タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪637号(2022年2月6日発行) 
トラットリア バル ソットテット
野菜ソムリエ 立花 智子さん オーナーシェフ 立花 広之さんへ

【本紙】 お店はいつオープンされたのですか?春日部でお店を開くきっかけは?

【立花(智)】(敬称略) オープンは2013年になり、今年で9年目になります。シェフである主人が、都内の色々な飲食店に勤務していたのですが、勤務時間が遅いので、週に1回位しかまともに家に戻ってこられない感じでした。日曜日に帰ってきたときには、「家の事はこれくらいしか出来ないから」と食事を作ってくれたのですが、それが終わるとその場で寝てしまうのです。当時はなんでベッドまで行かず、ここで寝てしまうのだろうと思いましたが、今思えば相当に疲れていたのでしょう。普段は子供たちが寝ている間に帰ってきて、子供たちが起きる前の朝早く出勤するという生活でした。下の息子がまだ小さかった頃に、「お父さん、また来てね」と言われたらしいのです。

【本紙】 子供って純真ですよね。

家族の時間友達の輪写真

【立花(智)】 それが主人としてもとてもショックだったらしくて、都内まで働きに出るのは辞めて、自分のお店を持とうと思ったようです。

【立花(広)】 独立は自分の力を試したかったのもありますが、それ以上に家族との時間を取ることが出来なかったことが一番の要因です。息子からの一言はきつかったですね。

【立花(智)】 それで、どこで開業しようかと夫婦で相談しました。幸手で開店するのは正直に言えば怖かったですね。週末はともかく、平日の夜は厳しいだろうと話しました。それで通える範囲の30分圏内が条件となり、春日部が候補に挙がりました。複数の不動産屋を回り、日光街道の蔵もあり、落ち着いた感じがする東口の方に店を構えることにしました。息子も学校が終わってお店で夕飯を食べますし、当時は娘が高校生で乗換駅でしたから、娘も一緒に夕飯を食べて、姉弟で幸手に帰るという生活をしばらく続けていました。

【立花(広)】 しかし、自営でやってみたら、1日の仕事時間も長いですし、仕込みや後片付けもあります。思った以上に時間が取れず、朝食を家族一緒に食べられるようになった程度です。親として子供たちに申し訳なかったと思いますね。特に下の息子の学校行事にはまったく行けませんでしたから。本人は「いいよ」と言ってくれたのですが、親としては心苦しいところです。

【本紙】 イタリア料理ですね。お店のイメージはあるのですか?

手作りのお店

【立花(智)】 店名の「ソットテット」は屋根裏という意味です。客席となる二階に天井がありましたが、それを外して、屋根裏部屋のような感じに仕上げました。何十年も前に建てた店舗ですが、天井を外してみたらとても良い梁でしたので、そのまま活かしています。その梁や階段や漆喰も自分たちで塗りました。また、当店のコンセプトは地産地消ですが、埼玉県産のお野菜、お肉、卵と主要なものは一通り調べて、実際に農家さんに出向いてどのように作っているのか、どこにこだわっているのかと、色々と聞きました。今も農家さんの畑に行って野菜を見せてもらったうえで購入しています。それが毎週金曜日なので、金曜日はランチをお休みとさせていただいてます。開店当初、応援したい農家さんがいました。1店舗だけでは購入できる量も少なく申し訳ないと思いつつも、その状態が続いてしまいました。ところが、その農家さんはひとりでやりきれなくなってしまい野菜作りを辞めてしまったのです。シェフはそれをずっと気にしていました。

【本紙】 農家も後継者不足ですね。

ベジブーン友達の輪写真

【立花(広)】 コロナ禍で営業できず、地元の食材を使ったテイクアウトなどをしながら、農家さんと一緒に何か出来ないかと考えるようになりました。営業して8年、飲食店同士の繋がりも出来ましたので、声を掛けて合同のLINEアカウントを作りました。そのアカウントに農家さんも登録してもらい、毎週水曜日に農家さんから「こんな野菜が出荷出来ます」と投稿してもらうのです。それをまとめたものを私たちで各飲食店さんに連絡して、各飲食店さんからの発注を取りまとめて、それぞれの農家さんに発注する「ベジブーン」という仕組みを作りました。現在、宮代1軒、春日部2軒、岩槻1軒の計4軒の農家さんに登録してもらっています。こだわった野菜を作っていても販路を広げられなかったり、販路があっても割高なマージンだったりと、少しでもそれらを減らして農家さんに還元出来ればと考えています。飲食店さんも個人でやっているところばかりなので、お店ならではの特色をつけた方が武器になりますから、その点を説明して賛同してくれる方を募りました。

【本紙】 ベジブーンを基にメニューを考えるのですか?

【立花(智)】 シェフがそうしています。ランチはその野菜を使うようにしています。夜のコースでは、使っている野菜をお客様に説明すると「どこで買えるのですか?」と尋ねられる方もいらっしゃいます。「どこそこのスーパーで売っていますよ」とお伝えするとお客様が実際にそのスーパーに行って買われたそうです。そして「とても美味しかった」と伝えに来てくださいました。農家さんとお客様は直接のやり取りがありませんから、私が代わって農家さんにお伝えするととても喜んでくれたのです。お客様も農家さんも喜んでくれて、その橋渡しのようなことが出来たというのがとても嬉しかったですね。野菜に限らず、他の食材でもそういったことが出来るようになったらもっと嬉しいです。

【本紙】 ベジブーンが広がりそうですね。では、お友達をご紹介ください。

【立花(智)】 デザインや創作プロデュース等をされている「言絵舎」さんの大野純子さんを紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。地産地消にこだわった美味しいお料理をご提供ください。(ご夫婦で経営される素敵なお店でした。シェフは『僕たちの仕事はお客様に来ていただいて楽しんでもらうもの』と美味しい料理を日々考えていらっしゃるようです。)

トラットリア・バル・ソットテット
東武伊勢崎線/春日部駅東口 徒歩6分 (483m)
電話番号 048-763-8828
営業時間 11:30~14:00 (L.O13:30)
日替わり・週替わりパスタランチ1,200円
18:00~22:00完全予約制
おまかせコース 4,400円~5,500円
定休日 毎週日曜日、祝日、金曜ランチ
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