友達の輪492号(2015年10月4日発行)
小森谷歯科医院 院長 小森谷 忠明さんへ
10月に入り朝夕めっきり秋らしくなってきました。今年の権現堂堤曼珠沙華まつりも終盤を迎えています。さて、本日の友達の輪は久我クリニックの院長である久我英世さんからご紹介いただいた、同級生の小森谷忠明さんに登場いただきます。小森谷さんは歯科医院の院長です。
【本紙】 歯医者さんになろうと思ったきっかけってなんですか?
【小森谷】(敬称略) 私は子供の頃から機械や電気が好きでした。ラジオや時計を分解して構造を調べたり、自転車を分解してまた組み直したりということをよくやっていました。高校生の頃でしたが、大学進学を決める際、機械工学科か電気工学科に進んでエンジニアになろうと思いました。小中学生の頃はほとんど勉強もしないで遊んでばかりいたのですが、中学3年の夏休み辺りから頑張って勉強して春日部高校に受かったのです。それで、「やれば出来る」という喜びを知りました。高校に進学したら、回りに勉強が出来る人がたくさんいて、それに触発されて自分も勉強が好きになりました。成績も最初は下のほうでしたが、徐々に上がってきて、物理は全国模試テストにおいて1番を取った事もありました。それで将来はエンジニアになろうと考え始めました。ところが高校3年の秋、受験前になったころ人の体の構造にも興味が出てきたのです。特にとても小さな歯というものを治療することにも興味を覚えて、それで歯学部に行ってみようかなと思いました。親にもあまり負担をかけたくないと考え、受験科目が多くて大変でしたが国立を選ぶことにしました。国立大学の歯学部は東京にひとつありますが、それ以外ですと新潟と仙台、北海道や関西になってしまうのです。親と離れて一人暮らしもしてみたいという気持ちもありましたので、比較的近い新潟大学歯学部を受験したのです。
【本紙】 開業したのはいつになりますか?
いつかは地元で
【小森谷】 新潟大学歯学部卒業後に大学の医局に、5年間修行という意味で残りました。学生として6年、医局に5年在籍していましたので、新潟には11年間居ました。幸手が生家で、また長男でしたのでいつかは戻らなくてはと考えており、医局で5年を区切りとして平成2年4月に地元で開業しました。開業にあたっては患者さんに寄り添い、患者さんへの負担ができるだけ少ない治療を心掛けました。歯の治療というのは注射で麻酔をしたり、歯を削ったり・抜いたりと口の中を色々と触られるわけですから、患者さんには大きなストレスになると思います。でも、痛みがあれば治さなければいけませんし、審美性も考えなければなりません。完全にストレスフリーでの治療は難しいですが、我々はそのストレスを可能な限り少なくし、痛みも出来る限り少なく、口を開け続けている時間も出来る限り短くするという努力をしているつもりです。
【本紙】 歯の治療の中でも特に専門というのはあるんですか?
歯科治療全般
【小森谷】 元々の専門は、「歯科保存学」という分野なのですが、「一般開業医」としては出来るだけの事をします。通常の治療から小児歯科、矯正などですね。全部の歯を動かすような矯正となると専門医に依頼しないといけませんが2~3本を動かす矯正は大丈夫です。広い意味では歯を抜くことも口腔外科の分野になります。歯が曲がっていたり、埋伏していたりする場合はとても難しいですね。そのまま1本としては抜けないので、歯肉を剥離して歯を3分割にして抜く事もあります。 よほど難しい場合は春日部市立病院の口腔外科を紹介したりします。歯の移植はやっていませんが、インプラントはやっています。インプラントに関しては材料や素材も昔とは違っていますし、なにより機材の進歩が大きいと思います。昔は大きい病院でないと出来なかったインプラント手術も我々レベルでも出来るようになってきました。最近の機材の進歩ではレントゲンが特に大きいと思います。CTといったら、大病院でないと買えないくらいの高価な機材でしたが、現在では個人医院でも手に入りやすくなりましたので、導入しました。
【本紙】 CTっていうと内科にあるような大きいものですか?
仕事と趣味
【小森谷】 歯科用のCTは患者さんが椅子に座って撮影するものになります。患者さんの顔の周囲を機械が回る装置になりますので、設置面積もそんなに大きくありません。それでも、あらゆる断面の画像は元より、3D画像まで見る事ができます。歯の神経も見えますので、コンピューターの進歩というのは凄いと思いますね。元々、コンピューターが好きなのでそういったものを触るのも好きです。当院で導入したCTメーカーはとても良心的なところで、通常ならハードとソフトがセットで販売されているのですが、自作パソコンに繋げて利用してもいいということでしたので設置しました。趣味のひとつがパソコンなのでCT導入に関しては仕事半分趣味半分のようなものでした。ですから、触っていて非常に楽しいです。当院のパソコンはほとんど私が作ったものです。歯科医師会役員の仕事も多くなかなか休みがとれないのですが、時間が出来たらパソコンショップやパーツを買いに秋葉原に行ったりしています。
【本紙】 自転車もされているそうですね?
ヴィーノ・ノヴェッロ
【小森谷】 大学が新潟だったので冬はスキー、雪がなければソフトボールをやっていました。幸手に戻ってきてからも、地元のソフトボールチームに所属し続けていました。でも、年々身体が言うことを利かなくなってきましたし、仕事柄怪我をしては大変なので引退させて貰いました。それで、現在はロードバイクに乗っています。1~2時間くらいの時間が取れたときは鷲宮神社や宇和田公園など20Km程度走っています。まとまった時間が取れたときは、渡良瀬遊水地か羽生水郷公園まで50~60Kmくらい走っています。また、室内運動としてダンベル運動もやっています。弱い負荷での長時間運動(有酸素運動)がロードバイクで、強い負荷での短時間運動(無酸素運動)がダンベルです。おかげさまで20代の体重をキープしています。実はワインが好きなので、健康でずっと長く飲めるようにという気持ちもあります。ワインはボルドー、ブルゴーニュが好きですが、イタリアのワインも好きですね。ワインを飲むようになったのは7年くらい前からです。フランスの新酒のワインはボジョレー・ヌーボーですが、イタリアにも同じものでヴィーノ・ノヴェッロというのがあります。経緯はちょっと覚えていないのですが、それを見かけて飲んだときにすごく美味しかったのです。それまでワインは年に数回程度しか飲みませんでしたが、それを知ってからはワインばかり飲んでいます。
【本紙】 もうすぐ「ヴィーノ・ノヴェッロ」の時期ですね。では、お友達をご紹介ください。
【小森谷】 クラシックバレエのスタジオをご夫婦でされている百瀬雅浩さんをご紹介します。
【本紙】 ありがとうございました。さらなる地域医療の発展にご活躍下さい。(小森谷さんはとても穏やかな方で、健康で毎日楽しい仕事をしたいと、ロードバイクを楽しみながら若い頃の体型も維持されているそうです。娘さんも歯科医師として大学病院で修行中だそうで、「夢をあえて言うなら、娘とふたりで仕事が出来ればいいな」と。楽しみですね。)