タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪508号(2016年8月21日発行) 
ピアニスト・ピアノ講師 山田 章代さんへ

熱戦を繰り広げたリオのオリンピックも明日22日が閉会式(日本時間)です。日本勢の活躍に元気をいただいた読者も多いはずです。さて、本日の「友達の輪」にはメゾソプラノ歌手の山田 早織さんからご紹介いただきましたピアニストの山田 章代さんに登場いただきます。

【本紙】 益田さんからご紹介いただきました。どのようなご関係ですか?

【山田】(敬称略) 住まいが近所で中学校も同じでしたが、年が離れているので最近まで面識がありませんでした。久喜総合文化会館では、定期的にロビーコンサートを開催しており、そこに益田さんが出演することになり、知り合いのピアニストを通じて私に伴奏の依頼があり紹介されました。そして、大学の後輩で久喜出身のヴァイオリニストと私の三人で7月3日に久喜総合文化会館でコンサートを行いました。それが2回目の共演です。

【本紙】 ピアノに触れたのはいつですか?また、音楽の道に進むと決めたのは?

進む道、高校で

【山田】 4歳くらいですね。習い始めるきっかけは、ヤマハ音楽教室から「習ってみませんか?」と誘われたことです。物心ついたころから音楽が好きで、一日中、童謡や子供向けの歌を飽きずに聴いていましたし、すぐにピアノに夢中になりました。当時の私にとってピアノはおもちゃであり、暇さえあれば弾いていました。日記代わりに作曲もして、母が楽譜に記してくれました。ですから、幼稚園の頃からピアニストになることが夢でしたし、それはとても自然なことでした。音楽の世界で生きていこうと覚悟を決めたのは、高校生のときですね。桐朋女子高等学校音楽科に進学しましたが、1学年で100人くらいの生徒の中にピアノ専攻、弦楽器専攻、作曲専攻など音楽の道を志している仲間が集まっているわけです。高校生でもプロとして演奏活動している方もいましたし、たくさんの刺激を受け、絶対に演奏家になると心に誓い、1日に10時間以上練習に励むこともありました。

【本紙】 留学はどちらに?

海外留学5年間友達の輪写真

【山田】 桐朋学園大学に進学し、その上の研究科に二年間、高校から数えて九年間学びました。研究科を卒業したあとドイツに留学しました。最初にベルリンに数か月、受験準備のために滞在しました。そこから、オランダ寄りの北西部にある、デトモルト音楽大学で二年半学びました。デトモルトではロシア人のアナトール・ウゴルスキ先生に師事しました。その先生は日本によく来日される有名なクラシックのピアニストで、私もその先生の演奏が好きでしたので受験してみたところ、合格してレッスンしていただけることになり嬉しかったですね。デトモルトの次はミュンヘン音楽大学大学院で二年半学びました。そこで師事したゲルハルト・オピッツ先生もとても有名な先生で、NHKでピアノのレッスン講座の番組を持っていた方です。いまでも毎年来日されていますよ。世界的に活躍する現役のピアニストから、音楽への向き合い方、人間性など大変感銘を受け、その後の私の音楽人生に大きな影響を与えてくださいました。

【本紙】 コミュニケーションは大丈夫でしたか?住まいなどは?

両親に感謝

【山田】 桐朋学園大学ではドイツ語を学びましたし、語学学校にも通いました。それでも、最初は本も読めないような状態でした。最初のベルリンの時は先に留学していた友人が引っ越すので、「そこに住んだらどう?」と声をかけてくれて、住まいもすんなりと決まりました。でも、次のデトモルトの時は自分で探さないといけないので、新聞の広告を見て、つたないドイツ語で交渉しました。まず住める条件として、ピアノを弾いてもいい環境でないといけないので、そういった点でも大変でした。部屋にピアノを入れるわけですから、必要最低限の家具だけで一杯一杯になってしまいます。ピアノのレンタル代も月額15,000円くらいかかりました。家賃や生活費もあるから大変でした。仕送りをして両親も大変だったはずです。ありがたかったですね。父も母も、私に、エンゲル係数ならぬ「エンジェル係数よ」と微笑んでくれます。思う存分勉強させてくれた両親には、感謝してもしきれません。 

【本紙】 帰国されてからの活動は?

温泉でクラシックを友達の輪写真

【山田】 講師とピアニストとしての活動を両立させています。平日はだいたいレッスンをしていまして、主に土日にコンサートや伴奏の仕事をしています。文化庁の事業で「新進演奏家育成プロジェクト」というのがありまして、帰国後すぐにそのオーディションがあり、翌年、上野の東京文化会館でデビューリサイタルをさせていただきました。久喜の文化会館は3年程前から毎年呼んでいただけるようになり、地元での演奏の機会も増えてきました。また、長野の昼神温泉にあるホテルで「温泉でクラシックを」をテーマにロビーコンサートを開催しており、私もこれまでに100回近く出演させていただきました。宿泊者はお食事もお風呂も済ませて、浴衣で聴いていただく感じです。お客様は、普段クラシック音楽を聴かないという方、生のピアノの音を聴くのも初めてという方がほとんどです。少しでも日常の疲れを癒していただける様に、選曲やトークの入れ方も毎回試行錯誤でした。学生の時は、曲に込められた作曲家の思いや楽曲のキャラクターを汲み、表現することで精一杯でしたが、今は、それでは足りないと感じています。私が奏でるピアノを通して、心のキャッチボールをするように、お客様の反応を感じながらコンサート中に私の演奏が変化していくこともあります。とても幸せな瞬間です。まだまだ未熟ですが、ここでの経験は私を大きく成長させてくれました。現在、この企画は終了し、10月からは別のホテルのレストランにて毎日、コンサートが開催されます。私も出演させていただく予定です。

【本紙】 なにか気分転換の方法はありますか?コンサートの予定などありますか?

【山田】 ドライブが好きですね。両親が農業をやりたいといって、栃木に住んでいますので、そこまで車で行くことがあります。そこでちょっとした農作業を手伝ったり、自然に触れたりしています。九月九日に銀座ヤマハコンサートサロンで演奏する予定です。「鍵盤のファンタジー」と題しまして、幻想的な作品を中心に、月光ソナタ、愛の夢、ラ・カンパネラなど、広く親しまれている名曲を演奏いたします。ホームページはこちら

【本紙】 それではお友達をご紹介ください。

【山田】 (株)ヒューマンサポートの代表取締役久野義博さんをご紹介いたします。

【本紙】 ありがとうございました。益々のご活躍をお祈りいたします。(山田さんは自らのピアニスト活動のほか、中央区の月島や大宮での音楽教室でピアノの指導をされ、週末にはご自宅で幼稚園の先生や趣味でピアノを続けている大人の方などに指導されているようです。地域のアーティストで身近なコンサートなど聴けるといいですね。)