タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪541号(2018年1月7日発行) 
麺屋 葵 代表 平野 栄太さんへ

新年明けましておめでとうございます。読者の皆様には素晴らしい一年の幕開けになったことでしょう。今年もタウンプレスよみうり友達の輪をよろしくお願いいたします。さて、今年トップを務めていただく方は、肉酒場デラクラレンテの紺野貴之さんからご紹介いただいた平野栄太さんです。平野さんは麺屋葵を経営されている方です。

【本紙】 こんにちは。近隣のラーメン屋さんとコラボレーションされ、行列が出来るラーメン屋さんでラーメン一筋とうかがいました?

行列の店

【平野】(敬称略) 私は4人兄弟の末っ子で、グレていた兄達の影響を受け、私もグレて高校も1年で中退。土方関係の仕事に就いたのです。しかし、虚弱体質であまり体が強いほうではなかったので、土方の仕事を続けていくのは無理だろうと思っていました。そんな時、小学生のときの文集に将来の夢は「ラーメン屋さんになりたい」と書いた事を思い出したのです。それで、18歳の頃にラーメン屋さんを開業しようと心に決め、転職して岩槻インター近くのラーメンのお店で働き始めたのが、ラーメン屋さんへの第一歩でした。1年と少し働き次に高田馬場にある老舗のラーメン屋さんでノウハウを2年半位教わりました。ここでは自分が開店するにあたって、どういう風にすればいいのか、というのを常に考えていました。そして、ある時、白岡にある行列が出来る人気店が野田店をオープンする話が耳に入りスタッフ募集を知ったのです。それで、応募して入社し、2か月足らずで野田店オープンを務め、4ヶ月後には白岡店の責任者として配属になり、野田店と白岡店の店長を務めることになりました。この人気店には13年間在籍しましたが最後はスーパーバイザーで店舗経営が主でした。今思えば、この経験は経営の勉強になりましたね。

【本紙】 こちらのお店はいつオープンですか?幸手の地を選ばれたのは?

並ぶのは当たり前友達の輪写真

【平野】 オープンは2015年2月18日です。白岡の人気店で働きながら、栗橋の住まいから近いところで物件を探していました。春日部出身なので、春日部も考えましたが、職住接近という思いもあり、杉戸か幸手の選択になって、いくつかの物件を見て、最終的に決めたのが現在のところです。頭の中に「ラーメン屋は並ぶのは当たり前」、どこに出しても当たるだろう、宣伝もなにもしなくても、お客さんは来るものだと思っていました。でも、それは甘い考えで一番最初の失敗でしたね。働いていたところがずっとお客さんが並んでいるようなお店だったので、ラーメン屋とはそういうものだと思い込んでしまっていたのです。開店初日は全然お客さんが来ませんでした。でも、不思議とショックはなくて、むしろ、自分のお店を持てたというのと、ひとり、ふたりのお客さんに丁寧に商品を出すということが出来たというのは良かったなと思ったのです。

【本紙】 鴨出汁らーめんとありますが?

3店合同コラボ

【平野】 最初にオープンしたときは味噌と醤油だけでした。お客さんも多く入らず、バイトも雇っていましたので、経営状態は厳しかったですね。それで、閉店時間を11時まで延長したり、色々と試行錯誤をしました。そんなときに、もちもちの木で一緒に働いていた人が、自分の店をオープンする情報をツイッターで見てはじめて知ったのです。それに返信したのをきっかけに10数年ぶりに再会して、お互いの近況を話し合う機会を得ました。経営状態がよくないというのを相談して、口コミも大事だけど、ツイッターなどのネットも大事というのを知りました。お店の売上も徐々に伸びては来たのですが、ここらでもっと上に行くには現行の商品では無理だと考え、葵の一周年のときに鴨出汁でなにかをやろうと思い立ちました。ラーメン業界に鴨が新しい素材として出始めた頃で、友人に相談してみたところ、「鴨なんてどう?」と言われたのです。そういえば、鴨屋さんが幸手にあるな、とも思ったのです。2月の頃にもちもちの木の同期と飲んでいたときに、「ハマグリなんてどう?」という話が出て、一周年のイベントとして、親しくしているお店2店と「葵」の3店で合同コラボをやろうと、店主が「葵」に集まり、「葵」で一周年のイベントをやろうということになり、そこで鴨出汁のハマグリラーメンを提供したのです。それが鴨出汁を始めたきっかけです。

【本紙】 鴨出汁というのは鴨から出汁を取っているのですか?

土日限定商品友達の輪写真

【平野】 うちは鴨ガラ100%で出汁を取っています。他にも鴨を謳っているラーメンや蕎麦などはありますけど、鴨ガラのみでやっているところはそんなにないのではと思います。ただ、通常の鴨出汁ラーメンは常時ありますが、鴨出汁ハマグリラーメンは土日限定です。それは、ハマグリが生ものなので、鮮度を保つのが大変なのと、その日に何杯出るのか分からず、市場に毎回取りにいくというのは無理というのが理由です。ラーメン以外にも鴨メニューはあり、特に丼ものには全て鴨を扱っています。鴨の心臓を使った、鴨ハツ丼は他店ではあまりないと思います。セットメニューにしても、丼のサイズは変わらないのでお得だと思います。鴨ひき肉100%を使用した鴨キーマカレー丼も人気です。トッピングとしての使用も有りです。

【本紙】 美味しそうですね。葵という名前の由来はあるのですか?

葵の御紋

【平野】 最初はツバメ食堂にしようと思っていました。今はラーメン屋が流行る時代ではないので、いろいろなものが食べられる雰囲気の店名にして、入ってみたらラーメン屋だった、というイメージがあったのです。ツバメというのも、栗橋に引っ越したときにツバメがすぐに巣を作ったからなんです。それでちょうど良かったし、ツバメ食堂というのも語呂が良かったのですが、妻からそれは絶対に駄目と反対されました。名前も決まらず、お店の準備をしているときに日光東照宮に行ったのですが、葵の御紋を見て、それで葵にしようとなったのです。葵の御紋は永く続いた徳川家の御紋ですから、お店も長く出来るようにとも思ったのです。でも、葵だけではなにを扱っているのか分からないので、麺屋葵としました。後日談ですが、父が葵工務店と言う名称で仕事をしていました。同じ文字で「麺屋葵」という店をやると父に話した時に、そういえば葵工務店をやっていたという話があったのです。その葵工務店も元は父と母が結婚した際に、花嫁道具として葵人形を持ってきたのが始まりだそうで、とても縁のある名称だと思うと同時に、「葵工務店は事業失敗しているので、その名称は止めたほうがいいんじゃない?」という笑い話にもなっています。

【本紙】 では、お友達をご紹介ください。

【平野】 駅前通りにあるパン屋さん「なかぱん」の工藤広志さんをご紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。美味しい鴨出汁ラーメンを食べに行きたいと思います。(平野さんは商工会や地域の人たちにたくさん協力していただいて今があるとおっしゃっていました。商売の原点は地域コミュニケーションですね。)

麺屋 葵 幸手市東4-1-24 水曜定休
営業時間 ランチ11時半~14時半(日曜15時)18時~21時半