読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

友達の輪547号（2018年4月1日発行）　
来集軒女将　金久保　恵さんへ

【本紙】　芦葉さんとはどのようなご関係ですか？芦葉さんから女将と紹介されました。

【金久保】（敬称略）　商工会主催のイベントでよく一緒になることが多く、芦葉さんが結婚されたころからのお付き合いになります。そうですね。お客様から女将と呼ばれています。当店は祖父が昭和44年に創業しました。来年が50周年になります。祖父の代からのお客様もたくさんいらっしゃいますが、私たちの中では新しく始めたいという思いがありました。3年ほど前になりますが、祖父に商工会の経営指導員の方から小規模事業者持続化補助金の話があり、それでリニューアルしようということになり、トイレを替えようか、壁紙を替えようか、という感じで考えていたのです。でも、お客さんが減ってきている時期で、せっかくお金をかけるのなら、もっとお客さんが増えるような改革をしたいと思ったのです。祖父はこのお店をずっとやってきて守ってきたという自負がありますし、私たちは私たちで、お店をなくすわけではなく、新しい形でやっていきたいと考えていました。どちらも間違っているわけではないのですが、最初は主人に話して、すぐに納得してくれたのですが、祖父とはケンカになりましたね。それで、今後は主人と私がお店をやっていくのであれば、きちんと自分たちの意見を祖父に説明して、「芦葉さんに改装をやってくれませんか」とお願いしたのです。芦葉さんも祖父を説得してくれて、現在の形にリニューアルすることが出来ました。

【本紙】　リニューアルに関して、アドバイスなどあったのですか？

4人で満卓？

【金久保】　特にアドバイスなどはなく、自分たちの感覚でやりました。永くお店をやっていますので、このお店のいいところや、ここに来てくれるお客様の好みもわかっているつもりです。それを残しつつ、新規のお客様に来ていただきたいというところで試行錯誤はしました。改装前ですと6人で座れる席が4卓しかなく、6人座れて大きいのですが、お一人客が座ってしまうと、もう埋まってしまうのです。相席が嫌なお客さんや、場合によっては4卓4人で席が埋まってしまうこともありました。それで、一人でも大勢でも相席をせずに座れるように配置を工夫しました。改装後はお客様の反応も上々で、そういう声を聞くとやって良かったと思いますし、嬉しかったですね。今までは座敷で宴会でしたが、可動テーブル席でも宴会が出来たら楽しいなと思ってそういう形にしましたが、実際にお客様からテーブル席の方で宴会したいと言われたときは、本当に嬉しかったし感動しました。よく宴会で利用してくれるお客様にも「足がすごく楽だし、これからはこっちだな」と言ってもらえて良かったですね。お店のスタッフも同じように喜んでいました。忙しくなって大変になってしまったところはありますけど、やりがいはあると思います。

【本紙】　勉強のため食べ歩きもされたそうですね。

手打ち自家製麺

【金久保】　そうですね。休みの日はたくさんのラーメン店を夫婦で食べ歩きました。そうして、当店はラーメン屋ではあるけれど、ラーメン屋ではないなと思うようになりました。当店の売りは大人数で来られて、色々なメニューが強みだと感じたのです。そして、ラーメン屋さんのような打ち出しかたはちょっと違う気がしたのです。そこで、お店のコンセプトをしっかりとさせ、メニューを作り直し、さらに大勢での宴会も出来るお店を前面に打ち出すようにしました。宴会は以前から細々とやっていたのですが、宴会も出来るということを知らないお客様が多かったようです。通常、閉店は8時ですが、知り合いのお客様が来られると10時や11時くらいまで営業しているのです。そこで、「宴会のお客様のみ10時まで営業します」とお店の使い方を明確にして宣伝しました。また、当店の麺は自家製ですが自家製麺ということをあまり言ってなかったのです。祖父は職人気質で、自家製麺は当たり前のことという感覚でした。でも、多くのお店を食べ歩き、自分のお店で当たり前のようにやっている自家製麺は当たり前ではないと自覚したのです。それで、きちんと宣伝することが大切だと感じました。最初は当たり前のことだからと、宣伝には恥ずかしかったようでしたが、意識を変えていただきました。

【本紙】お店のお薦めメニューはなんですか？

お店とイベント

【金久保】　タンメン700円ですね。タンメンは祖父の創業時から調理しているもので、来集軒を代表する味です。他にチーズカレーラーメンというのがあります。元々、カレーラーメンがありまして、それしか食べないという人がいるくらいの人気商品です。カレーラーメンのルウも手作りしているもので、こんなラーメンを食べたことがないと言われるくらい味が濃いものになっています。それをまったく知らない若い人でも食べてもらえるようにと考案したのがチーズカレーラーメンです。それもとても人気商品になりました。こちらは850円で提供しています。チーズカレーラーメンはリニューアル後に始めたもので、新しい来集軒の味と思ってもらえると嬉しいです。また、お店だけというのも面白くないので、イベントにも出店するようにしています。昨年10月には趣味と実益を兼ね主人が好きなハーレーのイベントに来集軒として出店しました。お店の出店ですので、娘たちも連れて友達やバイトの子も含めてみんなで行きました。正直、仕事半分遊び半分のようなところもありましたがすごく楽しかったです。2泊3日で苗場で7m×7mという広い区画にテントを立てて、チーズカレーラーメンとラーメン、春巻き、アップルパイ、お酒などを販売しました。商工会から机や椅子をお借りして、そこで食べられるスタイルにしたのです。常に満席状態で良かったですね。出店するのに幸手のお店を休みにしたのですが、経験したので今年は休まずに出店したいと思います。現在開催中のさくらまつりにも出店しています。

【本紙】　では、お友達をご紹介ください。

【金久保】　勉強会に声をかけていただいているアートビルダーの宇津木巧さんを紹介します。

【本紙】　ありがとうございました。
（来集軒さんでは本日4月1日は権現堂の道の駅に出店してラーメンとロングポテト（共に600円）を販売するそうです。時間は9時～16時だそうです。桜を観に行かれる方は立ち寄ってみてはいかがでしょう。金久保さんはアグレッシブに活動する女将さんでした。）