タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

サイトマップ・個人情報取扱いについて
  • トップ
  • 友達の輪
  • タウンプレスとは
  • タウンプレス最新号
  • 会社案内
  • 特集号
  • 学校新聞
  •  
  • 読売新聞

友達の輪583号(2019年10月20日発行) 
日本語教室 代表 書上謹次さんへ

【本紙】 幸手市内で日本語教室を開いているとお聞きしたのですが、どのような活動をされているのですか?

【書上】(敬称略) 毎週火曜日の夜と土曜日の午後に中央公民館で、幸手市や近隣の市に在住している外国人に対して日本語を教えるというボランティア活動をしています。この幸手日本語教室は今年で丁度20周年を迎えますが、当初は中央公民館の事業としてスタートしました。今では幸手市の国際交流協会が全面的に支援してくれています。私の立場は、日本語教室2クラスのボランティアの代表者です。

【本紙】 現在の生徒数は何名ですか?

【書上】 2クラス合わせて12ケ国、43名の外国出身者が参加しています。特に多いのがインドネシア・ベトナム・フィリピン・中国で、この4ケ国で全体の四分の三を占めています。学習者には色々な方がいます。最近の傾向として技能実習生や、エンジニア等の就労者が非常に増えてきています。その他としては、日本人と結婚した配偶者とか長年日本に滞在している外国人が母国から呼び寄せた子供などがいます。 受講希望者は、現役の受講者から紹介とか勤め先から紹介とか、あとご近所で生活をサポートしてくれる方が紹介してくれる、というのもありますね。

【本紙】 書上さんはいつから日本語教室をはじめられたのでしょうか?

中国滞在時の経験がきっかけ友達の輪写真

【書上】 8年近く前になります。それまでの仕事をリタイアして次になにをしようかと考えていたんですが、その中に日本語の教師になって外国に行きたいというのがありました。それで、東京にある日本語教師の養成所に半年間通って講習を受けたり、日本語教師の検定試験を取ったりしたんです。ところが、丁度東日本大震災の直後だったので、日本から多くの留学生が帰国してしまい日本語教師の需要が激減してしまったんですね。そういった背景もあって、希望していた国の就職口が少なくなり、また生憎体調を崩したりで海外での日本語教師という目標を断念してしまったんです。そんな時、中央公民館で日本語教室をやっているという事を知って、覗きに来てみたんです。その当時は、ボランティアの方が5人くらいで、学習者が確か2人くらいしかいなかったんです。これでは入っても駄目かな、と思ったんですが、たまたま私が見学に来た日に、アメリカ人の方が日本語を習いたいとやってきたんです。その方を私が教える事になったというのが、教室に参加するきっかけになりました。運命の出会いでしたね。それから、外国人受講者が徐々に増えてきましてね、少しずつ忙しくなってきたところで、当時のボランティア代表の方がご高齢だったということもあり、私が後を任されたんです。それが今までずっと続いている訳です。学習者が増えればボランティアを増やさなければならず、その逆も然りという事でその繰り返しで、現在の規模までになったのですが、でも、日本語教室で何が一番大切かと言えば、優れたボランティアを集めることだと思います。

【本紙】 ボランティアで来られている講師は、どのような方ですか?

【書上】 現在ボランティアは36人います。海外旅行好きだからとか自分も外国語を勉強したことがあるからといった理由で始められた方もいます。でも、圧倒的に多いのは、セカンドライフで新しい世界にチャレンジしてみたいとか今の生活に充実感を求めたいといった方々ですね。皆さん、実際に日本語ボランティアをやってみると、新しい発見が多いし、日本語を教えることの楽しさがわかって、とても生き生きとやっていらっしゃいます。その点は代表として嬉しい限りですね。日本語教室に来ている学習者の多くは、日本語が上手になりたいということと同じくらい、日本人とお話したい、友だちになって欲しいなど、つまり交流したいという方が多いんですね。私も文法などの細かい、難しい勉強よりも、色々な話をして楽しいひと時を過ごしてもらうということの方が大事だと思っています。。ボランティアの方も外国人ということで近寄りがたいようなイメージ持っていたのが、実際に話してみると、人懐こくて、礼儀正しくて、真面目という事が分かり、すぐ打ち解けて楽しみながらレッスンをしています。それが皆さん長続きしている秘訣なのかもしれませんね。

【本紙】 日本語ボランティアを長年やってみて思うことは。

日本語ボランティアの面白さ友達の輪写真

【書上】 下手に英語や外国語を勉強するよりは、「やさしい日本語」を覚えることをお勧めしたいですね。今後も外国からたくさんの人がやってくると思いますが、在住する人はもちろん短期滞在でも多少日本語を勉強してくる方が多いんです。日本語が出来ないという前提で話すのではなく、まず日本語で「こんにちは」と話してみるんです。それで「こんにちは」と返ってくれば、少しは日本語を学んだと分かります。そうしたら、「国は どこですか?」といった具合に簡単な言葉で話しかけると意外と通じるものなんですね。

【本紙】 難しく考えず、相手に伝わる最小限の単語で話す、という事なんですね。それは参考になりました。ところで、日本語教室以外でもなにか活動はされているんですか?

【書上】 観光ガイドもそうですが、それ以外ですと介護施設や障がい者施設の慰問活動をボランティアでやっています。2年前に公民館の講習会でオカリナを覚えましたので、それを活用して時々慰問に伺っています。また、去年からケーナという楽器を始めまして、最近ではそれも慰問に活用しています。その他では個人的な趣味と健康づくりで卓球をやっています。色々なことに手を染めていますが、ほとんどきっかけは日本語教室なんですよ。ボランティアの方々は、色々な事をされている方が多いんですね。それで、お互いに感化しあって新しい事始めることが多いんです。卓球やオカリナそれにマジックなど、みな日本語教室繋がりです。多くの人が集まると、色々新しい発見や新しい生き方が見つかるものだなと思いますね。

【本紙】 それでは、お友達をご紹介ください。

【書上】 日本語ボランティアのメンバーでもあり、また慰問活動では私の大先輩の大崎信義さんをご紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。(書上さんは、外国人と話すときは、下手な英語でやり取りするよりも、簡単な日本語で対応した方が解決するともお話していました。オリンピックまであと1年、ためになるお話を聞かせていただきました。)


日本語教室への問い合わせ:幸手市国際交流協会事務局(幸手市市民協働課) 0480-43-1111(内線173)