友達の輪497号(2015年12月20日発行)
SFC薬局 幸手中央店 管理薬剤師 関谷 陽子さんへ
今年も残すところ10日あまり、皆さまにとってどんな一年でしたでしょうか。友達の輪の今年のトリを務めていただく方はまちの整骨院馬場茂明さんからご紹介いただいた、関谷陽子さんに登場いただきます。関谷さんは調剤薬局SFC薬局の埼玉エリアマネージャーをされている管理薬剤師さんです。
【本紙】 薬剤師になろうと思ったきっかけなどは?
【関谷】(敬称略) 理系科目が好きでしたので、数学や理科の教師になりたかったのですが、高校の先生に「教師は向かないのではないか」、「薬剤師がいいんじゃないか」と言われたのです。丁度そのころ祖母が病気がちだったこともあって、自分で薬のことを調べたりもしていましたし、先生のアドバイスもあって薬剤師という道もあるのだなと思ったのです。高校三年の時で、ノーマークの進路でしたが薬学部について調べ、自宅が幸手でしたので、そこから通える範囲で大学を探しました。そして、大学を卒業した後に製薬会社に5年勤めていたのですが、結婚して出産を機に退職しました。その後、子育てが3年ほどありまして、仕事から離れていましたが、社会に出たいという気持ちが強かったのです。それで近くで働けるところということで、調剤薬局に勤め始めました。もう18年になりますね。
【本紙】 SFC薬局さんは多店舗ありますね。多くの薬を扱い管理も大変そうですね。
地域で顔の見える薬剤師に
【関谷】 当社は水戸が本社になっていますが、地域密着型をモットーにしております。現在幸手中央店では、医療用医薬品は1000品目くらいを取りそろえています。様々な医療機関の処方箋を受け付けていますが、一方健康相談に来局してくださる方も多くおられます。町の薬局というのは昔から医療を支えてきました。地域で顔の見える関係を大切にし、薬局が地域住民や家族との関係を大切にしながら、健康を支えていきたいとおもっております。また地域のイベントにも積極的に参加させていただいております。サロンなどの集会で健康講座や、学校薬剤師として薬物乱用教室などの活動もさせていただいております。薬学部の大学生の実習の受け入れもおこなっており薬剤師の卵ちゃんの育成も楽しみです。幸手薬剤師会副会長もやらせて頂き、薬局間の連携にも努めております。特に災害時の医薬品の供給体制の構築も重要です。
【本紙】 お仕事を通じてこれからやってみたいことはありますか?
薬局が変われば地域が変わる
【関谷】 これから少子高齢化社会に向かっていく中で、セルフメディケーションの推進も重要と考えます。去年の4月から薬局での検体測定室開設が認められました。埼玉県糖尿病対策推進事業として、埼玉県薬務課から幸手薬剤師会が受託し、無料で検体測定を行っています。幸手市の6薬局で実施しています。薬局で検査するというのはなかなか周知徹底されていませんので、いろいろなイベント等に参加して「こういうことが出来るんですよ」と広めるようにしています。医師会の先生方のご理解をいただいて、今年の9月から始めています。糖尿病はもちろんですけど、尿蛋白のテステープも任意でやっていますので、腎機能についても検査することができます。生活数値が気になる方には当薬局では生活の基本である食事や栄養指導も行っています。そういった方がもう一度受けに来て数値が下がったということもあります。糖尿病は痛くも痒くもありませんし、まったく気がつかないまま進行してしまうのです。少しでも早期に発見できる窓口になれればと思います。この事業は県の補助金で運営しており2月29日までになっています。来年度の申請も出していますが継続できればいいなと思っています。また、他の試みとして1月に他職種連携の講演会を幸手薬剤師会主催で行います。在宅医療が今後進んでいくと思うのですが、そういうところで薬剤師もお役に立てるということで企画してみました。
【本紙】 在宅医療に関して薬剤師のお仕事とはどんなものがありますか?
支えあいの街に
【関谷】 先週、九十九里町の片貝薬局さんを訪問しました。薬剤師の富田先生は365日在宅で回っていまして、その現場を見せていただきました。在宅の場合、訪問薬剤管理指導という点数がありますが、この先生は違って、例えば生活上困ったことがある方には、毎日無料で伺うという方なのです。見守りですね。まったく知らない人よりも、顔馴染みであって今まで相談を受けていた薬局の薬剤師が行くことで患者さんも安心しますし、見守りにもなるのではないのかと思います。処方箋をお預かりし、お薬をお届けし生活にあった服薬支援、服薬指導をさせていただきます。 一人暮らしの高齢者も増えていますので、そういう点ではお役に立てるのではないのかと思います。ポリファーマシーと言うのですが、多くの病院などに通院していて、薬が山のようになってしまい訳の分からないことになってしまうケースも多いのです。独居の方はもちろんですけど、家族がいても薬が多量にあったらどれがどれなのか分からなくなってしまうこともあります。このような時はぜひ薬局に相談してください。また私ひとりで頑張っていても限界がありますから、薬剤師会としても残薬確認事業などを組織化し町を支えていきたいなと思います。
【本紙】 ご趣味は?
マラソンは無の時間
【関谷】 マラソンをやっています。3年くらい前からですね。今年はさくらマラソンと山形のさくらんぼマラソンと福島のももの里マラソンに出ました。きっかけは、フラダンスなど色々と習い事はやっていたのですが、レッスン時間が決まっているので、なかなか時間を合わせて取ることが出来なかったのです。それで自分のペースで出来るものを考えてみたところ、マラソンしかなかったのです。今は週に2回くらいですけど、3年くらい前は毎日走っていました。最初の頃は3Kmくらいからスタートし、いまは10Kmくらい走るようにしています。行幸湖の回りを1周するのが私のコースになっています。走っている時は無の時間を大切にしています。運動したあとはとても爽快になります。実行する時間を作るのが大変ですけど、出来る限り1時間くらい作ってマラソンをやるようにしています。主人も今年は福岡マラソンを走りました。
【本紙】 ご夫婦でランナーですね。では、お友達をご紹介下さい。
【関谷】 高柳歯科医院の高柳篤史先生をご紹介します。実は小学校・中学校の同級生でした。二年前の三師会でお会いし、それから医歯薬連携で何かとお世話になっております。
【本紙】 ありがとうございました。益々のご活躍を期待します。(関谷さんはご自分をオンオフする時間の使い方がとても上手な印象を受けました。超高齢化社会に向かって私たちに出来ること、この機会にそれぞれ考えてみませんか?)