タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪625号(2021年8月8日発行) 
蘭栽培 藤沼 恵美子さんへ

【本紙】 蘭を栽培されているとお聞きましたが、立派な温室ですね?

【藤沼】(敬称略) 主人が昭和47年に始めたもので、昔は市場に出荷したり、近隣のお客様に販売してました。その主人も2004年に亡くなってしまいました。しばらくは息子の手も借りてやっていました。しかし、息子も働きに出ていますし、いつも手伝ってもらうわけにもいかないので、現在は規模を縮小して趣味のような感じで細々と続けています。

【本紙】 蘭を始めたきっかけはなんですか?

【藤沼】 主人は農家の長男でした。それで家を継ぐということで、農家として何を中心にやっていこうかと色々と考えた末に蘭の栽培を選びました。蘭の栽培は難しいと言われますが、昔は自分の家で気に入った蘭同士を交配させて種を作り、その種から育てるということもやっていました。種をただ蒔けばいいというものでもなく、無菌状態にした三角フラスコを使って、無菌栽培しないと芽が出ない場合があるのです。種を植えるところを、培地と言いますが培地には寒天に色々な栄養素を加えたものを使用します。種を作るまでは個人でやっていましたが、培養する設備までは個人で用意することは出来ないので、専門業者さんの手を借りていました。当時はうちのオリジナルの蘭もありました。胡蝶蘭を始めあらゆる蘭を栽培していましたが、今はその規模では出来ませんね。

【本紙】 「世界らん展」が有名ですが、出品などされていたのですか?

世界らん展に出品友達の輪写真

【藤沼】 出品していました。その中の部門でメダルや賞を頂いたりしました。そういったものはとても励みになるので、来年はこれを出したいから開催期間までには絶対に花を咲かせようと挑んでいました。私共はあくまで仕事の延長でしたが、蘭マニアの方々などは「世界らん展」のみに焦点を当てて出品するという方もいます。むしろ、そういった蘭マニアの方々の出品が多い展覧会です。今は趣味程度ですが、といっても管理をしなければいけません。その間の燃料費という意味でも大変です。一人で出来る範囲で、さくらファームの直売所に育てた蘭を切り花として出しています。カトレアやオンシジュウムです。カトレアは冬から春にかけて開花時期になり、オンシジュウムは通年で咲く花です。

【本紙】 世界の蘭を研究に、いろいろと旅をされたそうですね。

【藤沼】 何か国もではありませんが、蘭の原種を見にマレーシアやボルネオに行きました。日本のお花屋さんで目にする蘭の多くは品種改良されたものが多いのです。でも、現地に行くと原種があるのです。原種との違いを説明するのは難しいですが、見た目の華やかさという点では品種改良されたものに劣りますが、その土地にある味のようなものでしょうか、それを見たくて出かけていました。ご存じかもしれませんが、蘭はどんどん掛け合わされて際限なく増えていってしまうものです。裏を返せば掛け合わせる楽しみがあるとも言えます。実は蘭にはひとつひとつに戸籍があって、全ての蘭にはラベルがついています。それを登録するところがイギリスの英国王立園芸協会というところです。申請をして登録となりますから、品種改良されて新たに作られた蘭の保証という点で非常に大切な要素になります。個人で新しく蘭を作ることは可能ですが、それが登録されていなければ、新しい品種というだけの価値になってしまいます。

【本紙】 戸籍があるのですね。知りませんでした。蘭でコサージュやブーケなども製作されるそうですね。

徹夜でアーチ

【藤沼】 地元の小学校の卒業式に、卒業生が入退場する蘭のアーチを製作したり、保護者の方々がつけるコサージュを作りました。保護者同士でコサージュが被らないようにデザインもひとつひとつ変えました。アーチは卒業式前夜に体育館で製作し、コサージュは生花なので作り置き出来ませんから、自宅に戻って、明け方まで作りました。しかし、自分の子供の卒業式ではアーチを製作して、戻ってからコサージュを作り、お風呂に入って仮眠したらもう朝。身支度して卒業式に出席、という忙しいものになりました。主人はPTAの役員をやっていたので、卒業式で祝辞などの挨拶もあり、夫婦でハードな二日間だったのを覚えています。今となってみればなつかしい思い出です。また、結婚式で使うブーケも依頼されて作っていました。

【本紙】 変わった植物も育てているそうですね?

ジャボチカバ友達の輪写真

【藤沼】 店頭ではあまり見かけないようなものを好んで栽培しています。例えばブラジル原産のジャボチカバというものがあります。これは種を撒いてから実をつけるまで、10年とか15年とかかるものです。幹に実をつけるという変わった果物で、大きさはブドウくらいになります。この植物の面白いところは花が咲きながら、熟して食べられる実が同時に出来ていくところです。また、このジャボチカバという果物は1年中実をつけるのです。花も幹に咲いて、ちょっと変わった感じが楽しめますね。現在実をつける2本のジャボチカバがあります。ブラジルでは地植えですが、冬の間は室内に入れないとダメなので鉢植えで栽培しています。他にもジャカランダという花もありまして、それも種を撒いてから花が咲くまで15年~20年というものです。今から30年くらい前にその苗を買って約15年育てていたのですが、花をつけることはありませんでした。たまたま遊びに来た知り合いの方が、「接ぎ木をしないとダメ」とアドバイスをもらい、その方が接ぎ木をしてくれてから、毎年花を咲かせてくれるようになりました。熱海では街路樹になっていますね。

【本紙】 接ぎ木がポイントですね。では、お友達をご紹介ください。

【藤沼】 緑台で美容室をやっている宮川智子さんを紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。ジャボチカバやジャカランダのお花が咲いたら見たいですね。(藤沼さんは植物について研究熱心で、アカバナトケイソウという珍しいお花も育てていますが、増殖が難しく試行錯誤の末、ようやくコツがわかってはきましたが、この植物に詳しい人が身近にいないのでそれが悩みをほほ笑まれてました。