タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪639号(2022年3月6日発行) 
関建築設計室一級建築士  関 知加子さんへ

【本紙】 建築設計室はいつから始められたのですか?建築に興味を持たれたのは?

【関】(敬称略) 建築の仕事自体は東京ですでにやっていたのですが、4年前に主人の父が亡くなり、主人が幸手出身ということもあってこちらに引っ越してきました。交通等のアクセスを考えて久喜駅近くに事務所を構えました。都内で開業してから考えると、もう15年以上は事務所を営んでいる形になりますね。建築に興味を持ったのは高校進学の時です。将来どういう方向に行くべきかを考えたとき、絵を描いたりするのが好きだったので芸術関係の学校に進もうと思ったのです。先生に相談したら、「芸術関係は潰しが効かないかもしれない」と言われ、それでどうしようか考えていたところ、テレビで建築設計の仕事を紹介している番組を見たのです。そこで、建築には芸術的な要素もあるということを知って、建築設計の進路を考えるようになりました。また、設計事務所を経営している親戚が実家の設計をやってくれたこともあり、住まいに対する思いのようなものが昔からあったのかもしれません。

【本紙】 今までに印象に残った設計はありますか?

直後に大震災友達の輪写真

【関】 宮城の松島で設計したスキップフロア※の住宅が印象に強く残っていますね。立地が海際ということや、お客様の祖父の「昔に津波があったので床を上げたい」という要望から、スキップフロアの住宅を提案いたしました。そして、構造的にも空間的にも色々な工夫を施し、お客様にも喜ばれて雑誌にも掲載されました。ところが、その住宅を建てたすぐ後に、東日本大震災が発生して被災されたのです。ご存じのように松島は入り江になっているので、波が打ち消されて大波を被るということはなかったようですが、それでも、古い住宅等はかなりの被害に遭ってしまったと聞いています。でも、このスキップフロアの住宅は、それが幸いして建物には大きな損害はなく、今でも普通に住んでいらっしゃいます。(※スキップフロアとは、建築物において、その床面の一部に高さを変えた部分を持たせた構成のこと。)

【本紙】 震災は予期できませんから備えは大事ですね。これから作ってみたい建築はありますか?

美しくあること

【関】 自邸であれば好き勝手に作れますが、私たちの仕事はクライアントありきなので、私たちの考えを一方的に押し付けるものではないと思っています。クライアントのご要望をしっかりと聞いて、その上で色々と提案していき、よりよいものを作るのが大切だと思います。ただ、私たちが大切にしたいこととして、形を作る上での責任として『美しくあること』というのは絶対にあります。例えば、「住めれば何でもいい」と言われたら、それは「うちの仕事ではありません」ということになるのかもしれません。形を作る以上は美しく整えるというのは絶対条件ですが、単に建築の佇まいや空間が美しいということだけではなく、清掃や収納など美しさを維持しやすく、愛着を持って長く住まい続けて頂ける住まいを提案しています。実際、クライアントとのやり取りでも「こういう風にした方が使いやすいし、見た目もいいですよ」とアドバイスをすることもあります。それを受け入れるか、受け入れないかはクライアント次第となります。また、都内で仕事をしていたときは、木のぬくもりというものを意識したものは少なかったのですが、幸手に来てからそういった仕上げをする仕事が増えたように思います。それと、新築だけでなくリノベーションも多く手掛けさせてもらっています。リノベーションは木造に限らず、鉄骨・RCなど構造を問わず請け負っていますのでご相談ください。

【本紙】 生活空間を彩る植物を使ったリースなども作られているそうですね。

暮らしを楽しむ友達の輪写真

【関】 趣味のひとつですが、時間がある時に自宅の庭の植物などで作っています。自宅は住宅地というよりも、田んぼや畑が多いところです。越してきた最初の頃は、仕事はもちろん、私生活も忙しくて余裕はありませんでした。1年経って、少し余裕が出てきたときに、母が庭で栽培していたお花や、作っていた大根や唐辛子、ラベンダー等が目に付くようになったのです。お花は仏壇に飾るものでしたが、それだけではもったいないと思うようになり、色々と手をつけていきました。リースなどの装飾品を作るうちに、「最初から家を作る」となると敷居が高くなってしまうけど、部屋に物を飾って「暮らしを楽しむ」ところから入ってもらうのもいいかなと思ったのです。それで、身の回りの物を使って部屋に飾る用品を作り「日の出」さんに置かせてもらっています。日の出さんの大野さんも七味唐辛子等を気に入ってくださり、色々なものを試しに販売してみたのです。ただ、私も本業がありますので、時間が出来たときに数個を置かせてもらっている程度になります。趣味のようなものですが、覚えてくださっている方もいらっしゃって、季節の物を置いていると、「来年も楽しみにしている」という声もあるそうです。中でもスタンドタイプのラベンダーのリースに人気があるらしく、もう来年の分の予約が入っているそうです。ですから、ラベンダーの生育状態は特に注視していますが「自然なものなので作れない場合もあります」と説明もしています。でも、反響があるとやっぱり嬉しいので、細々と続けさせてもらっています。

世界の建築を見たい

【本紙】 うれしいことですね。他に趣味などありますか?

【関】 旅行が好きです。コロナ直前までスリランカや台湾、スウェーデンなど色々なところに行きました。でも、今はコロナでどこへも行けなくなってしまいました。仕事柄、外国に行くと建築様式に目が行ってしまいます。歴史的な建物を見るのももちろんですが、何でもない街並みも建築士の視点で見ると楽しいものがあります。スウェーデンのゴットランド島というところがあるのですが、古い城壁があり、小さな家々が建ち並ぶ古い街です。でも、そこにあるだけでとても美しいのです。旅行の魅力はそういう風景が見られることですね。日本にはあまりない景色でとても強く印象に残りました。

【本紙】 旅はいいですね。まずは、コロナが収束したらですね。では、お友達をご紹介ください。

【関】 植物などを用いて、かご編み等の工房をされている土方幸子さんをご紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。(関さんはスウェーデンに行った時、空港からホテルの行き来などでボルボに乗る機会が多かったそうで、その乗り心地の良さと環境配慮に対する企業理念に共感し、帰国されてから、ボルボに乗り換えたそうです。「自分の好きにこだわりたい」と楽しそうにお話しされる方でした。)

関建築設計室
〒346-0116
久喜市久喜東2-2-8-2F
Tel 0480-38-6621
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