タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪594号(2020年4月5日発行) 
幸手市武術太極拳連盟会長 細井 雅夫さん 美代子さん

【本紙】 太極拳を始めたきっかけはなんですか?

【細井】(敬称略) 幸手市に武道館が出来た時に、太極拳の講習会が開かれ、それが幸手で初めての教室になりました。以前に都内の知人から太極拳といういいものがあるときいていましたので、妻と一緒に始めたのです。おかげさまで身体も丈夫になりましたし、足腰も随分と良くなりました。

【本紙】 それまでお身体の調子は悪かったのですか?

【細井】 悪かったですね。私は40年近く自動車教習所に勤め、指導員や検定員をしていました。その関係でずっと車に乗っている生活でした。それで、すっかり足腰が弱ってしまいました。一時は階段も満足に昇り降りできないほどでした。それで、歩いたりしたのですが、それも長続きせず困っていたところ幸手で太極拳の講習会を始めることを知りました。教室は夜でしたから、仕事から帰った後でも出来たので、都合が良かったのですね。週に1回でしたが、可能な限り通うようにしていました。続けているうちにいつの間にか腰の痛みも良くなって、肩こりも治ってきて、色々な面でいい影響が出始めました。今では公園で太極拳をするのが習慣になりました

【本紙】 毎日やられているのですか?太極拳の素晴らしさを教えてください。

有酸素運動の頂点友達の輪写真

【細井】 毎朝夫婦でやっています。 朝6時半頃から約1時間位です。公園で始めたのは13年くらい前からで、千塚西公園でやっています。ただ、雨の日は休みます。一人増え二人増え最近では一緒に練習する人が沢山いて、賑やかな朝の風景になっています。

【細井(奥様)】 私は草木のあるところでやりたかったので、千塚西公園はとても良い場所でした。今は満開の桜の下で、夏は緑、秋は紅葉、冬は凍える寒さの中で四季折々の景色と空気を全身に感じて毎朝がとても幸せです。仲間もたくさんできて元気でいるためにずっと続けていきたいです。

【細井】 太極拳は漢方薬に似たようなもので、即効性はありませんが知らず知らずのうちに身体が丈夫になって、風邪もひかないし、足腰も丈夫になっていきます。いま流行りの有酸素運動の頂点のようなものだと思っています。年をとって、運動をしなくなってしまうとどんどん退化していってしまうのです。かといって、運動をするにしても、急激な運動は身体に良くありません。太極拳はゆったりと大きい円運動で、武術ですから本来は超スピードで行う動きをスローモーションで表現します。ですから、身体への負担はありません。太極拳では「気の流れ」と言いますが、血流を良くする効果もあります。身体の中を血が巡って、酸素やあらゆる栄養素が運ばれるわけですから、その流れが良くなれば、当然体の調子も良くなります。逆にそれが滞ってしまうと病気になってしまうのです。歩いたりする運動も勿論いいのですが、それだけですと筋肉があまり動かない部分も出てきてしまうのです。太極拳ではそういった部分も隈なくカバーし、全身を運動させるので、体の隅々まで血の流れが巡るようになります。結果として、脂肪燃焼や心肺機能向上、内臓が丈夫になるといった基礎代謝が上昇することになるのです。年をとってくると、一番怖いのが転ぶことなのですが、太極拳によって足腰も丈夫になりますし、運動することによって反射神経も衰えにくくなりますから、そういった日常の危険から身を守ることにも繋がります。私自身も何度か躓くという経験はしていますが、転倒することなく無事に乗り切っています。

【本紙】 歴史も相当に古いのでしょうね。

健康維持のための先人の知恵

【細井】 太極拳という名前がついて普及が始まったのは日本の柔道と同じくらいの時代になります。もっと遡れば5000年も前から行われていた健康法、導引術、養生術など健康を維持し、不老長寿の秘訣とされるものや戦いから生まれた武術です。それらが受け継がれ、また、儒教や道教、易学などの学問とこれらの運動が非常に共通するところがあって、王宗岳という人が太極拳理論を作り上げたそうです。昔から健康のためのいろいろな方法が研究されていたのですね。

【細井(奥様)】日本では太極拳が伝わってきたのが1959年ですから、まだ新しい方ですよ。日中の国交が正常化されたころから徐々に若者たちに太極拳が研究され始め、私たちが所属している太極拳友好協会(TFA)という母体が設立されました。最初は渋谷で始まり少しずつ普及していったようです。当時は中国語の教科書しかありませんでしたから、かなり大変だったと思います。私たちは1986年に太極拳を始めたのですが、その頃には日本語の教科書ができていました。

【細井】 太極拳は中国との国交が回復して、中国と友好を深める政策のひとつでもあったようです。TFAは幸運なことに、北京にある人民大学、体育大学、師範大学など主要なところの大学教授と繋がりが深く、その老師に直接教わることの出来る数少ない団体です。会員は2000人程になっています。毎年訪中団を送り太極拳の研修をしたり、国際大会に参加したりして交流をしています。

【本紙】 幸手でもイベントや催しはあるのですか?

太極拳のつどい友達の輪写真

【細井】 幸手は太極拳の愛好家が300人位おり、1週間に1回以上の練習を定期的にやっている連盟登録者が200人程います。太極拳の教室も14あり、そのうち連盟加盟団体は12教室になります。連盟としての大きなイベントに「太極拳のつどい」があります。広く一般にも呼び掛けて表演会や講習会を開催しています。毎年行っておりまして、今年で13回目になります。「継続は力なり」毎日少しずつ身体を動かす努力が健康を維持するのに最も効果があると信じます。「太極拳のつどい」もいつまでも回を重ねたいですね。

【本紙】 ご夫婦で演技をされたりもするのですか?

【細井(奥様)】 教室は別々に受け持っていますが、そういう機会もありますね。

【本紙】 太極拳を体験したい場合は?

【細井(奥様)】 広報やポスターで案内をしていますので、申し込んでいただければと思います。もちろん、直接見学に来ていただいても大歓迎です。また、連盟にご連絡いただければ希望の時間帯や曜日に合った教室をご紹介いたします。

【本紙】 足腰に不安な方には朗報ですね。では、お友達をご紹介ください。

【細井】 かかりつけ医でもあり、太極拳に造詣の深い石塚医院の先生、石塚忠夫さんをご紹介します。
(細井さんご夫婦は太極拳のおかげで病気知らずだそうです。新型コロナウイルスで免疫力を高めることが大切と言われていますが、太極拳は免疫力アップに繋がるように感じました。)