友達の輪522号(2017年3月19日発行)
JA埼玉みずほ農業直売所生産者協議会会長 関 進さんへ
桜もまもなく開花します。待ちに待ったお花見の季節到来ですね。さて、本日の友達の輪はさくらファーム店長の浜田武彦さんにご紹介いただいた関 進さんに登場いただきます。関さんはJA埼玉みずほ農業直売所生産者協議会の会長をされています。
【本紙】 いつから会長をされているのですか?さくらファームの名称も素敵ですね。
【関】(敬称略) さくらファームのオープンからです。私は当時商工会の副会長を務めており、商工会ではシャッター通りとなりつつある幸手の商店街を活性化させようと思案していました。どこかに集客力のある店舗が出来ないかという案が出て、農協には直売所があるが幸手にはないということで、農商連携事業で集客力のある農業直売所を立ち上げることになったのです。商工会の応接室で当時の中山会長や役員と何回も準備会をやっていたのを覚えています。そして、私が農業委員会の会長もやっており農協とも顔見知りだったもので、協議会の会長もお願いされたのです。会員さんも200人程いますので、私ではなくもっと適任者を探してくれとは言ったのですが、押し切られてしまい会長を務めています。さくらファームの名称は公募して、応募されたものから選びました。この名前は小学生の子が考えてくれた名前でとてもいいと思います。
【本紙】 権現堂は桜をはじめ年間を通じて楽しめる場所ですね。さくらファームへの影響はいかがですか?
集客に寄与したい
【関】 ご存じの通り 1月2月が水仙で3月4月が桜、6月に紫陽花、9月に彼岸花と色々と楽しめますから、その時期にはたくさんのお客さんが来て売上も上がります。しかし、それ以外の月でなにか出来ないかと模索していますがなかなか難しいですね。桜保存会の方たちが一生懸命権現堂を育てて下さるだけでなく、我々の方でもなにかお客さんを呼ぶ方法を考えたいと思います。観光のついでにさくらファームではなく、さくらファームがあっての観光となってほしいですね。また、お客さんが来ている状態で欠品を出さないように注意しています。また、販売棚がすかすかになってしまわないように夕方でもある程度の品揃えが必要です。しかし、売れ残ってしまった場合には出品者が持ち帰ることになっているので出品数を躊躇してしまうのです。にんじんやごぼうなどの日持ちのするものはいいのですが葉物などは駄目です。もったいないので漬け物などに加工したらどうかとも思っていますが人手が足りません。また、売れなかったらどうするという意見もあります。売上を上げる事では去年まで幸手のふるさと納税返礼品のお米はさくらファームから出荷していました。しかし、今年から競争で他からも良い品が選べるようになってしまい、お米が半分くらいになってしまったのです。幸手は美味しいお米がとれますがなかなか浸透しないですね。味は見た目では分かりませんが昔から名産と言われているブランド米は強いですね。
【本紙】 農産物も作られているそうですがお元気ですね。ご趣味などは?
元気な80歳
【関】 季節に応じて野菜を作るので40種類くらいですね。旬の野菜を出荷できるように収穫時期から逆算して育てています。ですから、タイミングがずれると大変です。大根の収穫時期がずれてしまって、花が咲いてしまい売れなくなってしまった時もありました。「トウが立つ」と言いますが、大根の花のつぼみが見えてきてしまうのです。そうなると売り物になりません。種まきも収穫も気をつかわないといけないので大変です。毎日の生活も朝5時半に起きて、畑に行って野菜を収穫するのが習慣です。そして、気がつけば80歳です。なにか楽しみや動いていないと駄目なんでしょうね。(笑)朝取りもそうですが、いつでも仕事に追いかけられている状態です。それ以外でも農業委員会の会長をしたり、ライオンズクラブの会長、建設埼玉の支部長と色々とやってきました。私の本業は昭和42年に大工さんの下請けとして始めた土建業です。当時は建築ブームでいくらやっても仕事が間に合わない状況でしたが、バブルが弾けて、一気に仕事が少なくなりました。工務店で仕事を請け負って、1件の家を建てるというよりも、ハウスメーカーが主流です。建設の盛りのときには、10人以上の職人もいましたが、現在は個人的なお得意さんだけで、依頼があれば元職人に仕事を頼んでいます。趣味は一応、旅行です。商工会を辞めた人や定年を迎えて一線を引いた方たち10人ばかりに声をかけて、旅行やちょっとした飲み会をやろうと、「水曜会」という会を一昨年の11月に立ち上げました。毎月1回の飲み会と年に3~4回の旅行があります。若い人がメインの構成だと仕事が忙しくて、そんなに多くの旅行は出来ませんが、みんな定年を迎えているので、行けるときに旅行に行っておこう、という感じで楽しんでいます。これからの楽しみは水曜会と農産物の販売です。さくらファームには定休日の水曜以外は毎日納品していますよ。
【本紙】 榛名山にご縁があるそうですね。
榛名神社代参登山講
【関】 関 当家の三代になる関七蔵は群馬県榛名神社の講元をやっていたそうで、今でも江戸時代の図面があります。そして、江戸時代から代々榛名神社の代参登山講をしています。下谷、轡瀬、新田というこのあたりの地区の30人くらいで毎年抽選をして4年で全員がひと回りするように順番で榛名神社に行くのです。江戸時代から群馬県の榛名神社でその年の農産物の出来を占う筒粥という行事がありました。釜でお粥を作って、筒に入れその中に入ったお米の数で占うのです。筒の中に多くの米が入るほど豊作と言われ、みんなから集めたお金でお札料を払い祈祷してもらうのです。昔は今のように交通網も発達していませんから、徒歩で行ったそうですし、戦後は荷馬車に交渉して乗せてもらったりもしたそうです。そして、祈祷の結果など道中話を地元に帰ってきて飲みながら行かなかった人たちに報告していたようです。私が講元を引き継いだのが、昭和59年からで、ちょうど20年目に150周年記念の式典を迎える事ができました。残念ながら今はもうやっていません。
【本紙】 すごい歴史ですね。では、お友達をご紹介ください。
【関】 新井恵司さんをご紹介します。
【本紙】 ありがとうございました。益々お元気に農産物の生産と旅行をお楽しみください。(平成27年の10月にはテレビ埼玉の番組で林家三平さんが取材に来られたそうです。三平さんも関さんの里芋を収穫して毛をむしりおいしいと召し上がったそうです。地産地消に安心安全がともなった直売農産物は魅力がありますね。関さんの農産物はさくらファームで販売しています。)『農産物直売所「さくらファーム」幸手市内国府間67-1 (北公民館隣り・権現堂堤そば)営業時間9時~5時 水曜定休』