タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪622号(2021年6月20日発行) 
スリランカカリー弁当 kamu kamuオーナー 吉原 吉原さんへ

【本紙】 日本に来られたのはいつですか?来られた理由はなんですか?

【吉原】(敬称略) 私の母国はスリランカで、住んでいたのはニゴンボというところです。24年位前に日本で工学を学ぶために、日本工業大学の留学生としてやってきました。私が日本に留学しようと思ったのは、当時スリランカは内戦が続き、私が日本に来日したのは、内戦が始まって約14年目でした。内戦は約30年続きましたが、この状況下では国内でしっかりとした勉強をすることが出来なかったため、国外で勉強をするという選択をしたのです。色々な国が選択肢にありましたが、私の場合は日本ということになりました。日本を選んだ理由は日本車が好きというのもありましたし、工業系を学ぶのなら日本がいいかな、と考えたからです。日本に来た最初の頃は、日本工業大学の学費を賄うために新聞奨学生として杉戸で新聞配達をしながら、奨学金をいただき4年間ほどお世話になっていました。そして、日工大を卒業した後は、横浜国立大学大学院に進学しました。学費などの工面も、春日部のロータリークラブで米山奨学生となり奨学金をいただきましたのでとても助かりました。

【本紙】 新聞奨学生と米山奨学生を経験されたのですね。その後は?

貧しかったからこそ友達の輪写真

【吉原】 大学院を出て、そのまま日本で大手の化学メーカーに勤めました。しかし、毎日同じような生活が続いている時にふと、「なんのために日本に来たのだろう」と思ったのです。米山奨学生としてロータリークラブの例会に参加する機会もあり、そこで色々な経営者と面識を持つようになり、ひとつのところに勤めるのもいいけど、自分でも何かをやりたいなと思うようになりました。それで、会社を1年で辞めて、SSトレーディングという貿易会社を作って、日本とスリランカの貿易を行いました。 日本からは中古車を輸出して、スリランカからはスリランカ産の紅茶などを輸入するのです。また、私が母国にいた頃はお金がなくて貧しい思いもしていましたから、少しでも能力のある青年を日本に呼んで、金銭面はもちろん心も豊かになってもらいたいとも考えました。それで、スリランカに日本語学校を開校し、成績優秀な生徒を技能実習生として日本の企業に紹介することも始めたのです。メディアでは一部の技能実習生のマイナスな面が報道されたりしてしまうので、その関係に携わっている者としては悲しいことでもあります。まだまだスリランカの技能実習生というのは一般に認知されていないところもありますので、そこの知名度をアップして貢献出来ればと思っています。

【本紙】 カレー店を始めようと思ったのはなぜですか?店名の由来は?

母国のダーナ

【吉原】 私自身が料理好きということもありますし、元々、人に料理を振舞うのが好きです。母国の仏教では「ダーナ」といって、様々な人々に食事を分け与えるというのがありますが、そういったものが根底にあるのだと思います。本音を言えば、このお店もお金を取らずに無料で振る舞いたいと思っているのですが、それは現実問題として難しいところもあるので、可能な限りコストを下げる努力をしました。店名のカムカムはスリランカ語の中でもシンハラ語と呼ばれるもので、意味としては「食べましょう」ということです。日本語の「噛む」と、英語の「COME」と語呂も合うので、それらをひっくるめた意味として店名にしました。スリランカカリーの特徴ですが、とろみが少なくスープ系でスパイシーです。家庭料理でもありますので、作る家や人によって様々な味があります。私が作るのは、私の母から教わった私の家のカレーです。また、スリランカカリーの共通な特徴として、モルディブフィッシュといって、鰹節を砕いたものがベースに含まれています。ですから、日本人の味覚に合うのではないかとも考えています。スパイスも12~13種類を混ぜ合わせて、自分だけの独自のカレー味を作ります。メニューは12~13種類ほどで、価格帯は850円~300円です。利益というより、スリランカカリーを日本の方に食べてもらいたい、という気持ちの方が大きいですね。スーパーなどの総菜コーナーを見ても、スパイシーなものは非常に少ないですよね。昔は日本の食卓にはオリーブオイルはそんなに普及していませんでしたが、今はどこの家庭にもあるくらいに普及しています。同じように、スリランカのスパイシーな料理を普及させていければと思います。

【本紙】 こだわりとか、これからの夢みたいなものはありますか?

スリランカの食文化友達の輪写真

【吉原】 お米や野菜にこだわりたいと思います。幸手に知り合いの農家がいますので、そこから美味しい野菜を取り寄せ、お義父さんの知り合いの米農家さんが茨城で美味しいお米を作っているので、そこから取り寄せることにしました。特に新米が好きです。普通に食べても美味しい新米をさらに美味しく食べてもらいたいので、米炊きもガス釜を採用しました。 また、スリランカカリーを食べたお客様が、自分の家でも同じようなスリランカカリーを作りたい、と思ってくれれば幸いです。スリランカカリーに限らず、スリランカのスパイシーな料理を知ってもらい、各家庭にスパイスが置かれたりしたらなおさら嬉しいですね。また、今はコロナのご時世で難しいですが、将来はお客様の希望を聞いて、好みのスパイスを調合して瓶詰で販売出来たらいいですね。スパイスはカレー以外にも使えます。色々なものに試して、スパイスの良さを知ってほしいです。そして、スリランカの食文化を味わってほしいという気持ちもあります。

【本紙】 趣味などはありますか?

【吉原】 お休みの日に妻の実家に行って、よく畑仕事をしています。お義父さんも草が生えない程度に耕している程度なので、そこをお借りして自己流で野菜を育てています。そこで収穫した野菜はお店でも使います。お客様も生産者の顔が見えると安心できますよね。

【本紙】 では、お友達をご紹介ください。

【吉原】 農業を営んでいる大塚サダさんをご紹介いたします。おいしい野菜を育てています。

【本紙】 ありがとうございました。益々のご繁盛をお祈りします。(吉原吉原さんは流暢な日本語を話され、お土産にスリランカカリーをご提供くださいました。編集部スタッフでいただきましたが絶品の味でした。ご馳走様でした。)

スリランカカリー弁当 kamu kamu
埼玉県幸手市東2-15-2
電話予約可能:0480-48-6478
営業時間:昼11:00~14:00 夜17:00~20:00
定休:水曜・日曜