友達の輪649号(2022年8月7日発行)
(有)山崎産業畳工事部 山﨑 克彦さんへ
【本紙】 山崎産業さんは畳屋さんと伺いましたが?
【山崎】(敬称略) 畳の材料とその工事がメインとなっています。最初の頃は祖父が農家さんからお米を収穫したあとの藁を引き上げてきて、それを干す等の加工をして畳屋さんに卸していたそうです。その後、昭和40年頃に父がその藁を使い、畳の藁床を作るようになりました。私は18歳位の頃から4年間ほど、東京の知り合いの畳屋さんに勤めていました。藁床を作るのではなく畳表を貼る作業をやっていました。そこで一通り畳について学んだ後、こちらに戻ってきて工事部の方をやらせてもらうようになりました。そして、今は私があとを継ぐ形となり畳全般をやるようになりました。とはいっても、今は農家さんも機械化が進み、稲刈りの際に藁が細かく裁断されてしまい、昔のように稲藁を干すこともなく、結果藁自体の生産も少なくなってきています。それで、藁床に代わるインシュレーションボードの畳床を作っています。今では8割から9割がインシュレーションボードに代わっています。そして、住宅事情も変化してフローリングが多くなり、和室は減ってしまいましたので、益々畳の需要も減ってしまっています。
【本紙】 価格は高いのですか?藁床と変わりはないのでしょうか?
和室が減って
【山崎】 インシュレーションボードの方が安いですね。藁ですと手間もありますし、生産量も減っていますからどうしても高くなってしまいます。ただ、インシュレーションボードにも様々な種類がありますから、高価なものだと藁よりも高くなることもあります。感触についても様々な素材の組み合わせで変えることが出来ます。畳に近い感じにしたり、逆にフローリングに近い感じにすることも出来ます。小さいお子様や高齢の方がいるご家庭だと、クッション性のある柔らかい素材の方がいいこともあるので、そちらをお勧めすることもあります。しかし、昔と比べると畳は圧倒的に減ってしまいました。昔の住宅には必ず和室がありましたが、今はほとんどないですね。特にマンションではまず見かけません。統計ではありませんが10分の1以下まで減ってしまっている感じです。そんな状況でかなり市場が狭まってしまっていますし、単価も安くなってきて、市場の取り合いが起きているのが現状です。その中でも少しでも丁寧な仕事をして、お客様に喜んでもらえるように心がけています。
【本紙】 減ってしまった需要を増やすのは大変ですよね。
江戸間・京間
【山崎】 需要喚起に努力はしているのですが。市民祭りやさくら祭りに出店して、畳についての説明やイベントを開催したりしました。ここ数年はコロナもあって開催されていないのが残念です。また、若い人たち向けに畳表がイ草ではなく、カラー表といって様々な色を選べる畳表もあります。新感覚でフローリングにも合うような色合いを見つけていただくことも可能です。他にも、置き畳としてフローリングの上に置けるような薄い畳の製作や、素材もイ草ではなく、耐水性のあるPPを使用した畳もあります。また、畳というと一畳の大きさが決まっていると思いますが、今は色々なサイズがあります。基本的には関東では江戸間の畳が五尺八寸✕二尺九寸のサイズで「五八」と言うのですが、他に京間と言って、2m ✕1mの畳床もあります。しかし、今は部屋も多様化していますので、通常の大きさでは収まりきらない場合も出てきます。そういった時は五八からさらに切り落として調整していきます。大きさだけでなく、厚みなどもありますから実際に現場に出向いてみないと分からないところもあります。お客様のご要望をよく伺って、出来る限りご希望に沿うようにしています。
【本紙】 お休みの日はどのように過ごされていますか?
息子に触発され
【山崎】 趣味というほどのものではないのですが、バドミントン、ミニテニス、剣道や釣りなどをやっています。出身の東中学校は剣道が強い学校でした。この地区だと部活はともかく、体育の授業でほとんどの人は剣道をやったことがあると思います。中学の時に初段を取った生徒もいます。今はもう剣道部もなくなってしまって寂しい限りです。少子化もあるでしょうし、教える先生も減ってしまっているのも理由だと思いますね。現在も、東雲会というOB会がありまして、東中学校の格技場を借りて剣道を続けています。基本的に毎週土曜日やっていますが、コロナもあって出来ない時期もありました。東中の剣道部があった頃は、部活の時間に生徒たちと一緒になって剣道を楽しんでいました。実は高校生の息子が剣道をやっていて、息子に触発されて剣道を再開したのです。息子が剣道を始めたばかりの頃は私が教えたりしていましたが、息子はそれからも高校でずっと剣道をやっていましたから、負けてしまうかもしれませんね。ただ、剣道に対しての心持ちが違いますので一概に勝ち負けでは測れないところはあるかと思います。学生だと勝ち負けが大事で、勝つための剣道をするわけですが、私くらいの年齢になってくると、基本に忠実になり型を大事にするようになってきます。東雲会以外にも剣友会にも所属していますので、そっちに顔を出したりもしています。
【本紙】 釣りもされているとか?
バスとうなぎ
【山崎】 バス釣りが好きでよくやっています。基本は近所でやっていますが、たまに霞ヶ浦まで行ったりもします。あとは、仕事帰りに近くの中川でうなぎ釣りをやったりもしますね。うなぎは普通の釣り竿に糸と重りと針とうなぎに適した餌で釣ります。一応、天然ものではありますので、皮の下の脂身が少ないのです。養殖はどんどん餌を与えて大きくしますが、天然はそういったことがないので脂身が少なくなりますが、脂がまったくないというわけではなく、適度にあって美味しいのです。釣ったうなぎは自分の家でかば焼きにして食べています。今年も釣りましたが、昔は結構いましたね。中川は水量が季節によって大きく変化し、護岸工事をやっている影響かうなぎも随分と減ってきてしまっているように感じます。今はうなぎ釣りをする人も少なくなってきました。
【本紙】 天然もの、美味しそうですね。では、お友達をご紹介ください。
【山崎】 消防団の分隊長をやっている槇島広明さんをご紹介します。
【本紙】 ありがとうございました。益々のご繁栄を祈念いたします。(山﨑さんは趣味も豊富なようで、周囲の人がバイクでツーリングに行ったりしているので、一緒に行ってみたいという気持ちはありますねと楽しそうにお話し下さいました。)
幸手の畳 山崎産業