友達の輪621号(2021年6月6日発行)
Dog Design Charme et Merci 代表 大久保 操さんへ
【本紙】 こちらのお店はいつオープンされたのですか?
【大久保】(敬称略) 2019年12月10日になります。開店して翌年にはコロナ感染が拡大し始め、どうなるかの不安はありました。不謹慎かもしれませんが、コロナの影響でステイホームが増えたということと、癒しを求めて動物を飼うお宅が増えたこと、レイクタウンなどの大きなところがコロナ禍で休業しているということ等が重なって、予想外にお客様が来てくださいました。
【本紙】 このお仕事をやろうと思ったきっかけはなんですか?
【大久保】 トリマーの仕事は小学1年生の頃からずっとやってみたいと思っていました。そして、いつかは自分のお店も持ってみたいと思っていました。小学生当時、ポメラニアンを飼っていて、その子を母と一緒にトリミングに連れて行った時に初めてこの仕事を見たのです。それで、自分でもこの子を綺麗にしてあげたいなと思いました。ですから、その夢を叶えたという形になります。でも、義務教育の頃までは夢のままで、高校に入ってから、トリマーになるための進路を考え始めました。
【本紙】 開業前はどこかで働いていたのですか?お客様の来店頻度はどのくらいですか?
卒業後5年間
【大久保】 5年間程、越谷周辺のトリミングサロンやペットショップで働いていました。他のお店に移っても、わざわざ私のいるお店に来てくださるお客様がいたり、この地域でペットを飼われているお客様の層も私の理想に合っていて、自分のお店を開くなら越谷がいいなと考えていました。実際に越谷でお店を開かせていただきましたが、正解だったと感じています。お客様の来店頻度は平均ですと、月に1回や2回の方が多い印象です。それ位が理想だとは思います。犬は人と違って、全身に毛がありますからお手入れを怠ってしまうと毛玉になってしいます。実は毛玉があると皮膚が常に引っ張られる状態になってしまうので、毛玉がある限り痛みも続いてしまいます。それをなくすということもありますし、皮膚の状態を定期的に確認することも大事です。そうすることで前回はなかったはずの皮膚の傷に気つくことも出来るのです。カットも刈る場所によって違います。学校で基礎を習って、あとは現場で見様見真似だったり、先輩に教わったりしていきました。デザインカットなども、全て自分で学びます。上手な人の写真や動画を見て、頭に叩き込んで、あとは見様見真似で実践していきました。最初の頃はお金をいただいてカットするほどの技術も自信もなかったので、私が本当にこの子を触ってもいいのか、ということしか考えられませんでした。
【本紙】 休日には何かされているのですか?
二匹の里親
【大久保】 家でゴロゴロしたり、友達と遊びに行ったり、愛犬とのんびり散歩やドッグカフェに行ったりします。プードルとシー・ズーを飼っていて、プードルが8歳、シー・ズーが5歳になります。両方とも里親として引き取りました。プードルの方は前の職場の時に年に1回か2回、トリミングで通っていたブリーダーさんの子でした。そのブリーダーさんが亡くなられて、管理できなくなってしまったので「里親に出すからカットしてほしい」とお店に来られたのです。私がたまたま、そのプードルをカットしていて、まだ里親が決まっていないのなら私が里親になるということで貰いました。シー・ズーはペットショップで1歳を迎えて売れ残っていたのです。3年間、バックヤードに閉じ込めっぱなしで、全身ベタベタで、アレルギーだらけになってしまっても治してもらえず、それなら私が連れて帰ろうかなとうちに迎え入れました。
【本紙】 里親について何かやっていることや、これからやってみたいことはありますか?
ボラトリで救いたい
【大久保】 ボランティアトリミングの略でボラトリというのがあります。保健所に収容されている子たちをトリミングとシャンプーをして綺麗にしてあげるボランティアです。日本人はどちらかというと、見た目から入るので、汚い子だと「いらない」となってしまうのですが、綺麗にトリミングされていると「可愛い」と言って引き取ってくれることも多々あります。処分されてしまう子たちを救いたいので、積極的にボラトリに参加したいと思っています。 また、コロナが完全収束してからの話になりますが、この近辺でドッグカフェを開きたいと思っています。お店を開くにも、今後のやりたいことを実現するのにも資金が必要ですが、あまり深く考えず、「やり始めればなんとかなる」の気持ちでスタートさせました。トリマーの仕事を続けていてもお金は貯まりませんし、お金が貯まってから始めようとしたら、いつまでたっても出来ないじゃないですか。ですから、なるようにしかならないから、「やってみよう」という感じでこれからも歩んでいきたいと思います。
【本紙】 お店のポリシーなどはありますか?
トリマーとしての自負
【大久保】 トリマーとして出来ないことはないと思っています。他のお店では噛みついたり、暴れてしまったりして、断られてしまう子も受けるようにしています。その子がどうして怒るのか、というのを見つけていくことが大事です。目を合わせたときに威嚇される時があったり、体に触って怒り出すことがあったりと、手探りで少しずつ気づいていったり、そういう子も回数を重ねていって、カット中に眠るようになるまでなった子もいます。また、飼い主との関係もあります。甘やかされすぎてしまって、ダメなことはダメと叱られたことがない子もいます。そういう場合は飼い主の方に普段どうしていますか?と家での様子を聞くようにしています。家庭の様子から噛みついたり暴れたりする原因がわかるケースも多いですね。すべて我が子のように寄り添ってあげることが大切と接しています。
【本紙】 かわいいワンちゃんたちの瞳に癒されますよね。では、お友達をご紹介ください。
【大久保】 6月6日にスリランカ弁当店を開店する吉原麻衣さんをご紹介します。
【本紙】 ありがとうございました。これからもボラトリなどを通じて里親をたくさん探してほしいですね。ご活躍をお祈りします。(大久保さんはトリマーに大事なことは動物が好きだという事、と話してくれました。動物が好きなだけでは出来ない仕事と思いますが、動物にも仕事に愛情を注ぐことが大切と感じました。)
Dog Design Charme et Merci埼玉県越谷市大房731-4越谷ハイツ104
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