友達の輪592号(2020年3月8日発行)
幸手市文化団体連合会会長 中村 孝子さんへ(二代目 美園 千園)
【本紙】 幸手市文化団体連合会(以下文連)の会長はいつからなさっているのですか?
【中村】(敬称略) 平成22年から務めさせていただいてますので、今年で10年になります。文連では、舞踊、民謡、カラオケ、太鼓、大正琴など発表部門、絵画、書道、写真など展示部門、また囲碁や将棋など大会部門があり、現在45団体と5連合が参加しています。また、個人で指導部会員として登録されている講師の方と、全体で会員数1058名、指導部会員が30名になります。 文連の歴史は創設が昭和55年3月で、その翌年から発行している文連だよりが今年で40号を迎えましたので、今年で創設41年目に入ったことになります。文連の使命のひとつとして、若い世代に私たちがやっているような文化的なものを伝えていかなければと思っています。そのための機会をどのように作ったらいいのかを常に模索しています。 昔からある、踊りにしても武道にしても「礼に始まり、礼に終わる」という型から入って、その精神を学ぶというのは、古い考え方かもしれませんが、私は大事にしたいと思っています。昔からの日本文化をもっと多くの人に広めていけたらと思います。
【本紙】 大きな行事は文化祭ですか?中村さんは舞踊を長くされているそうですね。
新舞踊足掛け45年>
【中村】 文化祭を、文連と公民館クラブ連絡協議会が実行委員となって開催しています。それが文連としての一番大きな行事で、毎年11月にアスカル幸手で行っています。その文化祭に向けて、会員の皆さんは日々頑張っていらっしゃいます。 他に文連の事業として、6月に北公民館で発表会を行い、また、商工会さんのギャラリーをお借りして作品展もやっています。3月、4月の桜の時期。6月の紫陽花。9月の曼殊沙華。権現堂の花の時期に合わせて年3回作品展を開いています。この時期は人通りも多いですから、より多くの人に見てもらえるということで開催しています。 舞踊は主人の母(師範 美園 千園)が教えていまして、嫁いできて母に教わるようになったのが昭和50年頃です。母が昭和60年に亡くなったあと、僭越ながら2代目美園千園としてあとを継いで稽古を続けています。かれこれ45年程になります。自宅に稽古場を作りましたので、ここで稽古している方が6名おり、公民館でクラブ2つ担当しており、それを合わせて18名になります。 子ども教室を設けており、一番多い時は小学生から中学生まで10名近くいました。しかし、中学生になると、受験があったりして辞めてしまう子も多かったですね。今は中学生の子が2名いますが、その子たちも今年3年生になるので、5月の発表会で卒業ということになります。子どもがいなくなってしまうと寂しいので、子ども教室に力を入れていきたいと思っています。
【本紙】 踊りに使う曲などは?男性のお弟子さんもいらっしゃるのですか?
子どもから大人まで>
【中村】 私のところは新舞踊なので、古典的なものは使いません。子どもは最初は唱歌から始めたのです。足の動きをさせるために、「ずいずいずっころばし」や「さくらさくら」などを使って教えていきました。そうやって段階を踏んで覚えていって、少しずつ大人っぽい曲に移行していきます。 今やっている子どもたちは民謡に振りをつけ、手ぬぐいを使わせようと思い、それに合うようなもので、なるべく地元に近いものをと、三味線の野口先生に相談してみたら、秩父の「吾野の機織り唄」を紹介していただきました。 その曲を聞いてニュアンスを膨らませて、これはこういう曲だからこの部分はこういう気持ちだろうから、こう表現しようと振り付けを考えていきます。振りを教えるには、手書きの絵を使い、音楽と振り付けは歌詞を書いて、そこと合うようにしています。間奏は例えば4呼間だったら、その4呼間の間にこれこれこういう振り、という感じで書いています。 最初の頃は見様見真似で書いていましたが、最近は慣れましたが、全て手書きですから大変です。男性のお弟子さんも2名います。黒田節を踊りたいということでお見えになったのですよ。もう習い始めて1年くらいになります。上達は人によりけりですが、体の形が出来て、振りが出来て、ある程度の型が決まってこないと舞台に立つことは難しいです。今年の秋には舞台にと思います。
【本紙】 踊り以外にご趣味は?
針でチクチク
【中村】 裁縫が趣味です。ミシンも使いますが、針でチクチク縫うのも好きです。裁縫は高校卒業後に洋裁学校に3年間通っていました。仕事にしようと思ったことはなく、自分の服を作ったり、子どもたちの服を作ったりなどです。昔から洋服作りなど好きな方でしたね。 最近は着物を洋服に作り替えたり、帯はハンドバッグにしたり手提げにしたりしています。着物を作り替えるにしても、まったく別なものにするのではなく、少し着物のテイストを残してあげたりすると、他とはちょっと違った感じになって面白いのです。特に着物に慣れ親しんでいない若い世代の子たちには、それがとても新鮮に映るみたいですね。
【本紙】 若々しく健康的ですが、健康の秘訣はあるのですか?また、座右の銘などは?
【中村】 私自身スポーツは全然ダメですが、踊りの中で体を動かすことがいいのかなと思います。日本舞踊は動きはゆっくりですが、常に腰を落としていますから、足腰の鍛錬にはいいのかもしれません。踊りは体全体を使うものですから、激しい動きではありませんが、全身を動かしていることになります。それが私にとっての健康法なのかもしれません。 座右の銘は「真実一路」ですね。市議会議員も永く務めさせていただきましたが、とにかく1本の筋を通したら、ぶれないという気持ちでやっていました。若い時から頼まれたら、極力断らないようにしていました。自分を必要として頼んでくれるということですから、出来る限り断らないで力になるようにしていました。
【本紙】 では、お友達をご紹介ください。
【中村】 文連で活躍されている中村恒雄さんをご紹介します。
【本紙】 ありがとうございました。今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、海外から多くの方々が来日され、日本文化に触れることでしょう。文連の皆様で幸手の子どもたちに日本文化を伝えて頂ければと思います。ご活躍を祈念いたします。