タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪488号(2015年8月9日発行) 
茨城県むつみ農協野菜部会 部会長杉田 忠衛さんへ

梅雨も明け、体を焦がすような暑い日射しを感じます。さて、本日の友達の輪はそろばん塾の菊地慶子さんからご紹介いただいた杉田忠衛さんに登場いただきます。杉田さんは農業をされています。

【本紙】 菊地さんから五霞の農業関係に携わっている方と伺いましたが?

【杉田】(敬称略) はじめまして。よろしくお願いいたします。町の活性化ということで、「道の駅・五霞」が10年前に作られました。国の補助をいただき、町長がトップに立ち、第3セクターで運営しています。農産物に関してはむつみ農協が担当し、他の物産などは第3セクターでやっております。しかし、10年も経つと生産農家の高齢化も進み、後継者の育成が急がれて来ました。そこで、五霞町長、茨城むつみ組合長らの働きかけで2年前から農業塾が開校されました。たまたま、五霞地区野菜組合の組合長であったため、協力員という形で運営のお手伝いを依頼されスタートしました。基礎から学ぶということで、農業にまったく携わったことがない、また家庭菜園の延長でも可能というスタイルで募集しました。私の主な仕事は運営のお手伝いで、講師は「坂東普及センター」から来ていただいております。最初の昨年度は22名集まりましたが、二期生となる本年は24名集まっております。

【本紙】 杉田さんは農業が長いのですか?

定年後を見据えて友達の輪写真

【杉田】家が兼業農家だったのですが、定年まで会社勤めでした。「道の駅」がスタートしたのが10年前で、父も兼業で母が中心となって市場出しなどをやっていました。当時50代でしたから、定年後には「農家を主でやってもいいかな」と思い、10年計画で機械を導入したり、設備を整えたりして今に至るという感じですね。ですから、農業を学校で学んだわけではなく、独学でやってきたものではありますが、10年近く学んできたものを若者に継がせたいということですね。少しでも役立てることが出来ればと思いますね。農業塾には私のように会社勤めをしていたけど、定年後は道の駅に農作物を出荷して老後の楽しみにしようと考えている方もいます。一期生ですでに、道の駅に加入して自分の作ったものを販売している方もいます。農業をやらないと土地も荒れてしまってなにもできなくなってしまいます。1回草を生えさせてしまうと復活させるのに3年~5年くらいかかります。農地を守るというのは大変なことです。そして、国内自給率を高めるためにも若い方に農業に入ってもらいたいですね。

【本紙】 野菜売場に行くと生産者の顔写真が貼ってあったりしますが、ああいう感じで売られているのですか?

親子で本格農業へ

【杉田】 「道の駅」への出荷と「イトーヨーカドー」さんや「マルヤ」さんなどに卸しています。配送納品は32歳になる息子がやってくれています。息子も今年の2月に仕事を辞めまして、一緒にやってくれることになりました。息子から「やらないとまずいの?」と聞かれたときは、「大丈夫だよ」と言っていたのですけどね。朝早くから会社に行っていた頃より、今のほうがのびのびと仕事をやっているように見受けられますからこれで良かったのかなと思います。どうすればもっとよく売れるのか、とか、どうすればもっと甘く出来るのか、など流行りもネットで調べたり、アグリセミナーに参加しています。私のほうが息子に教えるというよりも、一緒になって勉強しているようなものですね。納品したものは自分達で売場に並べるのですが、息子はそのときに色んな人とコミュニケーションを取っているようです。だから、聞かれたらちゃんと対応できるように教えています。茄子でもかぼちゃでも必ずうちで食べて味を確認してから出荷しています。それで美味しいと思えれば自信を持って提供することができますからね。見た目が同じでも味が違うっていうことは結構あることです。イトーヨーカドーさんでは今年から「杉田ファーム」とポップを付けて販売しています。顔写真を入れているところもありますが、うちではポップのみですね。また、料理レシピなどを一緒にいれたりしています。今は茄子が旬ですから、茄子料理や水茄子などのレシピを入れてます。水茄子は皮が普通のよりも柔らかく、みずみずしくて生でも食べられます。普通の茄子とは品種が違います。うちで作っているのは「美男」という品種です。また、売り場で試食販売を行う時もあります。お客さんから質問がありますので、日頃から自分でもいろいろな食べ方を研究しています。お薦めですが、茄子は素揚げでポン酢で食べるとおいしいです。

【本紙】 新しい野菜や栽培のご苦労などありますか?

早朝から収穫友達の輪写真

【杉田】 いまこだわっているもので「スイートキャベツ」というものがあります。新しい品種ですが、野原種苗さんの指導の下で生産しています。土地によって合わないものも出てきますがおいしく出来ました。また、子ども達に人気の「ミニトマト」で「プヨ姫」というのもあります。超薄皮で完熟系のトマトですね。トマトは新しい木の方が美味しさも出来も違うので、収穫後はワンシーズンで木を全部抜きます。作業としては大変ですね。また、今が旬のキュウリなどは毎日取らないとどんどん伸びて行ってしまって、売り物にならなくなってしまいます。ですから、朝晩と1日に2回収穫しないと大きくなってしまいます。朝獲りを基本としてやっていますので、私と妻と息子の3人で、朝4時30分に起きて5時頃から収穫しています。雨でも休まずに行います。

【本紙】 大変ですね。気分転換にご趣味などは?

【杉田】 釣りと旅行だったのですが、仕事柄なかなか行けなくなってしまいましたね。今年還暦なので、自分で自分を何かの形でお祝いしたいというのが夢でもありますね。これから60歳、70歳という節目も出てきますし、健康管理もきちんとしていきたいですし、何があっても健康というのが何よりだと思いますね。でも、農業をメインにやるようになって、随分と心に余裕が出てきたようにも思えます。息子からも雨が降ってきたからハウスを閉めておいて、とよく電話がかかってきますよ。私も息子を農業の面で助けないといけないですし、そういう意味では機械の先行投資も悪くなかったかもしれません。自分の代だけで終わったらもったいないですからね。あと10年くらいはやっていきたいと思っています。

【本紙】 ありがとうございました。では。お友達をご紹介ください。

【杉田】 五霞町長の染谷森雄さんをご紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。美味しい野菜作りを期待します。(杉田さんは息子さんが後継者として育つのが楽しみなようで、親子だからこそ、一歩引かないといけない部分もあると笑顔で話してくれました。スーパ-で杉田ファームをさがしてみてください。)