友達の輪487号(2015年7月19日発行)
珠算塾 菊地 慶子さんへ
梅雨明け間近の日曜日、今日から長い夏休みも始まったようですね。夏を満喫する元気な子どもたちの姿が浮かびます。さて、本日の友達の輪は書家・石垣翠園さんからご紹介いただいた菊地慶子さんに登場いただきます。菊地さんはそろばん塾を運営されている方です。
【本紙】 書道教室の石垣さんから珠算塾の先生とご紹介いただきました。米穀倉庫をされていたそうですね。
【菊地】(敬称略) 私の実家は酒屋で3人の兄も同業でした。高校を出てから花嫁修業をして商売家へ嫁ぐのが当然のように思っていました。縁あってお嫁にきたのですが、主人は五霞町生まれ五霞町育ちですから全く環境が違うわけです。全てが不思議でした。倉庫の留守番をやって欲しいと言われ、そんな簡単な仕事ならばと軽い気持ちで引き受けたのです。ところが、お米の収穫時期は9月頃で、すぐに忙しくなってしまいました。農家さんが収穫したお米を私たちのような集荷業者に持ってきます。それまで、精米したものしか見たことがなかったので、玄米を初めて見た時に「お米ってこんな色をしていたっけ?」と思ったほどです(笑)当時、境町に農水省の事務所があって、そこから担当の職員が来てお米の検査をして等級を決めていきます。簡単な倉庫の留守番といってもお客様へのお茶入れ、昼は職員の方たちに食事の用意、夜は倉方さん達の食事と心身共に疲れてしまって、こんな仕事があるのかと思いました。
【本紙】 こちらの塾はいつからやられているんですか?
そろばん教えて
【菊地】昭和51年6月からです。近所でそろばんを教えて欲しいという話が来たのです。商業高校でそろばんをやっていましたが、専門家でもないし、人に教えた経験もないので、なにもわからないわけですよ。それで、父の知り合いの方で色々と社会的に地位のある先生の所へ見習いにいきました。見習いといっても毎回まるつけをしながら教室の空気をよむ程度でした。その後、地元はどうなっているのだろう?と思って色々調べた結果、幸手商業高校に辿りつきました。そこへ初めて行った時、素晴らしい方に出会いました。その方からそろばんのノウハウを教えて頂き、更に、研修などがあれば、あちこちに出向きました。そろばん指導に関してコンプレックスの塊でしたが逆にそれがバネになり良かったのかなと思います。最初は近所の子どもさん達が来てくれました。2、3人のつもりが4人、5人となり緊張の連続でしたね。その後もいろんな所に研修に行き、なんとか軌道にのってきました。子どもたちも増え、ピークは平成8年頃でした、そのピークのさなか主人が突然亡くなってしまったのです。塾生も大勢いましたし、倉庫の方も利用して下さるお客様がいましたが、どちらかを辞めないと無理だと思いました。ところが有難いことにお客様方が、こちらの事情を理解して下さりご協力を頂き、そろばんの方も私の友人たちが助けてくれました。他にも多方面の方々にお世話になりました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
【本紙】 塾には何年生くらいの子が来られているのですか?
無料体験
【菊地】 小学2年生から中学2年生くらいまでで、週に2回3時間になります。週に1回しか来られない子もいますし、これから夏休みになるので特別練習というのを作って「5人に満たなかったらやらないよ」と告知したところ5人以上集まりました。この特別練習日に無料体験の時間を設けました。今月21日(火)、28日(火)の二日間、午後4時30分~5時20分で開催します。関心がありましたらぜひご参加下さい。お手数ですが事前にお電話でお知らせ下さい。昔からそろばんは暗算もするのでいいとは言われています。小学校の三年生と四年生の算数の中にそろばん授業が五時間ほどあります。ずいぶん前から五霞町の西小学校と東小学校に担任の先生の補助として、そろばん指導のボランティアに行くようになりました。今はもう慣れましたが、最初は「30人くらいの授業をどうやってやろうかな」と思いました。毎年行くのですが行く前は気持ちが重いのですが、授業が始まるととても楽しいのです。そろばんを教えて現在まで至りましたが、今になって「なんて素晴らしい仕事をやらせてもらっているのだろう」思っています。
【本紙】 子どもの成長が楽しみですね。ところで、ご趣味などは?
エルヴィス・プレスリー
【菊地】 エルヴィス・プレスリーですね。学生時代に友達から映画を観に行こうと誘われたのです。それがエルヴィスの「ブルーハワイ」でした。観る前はエルヴィスに対する偏見のようなものもあったのですが、エルヴィスの声と歌いながらのパフォーマンスを観たら、「なんて上品で素敵なんだろう」と感動しました。それから私の日比谷通いが始まりました。当時、「映画の友」や「スクリーン」といった雑誌も読みあさりました。その後、没後25年を記念する「とことんプレスリー」という番組をやっていたのです。それを観てアメリカ史に与えた彼の偉大な役割を知ってびっくりしました。それからファンクラブに入会して、間もなくエルヴィスの住まいであるグレイスランドを訪ねるツアーに参加しました。エルヴィスに関する場所に行った時の感動は常にハイテンションの日々でした。その後、個人で気の合う仲間と数回行きました。
【本紙】 エルヴィスの空気に触れるわけですね。
エルヴィスの魅力
【菊地】 エルヴィスの命日8月16日には6万人のファンが集まりキャンドルを片手にエルヴィスのお墓へ進んでいきます。アメリカは勿論ですがヨーロッパの国の中でイギリスのファンクラブがもっとも多く参加します。38年経ってもエルヴィスを慕う人達がいるということ、その思いはそれぞれですがファンの一人として彼の人間としての魅力、それはミシシッピ州の黒人居住区のプアホワイトといって貧しい白人の双子として誕生しました。お兄さんは間もなく亡くなりましたが彼は自分だけが生かされたことに負い目を感じていたそうです。貧しいけれど両親の愛情をたっぷり受けて教会には必ず親子3人で通い幼いころからゴスペルを聞いて育ち、後の彼の音楽に大きな影響をあたえました。当時、黒人の音楽は白人の社会ではタブーとされていましたが彼の感性で見事に両者の音楽が融合されてロックンロールの誕生になりました。日本ではエルヴィスの情報が乏しかったためか彼の評価は今でも低いですが、ビートルズのジョン・レノンをはじめ世界の著名なミュージシャンたちから 「エルヴィスがいなかったら今の自分はないだろう。エルヴィスを超える者はこれからも出てこないだろう」と賞賛されています。
【本紙】 エルヴィスの話は尽きませんね。大ファンですね。では、お友達をご紹介下さい。
【菊地】 五霞町の農業の後継者を育てようという事で発足した農業塾の杉田忠衛さんをご紹介します。
【本紙】 ありがとうございました。子どもたちにそろばんの楽しさをこれからもご指導下さい。益々のご活躍を祈念します。(菊地さんの塾では遊びも取り入れてそろばんを楽しんでいるようです。そろばんは脳の発達にとても良いそうですが、昔から「読み書きそろばん」というようにそろばんの持つ魅力を体感してみてはいかがでしょう。)