タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

サイトマップ・個人情報取扱いについて
  • トップ
  • 友達の輪
  • タウンプレスとは
  • タウンプレス最新号
  • 会社案内
  • 特集号
  • 学校新聞
  •  
  • 読売新聞

友達の輪507号(2016年8月7日発行) 
メゾソプラノ歌手 益田 早織さんへ

リオデジャネイロでのオリンピックも開幕し、日本勢の活躍に注目が集まっていますね。さて、本日の「友達の輪」にはピアニストの中山 瞳さんからご紹介いただきましたメゾソプラノ歌手の益田 早織さんに登場いただきます。

【本紙】 ウィーンから帰国された中山さんにご紹介いただきました。高校、大学と先輩だそうで、益田さんもウィーンにも留学されていたそうですね。いつ頃から音楽の世界に入ろうと思ったのですか?

【益田】(敬称略) 小さいときから歌が好きでした。中学の時、友達から大宮光陵高校音楽科の説明会に誘われて行きました。公立で音楽が出来て、学費も普通の高校とそんなに変わらないのも魅力でした。音楽科、美術科、書道科、外国語科、普通科とあって、音楽科自体は40名くらいです。でも、練習施設はしっかりとあって、ピアノもほぼ全室にありいつでも練習出来ました。私はミュージカルを観たりすることも好きで、中学では合唱をやっていましたが、その頃から東京芸術大学に行きたいなと思うようになりました。そして、高校時に色々と学んでいくうちに声楽がすごく好きになり、プロを目指そうと思いました。

【本紙】 プロとして生活できるかという不安はなかったですか?どんな世界ですか?

二足のわらじ友達の輪写真

【益田】 高校や大学の頃は迷いはなかったです。今ももちろん歌っていくということに迷いはないのですが、働きながら歌をやっていくという二足のわらじ状態なので、本当にやっていきたいという強い気持ちがなければ続けていけないと思います。実際志半ばで諦めてしまう人も沢山います。私は心が伝わる歌というのを目指しています。聞いたときに色んな日常の辛さなどを一瞬でも忘れられたり、別世界に連れて行けるような歌が目標です。娯楽にお金を払うというのはそういうことではないかと思っています。ですから、なるべく自分を欲を捨てて歌うようにしています。歌には歌詞があって、音楽があります。そしてそれを伝えるのが私の役目だと思っています。ですから、私はこう歌いたいというのではなく、楽譜や音楽から感じ取ったものをそのまま歌うように心がけています。最初に楽譜を見たとき、ピアノを弾いたとき、声を出したときに感じるものが、私の場合音楽を作っていく8割くらいの割合になっています。

【本紙】 ウィーンへの音楽留学はいかがでしたか?何かエピソードなどは?

着いたら5階

【益田】ウィーンでは音楽と言葉のことだけ考えていればいいという環境でした。家にテレビもなかったですし、コンクールがあればそれに集中できますし、レッスンがあれば、それに集中すればいいという感じでした。回りの世界から遮断できるというメリットもありますが、そのせいで言葉が上達しないという人もいます。楽器だと1日8時間近く練習するという人もいます。人と会話する暇もなくなり、自分の生活だけで手一杯になってしまうそうです。しかし、音楽をやる上でコミュニケーションは凄く大事なので、時々そういった人を気分転換に外に連れ出したりしました。住居も留学前にインターネットで探し交渉したのですが、行ってみたらエレベーターなしの五階で30kgのスーツケースを持って大きならせん階段を上がりました。その日はもうそれだけで動けなかった思い出があります。家の契約をするときにも、まさかの大家さん不在で、大家さんの父親が来てくれてドイツ語が出てこず、英語で契約しました。到着してインターネットも開通しておらず、家族にも連絡が取れず考えに考えて、フェイスブックで連絡を取りましたが、現地のパソコンを借りたので日本語入力が出来ず、ローマ字連絡でした。そんなスタートで生活面での苦労はありましたが、歌に関しては為になることばかりでしたね。

【本紙】 本格活動を始めたのはいつ頃からですか?これからの夢や今後の予定などは?

【益田】 留学先から戻りすぐにフリーで活動させていただいています。今は土日にブライダルで声楽家としての仕事と平日は別な仕事で、主な収入はそちらになっています。7月3日に久喜で演奏会がありましたが、私たち若手音楽家にとっては毎日コンサートなど出来ないのが現状です。音楽とは別に働きながら、コンサートに出ながら、勉強しながら、コンクールに出ながらという人たちが同年代に多いです。これからの夢はさらに自然で心のこもった歌を届けていくことです。また、本当に悩んでいる方がコンサートへ足を運んでいただいたときに、私の歌で少しでも元気になってくださり、気分転換になってくださったら嬉しいですね。キャリア的にはいろいろなオーディションを受けたりするのも大事ですし、ヨーロッパで働くということも考えたりします。今後の予定ですが、10月1日に館林の三の丸芸術ホールでウィーンを中心に活躍される中嶋彰子さんがプロデュースの「農楽塾オペラハイライトVOL.2」に出演させていただきます。また、12月には都内での公演に出演予定です。10月中旬になれば詳細をお知らせできると思います。興味がある方はぜひお越し下さい。

【本紙】 オーディションはたくさん受けるのですか?中山さんと組んで演奏などは?

憧れのソリスト友達の輪写真

【益田】 大好きな「カルメン」などは何回も受けています。その時々の指揮者や演出家が決めるので、イメージが合わなかったりすると落ちてしまいます。たくさんの方が応募しますので、競争率も高いですし、よほどのことがないと受かるのは難しいです。ですから、オーディション情報は常にネットで探していますね。この間もある宗教曲のソリストがやりたくて応募したのです。2時間30分くらいのプログラムの中に、作曲家が楽譜を涙でぐしゃぐしゃにしてしまった部分があるのですが、そこが私の歌う部分です。その歌を大学で学んだときに、曲から想いを受けすぎてしまい、泣いて思うように歌えず、ずっと心残りになっていましたが、おかげさまでオーディションに合格し、冬に本番を迎えます。そういう心を打つ作品をそのまま伝えていくことが私の使命のように感じています。それをしっかりと演奏しきってこその演奏家かなと思っています。中山さんとはこの間、父の母校の日大の空手道部創立70周年式典が帝国ホテルで開催され、そこでオリンピックに縁のある、誰も寝てはならぬという曲を演奏させていただきました。通常はテノールで歌わないといけない曲でしたが、メゾソプラノの調に移調して歌いました。普段は歌わないのですが、場に応じて曲を選ぶので、皆さんが知っている曲も入れることができます。地元で一緒に演奏できる機会を作れればうれしいですね。ご要望があればHPかメールでご依頼下さい。よろしくお願いします。

【本紙】 楽しみですね。ではお友達をご紹介下さい。

【益田】 ピアニストとして活躍されている久喜市在住の山田章代さんを紹介します。

【本紙】ありがとうございました。(益田さんは空手一家に育ち小さい時は空手とピアノを同時にやっていたそうです。音楽以外にはドラマを観るのが好きだそうで、特に韓国系のドラマは展開が早いので見逃せないそうです。今後の活躍が楽しみな感性豊かなアーティストでした。また、野ばらプロジェクトに参加して、ソロ、アンサンブルなど合計111曲を収録したCD、楽譜なども下記サイトより購入できるそうです。詳しくはホームページでhttp://nobara-project.com/ )