友達の輪518号(2017年1月22日発行)
(株)さしま通商 専務取締役 佐野 嘉彰さんへ
権現堂の水仙がかわいく咲き始めました。花だよりも水仙から次第に梅や桜へとバトンが渡されますね。寒い季節だからか桜が待ち遠しいですね。さて、本日の友達の輪は三桜交通観光バスの飯島満明さんにご紹介いただいた佐野嘉彰さんに登場いただきます。佐野さんは輸送業と倉庫業をされている会社の専務取締役です。
【本紙】 以前、佐野社長にも登場いただきましたが、本日で親子での登場となります。家業を継ごうと思ったのはいつ頃ですか?
【佐野】(敬称略) 父が事業を始めた中学生くらいの頃から漠然とは考えていました。本格的に考えたのが高校を卒業する頃で、家業に関係する自動車整備士を目指し専門学校に入りました。そして、自動車のディーラーに就職しトラックなどの整備をしていましたが、機械油に肌の体質が合わず触れていると手がぱっくりと割れてしまうのです。試しに薄い手袋をしたのですが、滑ってしまうし蒸れてしまうのでやっぱりダメでした。それで、異動願を出して本社の方でクレーム処理などをやっていました。ここは対外的な対応としてとても勉強になりましたね。当時、さしま通商は現在の半分以下の規模で親戚の人たちも手伝っていたのですが、ひとりが辞めてしまい、もうひとりも体を壊してしまい辞めることになったのです。それで、半強制的に私が戻ってくることになったのです。戻ってきた時点で365日、ほとんど休みがなかったですね。私が戻ってきたころは社員というと、私と社長だけでした。外部との折衝は社長がやっていて、事務方はほとんど私でした。また、社長が自動車免許を持っていませんでしたので、私が社長の運転手も兼ね、年末年始の挨拶回りも私が運転手でした。
【本紙】 社員さんもトラックも沢山ですね。現在のメインは?今後の目標などは?
業界再編?
【佐野】 社員はトラックの運転手や倉庫スタッフなど40名になります。比率でいったら運送業がメインになりますね。倉庫業は運送業に関連するので始めました。倉庫のお得意様と運送のお得意様はほとんど同じで、倉庫に預けてそこから発送するのであれば合理的ですね。倉庫業の最初も、外部に建物を持っている人に声をかけて、そこを貸してもらうという形でした。それが段々と増えていき、社長と相談した結果、自分のところで倉庫を持っていた方がいいという結論になりました。支社として市内に二か所、出張所として行田にあります。そこは私の息子が責任者としてやっています。今後の目標は、正直なところ現状維持が精一杯ですね。よくコンサルティングでビジョンを持ってとか、ベクトルを一新してなど言いますけど、実際は人と物とお金の動きがどうにも合わないですからね。10年以内には傘下に入るどこかを探して、条件のいいところに入らざるを得ないと思っています。また、運転免許を取る人も減ってきており、結果的に人手不足になっています。
【本紙】 少年野球に長く関わっていますね。
審判になってくれ
【佐野】 少年野球連盟の審判をやらせてもらっています。息子が小学校3年生の頃から地元の野球チームに参加しており、その流れでやるようになりました。最初は妻が協力していましたが、段々と私も関わるようになっていきました。最初は雑用のようなことでしたが、次男が少年野球をやるようになってから、大きく関わるようになりました。特に審判が少なかったので「審判をやってくれ」、ではなくて「審判になってくれ」と言われました。野球連盟には公認資格というのがありまして、各チームに最低何名という決まりがあります。それで、各チームで審判を育てるという話になって、妻が母親グループの代表になってしまい、いろいろ声をかけたのですが、なり手がいなかったので私になったのです。審判になってから22年です。経験年数が長いので1級の審判資格をいただいてますが、実質的には3級程度かなと思っています。私たち審判員は幸手市スポーツ少年団の野球部会に位置し、その中の審判部になります。私は年間3~40試合審判をしますが、多い人は年間120試合とかやります。中学や高校の公式試合は出来ませんが、練習試合に呼ばれることもあります。
【本紙】 危険そうですね。瞬時の審判も難しそうですね。
目を離さない
【佐野】 そうですね。例えばファールチップ。軟式といえどボールがマスクのあご部分に当たればマスクも飛びます。プロテクターの隙間にボールが当たったりすると、あざが一週間くらい消えません。審判が瞬時に判断する上で大事なことは、「動き」です。最初の一歩とボールから目を離さないことです。例えば一塁審の場合、一塁にどういう風にボールが投げ込まれて、それを一塁手がどう捕球するのか、というのを考えないといけません。必ず同じ方向からボールが投げ込まれるわけではありませんし、コースが大きく外れることも十分にあり得ます。そういうことに対応して審判も動かないといけないのです。野球のルール上ではストライク、ボール、セーフ、アウトなどは審判の権限です。この間も球審をやっていたときに、うっかり目を離してしまいボークを取れなかったのです。接戦であれば審判に対し必ず監督が抗議に出ます。あのときは一方的な試合展開でしたので、そこまでではなかったのです。私たちは試合前と試合後に必ずミーティングを行いますが、試合後は自分で感じた反省と外部から指摘される反省が中心です。さすがにこの時はこてんぱんに怒られました。審判は責任重大ですし、奥が深いのです。ですから、毎年講習を受けて勉強会をやっていないと、ついていくのも難しいです。ルールも細かいところを言えば、毎年変わっています。毎年1回、2月の末に審判講習会がありますが、細かいルール変更のために必ず出席するようにと案内がきます。少年たちが夢をもって野球を楽しむ姿を見るたびに私たち審判も野球の指導者もしっかりやらなければと感じております。
【本紙】 少年野球から今年プロも誕生しますね。
子ども達の活躍
【佐野】 吉田ジャガーズにいた岡崎大輔選手ですね。読売さんの「さわやか野球教室」にも小学生の時は毎回参加していました。元々ピッチャーでしたがシニアに入ってから打者に転向したようです。花咲徳栄では甲子園で活躍しオリックスにドラフト三位で指名されました。我々、審判の古株はみんな知っています。子どもの頃から一緒に野球をしていた子が活躍するのを見ると嬉しくなります。
【本紙】 では、お友達をご紹介ください。
【佐野】 少年野球の審判部でご指導いただいている玉村好正さんをご紹介します。
【本紙】 ありがとうございました。少年野球を通じて子ども達の健全な育成にご尽力下さい。(佐野さんはとても真っ直ぐな方で、審判らしいなと感じました。少年野球に長年関わっているからこそ、少子化で地域の子ども達のつながりが弱くなっている事に危惧を感じているようでした。元気な子ども達と共に少年野球があると感じました。)