友達の輪489号(2015年8月24日発行)
五霞町町長 染谷 森雄さんへ
夏休みも終盤をむかえ、子どもたちも夏休みの宿題を片づける追い込み時期になってきました。さて、本日の友達の輪は茨城むつみ農協の杉田忠衛さんからご紹介いただいた五霞町長の染谷森雄さんに登場いただきます。
【本紙】 杉田さんから道の駅のトップでもある町長をご紹介いただきました。まず、道の駅についてお聞かせいただけますか?
観光地ベスト7
【染谷】(敬称略) 道の駅ごかは、第3セクター方式で町とJA茨城むつみ、工業クラブ、商工会が出資団体となり、平成17年4月にオープンしました。道の駅は赤字というイメージがあり、当初は「赤字になってしまった場合、どこが補填するのだろう?」と不安もありましたが、立地も良くおかげさまで順調に推移しております。道の駅の目的のひとつは農業の活性化で、他と差別化して道の駅ごか特有なものを発信していくことで、農産物の直売では新鮮で安全・安心のものを提供しようとスタートしました。今では生産農家114軒が参加しています。農産物の直売が始まったことで多方面にも刺激になり、そのひとつに主婦の方々によって花の栽培が行われ、花の組合まで組織されました。もともと五霞町には、主力である米の育苗用にビニールハウスがあるのですが、使用される期間は一時的です。そこでハウスを使わない時期に、小菊を栽培して販売しようと考えました。皆さんの努力の成果でアスターやユリの栽培と広がっていきました。また、昔からあるお餅や赤飯などの加工食品も販売するようになりましたし、それらをまとめる組織が出来たというのも今まででは考えられなかったことですね。道の駅ごかは様々な方向へ広がっていった結果、当初の目標だった年間売上も達成し、一昨年には、お客様からのご意見を取り入れてリニューアルもしました。外に飲食スペースや宝くじ販売施設を設けたり、案内看板も増やし、トイレも再整備しました。その他にも販売するための施設も作り、土日には大洗の魚屋さんによるおさかな市などを開催しています。年間100万人ものレジ通過者がいることから、実際にはもっとたくさんのお客様に来ていただいていると思います。今年は圏央道も開通しましたし、新4号国道も4車線になり、5月の連休中のレジ通過者は今まで4万人台でしたが、今年は7万人近くまで増え県内観光地でベスト10に入りました。町の農産物の活性化と、他都市との交流も増えたと実感しています。今後は道の駅ごかを中心にして五霞インター周辺の開発事業も現在進行中であるのでさらに楽しみです。
【本紙】 インフラと道の駅という拠点がマッチングした成果ですね。まちの未来像は?
若者の街を創ろう
【染谷】まちづくりというのは永遠なもので、次世代に継承されないと続かないものです。町では、第5次総合計画で平成32年までの計画が出来ています。総合計画は住民の皆様のアンケート調査を始め、様々なご意見から成り立っているもので、それに沿って計画が作られています。これを着実に実行して、絵に書いた餅にならないように職員とともに取り組んでおります。圏央道も開通しましたし、新4号国道も完成形では6車線になります。東埼玉道路も五霞町インターチェンジまでの延伸を要望しています。交通の利便性や町の特性を活かしたまちづくりを進めていくのが大切だと思います。五霞町は川に囲まれた小さい町ですが、小さいからこそ顔の見える町づくりを進めていきたいと思います。また、国では地方創成事業が動き出しました。いわゆる人口減対策で、町でも戦略本部を立ち上げました。人口減少にどう取り組むか?過疎化にどう取り組むか?というのが課題です。南栗橋から1㎞程度の場所に小手指地区がありますが、南栗橋駅を最寄り駅とする形で、若者に住んでいただける住宅地開発を検討している状況です。高校は例年90%くらい県外に通っていますが、その人たちのほとんどが東武線を使っており、都心に乗り換えなく行ける南栗橋駅は非常に利便性が高いと思います。若者に定住してもらうためには、働く場所が必要ですが、町にはキユーピーやヤクルトなどの企業も多く昼間人口は5千人も増えています。また、子どもを預けて働きたいという子育て世代にとって、保育園などは重要です。町では現在、待機児童はゼロです。町の補助を受けて新たに認定こども園を作ろうという計画もあります。若者には、ぜひ定住して欲しいですね。
【本紙】 職員とのコミュニケーションが豊かなようですね。組織づくりにもポリシーがあるようですが?
自主的な職員に期待
【染谷】 心がけていることとして、職員を動かす前にまず自分が動くということです。口だけですと職員にも認めてもらえないですからね。月の初めに私と副町長と教育長とで各課を歩いて朝礼を行うのです。普通ならマイクで放送すれば済むことですが、各課を歩き職員の顔を見て話をする事が大事だと思っています。町長室へ来るのは管理職の職員が多いので、私から出向いて話をする機会や顔を見る機会のない職員と話すということを大事にしています。また、「職場の教養」という冊子がありますが、各所属に配布しています。お互いの共通認識として使える内容もありますからね。また、うちの職員は積極的に新しいことに取り組んでいます。そういう土壌が役場内に出来て嬉しいですし、ありがたいですね。例えば、自治体クラウドの共同運用など、県内でやっていないようなことでも町が県のリーダーシップを取ってやっています。職員が自主的に朝早く出てきて、先輩を講師に迎え勉強会をしています。普段聞けないような話を聞く機会にもなり、コミュニケーション豊かな環境になっています。また、専門のプロを交えて、会議をどう進めるかというファシリテーター養成のための講座もやっています。これには、境町や幸手市からも来てくれています。これらは職員のアイディアによって、自発的にやっていますので、非常に助かっています。そういった場で得た知識を今度は地域に持ち込んでいます。また、情報発信にも力を入れており、広報コンクールではホームページ部門で県内1位になりました。そのような職場環境づくりをこれからも続けたいですね。
【本紙】 頼もしい職員の皆さまですね。では、お友達をご紹介ください。
【染谷】 幸手市でヤマト薬局を経営されている幼なじみの目(さがみ)繁明さんをご紹介します。
【本紙】 ありがとうございました。五霞町の益々の発展と町長のご活躍を祈念いたします。(五霞町長は明るくパワフルな方で、今年68歳だそうです。以前は50頭の乳牛を飼う酪農家だったそうで、「元気の源は小さい頃から飲んでいた牛乳かな」と。お休みには、家庭菜園やガーデニングなどを楽しみむかたわら、スポーツも好きなようで、なかなか出来ないゴルフは100前後の腕前だそうです。若者の定着するまちづくり、楽しみですね。)