タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

サイトマップ・個人情報取扱いについて
  • トップ
  • 友達の輪
  • タウンプレスとは
  • タウンプレス最新号
  • 会社案内
  • 特集号
  • 学校新聞
  •  
  • 読売新聞

友達の輪636号(2022年1月23日発行) 
有限会社 中川商店取締役 金子 桐絵さんへ

【本紙】 現在取り扱っている商品はどのようなものですか?また、始めたきっかけはなんですか?

【金子】(敬称略) 当社はタンやハラミといった国産牛のホルモンが専門となります。元々は主人のお父さんがやっていた会社でしたが、いろいろなことがあって倒産してしまったのです。その後2年程そのままの状態だったのですが、取引先などから「またやってみないか?」とオファーをいたき、主人がやってみたいということで、大宮にある事業所に冷凍倉庫もありましたので、そこで再スタートとなりました。事業を始めて4年目の頃には収入も安定してきたので、法人化したのですが、その矢先の2001年に国内で狂牛病が発生しました。

【本紙】 国内の狂牛病記憶にあります。大変だったのでしょうね。

倒産か、続けるか友達の輪写真

【金子】 当社は国産牛のホルモンのみを扱っていることにブランドのような誇りを持っていました。しかし、国内の狂牛病でしたので、完全に裏目に出てしまい、市場が完全に止まり、全く収入が無くなってしまいました。会社を、倒産させるか、続けるか、という選択を迫られました。というのも、従業員が8人いたのですが、彼らに対して何が出来るかということでした。自分たちはどうにでもなるとしても、従業員はそうはいきません。倒産させれば、すぐに失業保険が出ますから最低限の保障が出来ます。続けるのであれば、最低限の賃金を支払わなければなりません。従業員も交え、色々と話し合い、自分たちの資産を計算したところ、最低でも4ヶ月は持つ算段を立てられました。それで、法人化したばかりなのでもう少しだけ頑張ろうという結論に達しました。しかし、3ヶ月半を経過したところでも回復の兆しは見えず、もう駄目かなと覚悟を決めたときに、狂牛病自体は収まっていなかったのですが、国が全頭検査を実施したのです。全ての牛を検査し、全ての牛に番号を割り振って、牛と市場の流れが「見える化」され、安全な牛が担保できるようになり、市場が一気に動き始めました。加えて、国からの補助金が出たことでどうにか困難を越すことが出来ました。しかし、補助金だけでは厳しく銀行に借り入れを依頼しても、全て断られてしまいました。3年間の決算書が良いのだから、と言っても一度でもゼロになったという実績があるからということでした。ただ、ひとつだけ幸いなことに、事業を拡大した訳でもなく、再スタートも無借金だったのでその分の固定費が発生しなかったのは大きかったですね。

【本紙】 大変でしたね。そして、今度はコロナ禍ですが。

ネット販売へ

【金子】 売上は下がってはいますが、ゼロではありませんし、売り上げゼロを経験していますから、やっていけるという自信がありました。しかし、コロナ禍で取引先の問屋さんが在庫を抱えるようになってしまいました。当社は今までBtoB(企業と企業との取引)でやってきましたが、BtoC(企業が個人向けに行う事業)をやってみたかったので、問屋さんが在庫となり卸せなくなった商品を昨年5月から全国にネット販売することにしました。当社のホルモンは新鮮な早い段階で冷凍し、配送は冷凍宅急便ですので、鮮度には自信があります。口コミで少しずつ拡がっている手ごたえはあります。関西の方はホルモン好きが多いのか、リピーターも多いですね。今は売上というよりも、色々な方に知ってもらい、商品を拡散できればと考えています。来期はそれを踏まえた上で売上を考えていき、最終的には当社売上の1割程度はネット通販で賄えるようにしたいと思っています。

【本紙】 コロナ禍で巣ごもり需要も堅調ですから期待できますね。ご趣味などは?

フィンランドが好き友達の輪写真

【金子】 海外に旅行することが好きで、色々なところに行きましたが、特にフィンランドが好きです。私の知り合いがフィンランドの教育関係を回るツアーを企画しました。フィンランドが「世界で最も幸せな国」となったときに企画され、それに参加したのですが、国の考え方にとても感動したのです。ツアーで訪れたのはヘルシンキと、ロシアとの国境付近にあるサイマー湖水地方というところです。そこは90%以上が森と湖の大自然で、それに触れたときはとても感動しました。以来、すっかりフィンランドの虜です。コロナ前の2年間で4回も行きました。フィンランドに行ってから、今まで持っていた教育についての考え方が変わりました。日本の教育も以前とは随分と変わってきたと思いますし、その中のひとつとしてアクティブラーニングがありますが、そういったものが小学校の先生まで伝わっていないような気がするのです。海外ではディベートやディスカッションを教育に取り入れています。他人と自分は違うということ、例えば自画像を並べて「違うけどみんないいね」と相手を認めることの大切さを教えています。日本にも良いところはありますが、教育に関してはちょっと違う感じがします。フィンランドはとても風通しのいいところで、国の政策がしっかりと浸透している印象です。私が話をさせて頂いたフィンランドの先生方は口をそろえて言います、「私たちは子どもたちの伴走者です」と。例えば、授業中に落ち着かず他行動してしまう子に、いま何をやりたいかを聞いて、その希望のことをやらせてあげるそうです。鉄棒したり、ダンベルを持ち上げたりなどです。そうすることで気持ちが落ち着くのです。また、フィンランドは経済的にも特に裕福というわけでもありません。幸せといっても人それぞれですが、経済的なことだけが幸せというわけではないのですね。ただ、フィンランドも冬になると自殺者が増えてしまうようです。真っ暗な生活が続きますので、精神的に参ってしまうのかもしれません。だから、イッタラやマリメッコなどに象徴されるような明るさや楽しさで部屋を装飾する文化があるのかも知れませんね。

【本紙】 これからやってみたいことはありますか?

【金子】 コロナが落ち着いたら、また色々なところに旅行に行きたいです。フィンランドはもちろんのこと、ハワイでゆっくりしてみたいとも思います。ヨーロッパが好きなので、イギリスなどにも行ってみたいですね。

【本紙】 ありがとうございました。では、お友達をご紹介ください。

【金子】 幸手のお友達で、春日部駅東口でイタリアンレストランを経営している立花智子さんをご紹介いたします。

【本紙】 ありがとうございました。美味しいホルモンの全国販売楽しみですね。(金子さんは狂牛病の経験から第二の収益事業として不動産事業も始められたそうです。とても明るくチャレンジ精神あふれる方でした。)

有限会社 中川商店
〒340-0111
幸手市北2-14-4
TEL:0480-40-5250
通販 「極雅 ECサイト」
クーポンコード 【OM1129】 入力で10%OFF お1人様1回限り