として福祉体験の指導に各小学校に行くのですが、私のことを子どもたちが覚えて、子どもたちによく声をかけられるのです。大人もですが、子どもにも声をかけてもらえるのが嬉しいですね。その子どもたちが悩んだときに、話を聞いてあげられたらと思います。見えて聞こえないとか、聞こえて見えない、ボディ手話、点字なども大切だと思います。2020年にはパラリンピックもあります。そのことも踏まえることが出来ればいいですね。

【本紙】 では、お友達をご紹介ください。

【松本】 野菜ソムリエってご存知ですか?その小川悦子さんをご紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。益々のご活躍を祈念します。(松本さんはご自身が子宝に恵まれなかったそうですが、だからこそ、保育ボランティアではお母さんたちが離乳食を作っている間に代わりに子どもを見てあげたり、ファミリーサポートセンターの会員で送り迎えや、放課後児童クラブなどもずっとやられていたそうです。ボランティア一筋の松本さんに感激しました。)