タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪652号(2022年9月18日発行) 
旬彩 本多店主 本多 裕一さんへ

【本紙】 東麻布で料理店を経営されていたそうですね。

【本多】(敬称略) そうですね。東麻布では12年間営業していました。私は愛媛の生まれで、父は魚の養殖業を行っていました。後に鮮魚卸売業になります。父の仕事にも興味がありましたが、漁師から消費者に届くまでに多くの業者を介して、漁師にはあまり利益が残らない事に歯がゆさを感じていました。そこを何とか出来ないか?という思いが当時からありました。父親と自分の進路については話し合うことはありませんでしたが、継ぐかもしれないという気持ちが当時からありました。それで、大学は経済学部に進学し、卒業後に越谷にある角上草加に就職、鶴ヶ島の鮮魚センターに勤めることになりました。角上は消費者に商品が届く最終地点になりますが、その前の流通に興味を持ちまして、父の紹介もあり愛媛県宇和島にある会社に再就職しました。

【本紙】 魚のプロを目指したのですか?

休みがない!

【本多】 ここは各地から集められた鮮魚を全国の市場に送る会社でした。そこで働いているときに、東京築地に営業所を開設するという話になって、水産業界を引っ張ってきたような超ベテラン2人について、築地の営業所で5年程働くことになりました。そこでは、宇和島から運ばれてきた活魚を神経締めして、新鮮なうちに関東や東北の市場に送ります。その会社がレストラン事業を展開することになり、社内募集がかかりました。それまでの仕事はほとんど24時間働きっぱなしで、日曜日が休みでしたが、夕方にはもう出勤と、まとまった休みが取れなかったのです。また、弟が飲食業で働いていたということもあって、飲食業界にも興味が出ていたところでしたので、立候補しました。最初は宇和島の魚を使って、鯛めしなどを売るということでしたが会社の方針転換もあり自分が求めていたものから大きく変わってしまった時期でした。そんな時に新橋にある弟の飲食店の従業員が辞めてしまい、お店を閉めようか悩んでいる、と父から連絡がありました。父の紹介でもある今の会社を退職することに悩みましたが、弟の危機でもあり、いい機会だと思って退職して弟の店に入ったのです。

【本紙】 流通から飲食店への転身ですね。弟さんは頼もしかったでしょうね。

「やるなら本気で」と妻友達の輪写真

【本多】 妻からは「大学で経済を学んで、色々あって今度は料理屋に入ることになって大丈夫なの?」と聞かれました。そして、「やるなら本気でやって、5年以内に自分のお店を持ちなさい」と発破をかけられました。それから本格的に魚を扱った料理を勉強しました。以前に勤めていた角上で全国の魚を扱っていたので魚の目利き、味、用途、旬、産地等の知識はありました。その5年の間に弟は浜松町に新店舗を出し、新橋のお店は私ともう一人の板前さんで続けることになりました。ところが、新橋のお店が立ち退きになってしまい、どうしようか?と考えた時が5年目だったのです。そこで独立出店を計画しました。東麻布は住宅街、すぐ近くには麻布十番の繫華街、三田のオフィス街も隣接している場所で家賃、規模共に希望範囲内の東麻布で12年間営業してきました。

【本紙】 どうして辞めてしまったのですか?

幸手に戻ろう

【本多】 東麻布で実際営業してみると、新橋のような集客はなく、寂しいなと思っていました。そんな時に新橋の頃からのお客さんが、よく来てくれるようになって助けてもらったんですよ。それで新橋や浜松町の方に移転出来ないかと考えるようになりました。ところが、良い物件がすぐに出るわけでもなく、条件が良くても家賃が高いものがほとんどでした。私の自宅は幸手でしたが、宇和島の会社に勤めていた頃から、浅草に借りていた住まいがあり、日曜日だけ自宅に戻る生活でした。その日曜には地元の上高野FCというサッカーチームで指導をしていました。それ以外、妻には申し訳ないことに子育てに関与していないのです。長男も中学生になり難しくなる年頃なので、幸手に戻り関われるようにしなければと思っていました。そんな時、サッカー指導中にアキレス腱を切ってしまい、仕事が出来なくなってしまったのです。また、幸手駅西口開発で外構部分に大幅な改造が必要になったのを機会にいっそのこと、住居を別に用意して、駅に近い自宅を改装してお店にしてしまおうと考えたのです。

【本紙】 ご家族との絆が深まりましたね。

家族の協力も友達の輪写真

【本多】 オープン時にはランチとディナーでの営業形態でしたが、豊洲へ仕入れに行く事、愛媛直送鮮魚の処理を考えると継続は難しく、それでランチは辞めてしまいました。ホールスタッフとして大学に通う長女とその友達と、近所に都内の調理師学校に通っている男の子が補助で入り、4名でやっています。また、オープンから妻も自分の仕事が終わってから店を手伝ってくれます。店内の生け花は義母が毎日生けてくれており、妻の兄弟がお客さんを紹介してくれて、出店に携わってくれた業者さん方にも今でもお世話になり皆さんに助けられています。また、魚も実家の父や、漁をやっている親戚からも直送で週に2回、3回ほど送ってもらいます。ですから、当店の強みはチーム力であり、他にはない仕入れ力も負けたくないところです。豊富な魚種や、鮮度も味も見極めた魚をご用意しています。また、コロナ対策も万全で、食事をするところはいずれも個室で4部屋(4名部屋2室、6名部屋2室)あり、他のお客様との接触は避けられるようになっています。6名部屋の方はひとつにすれば最大16名で宴席も可能です。お酒も、日本酒、ワイン、焼酎など魚に合わせ豊富に用意してあります。

【本紙】 今度、予約させていただきます。では、お友達をご紹介ください。

【本多】 上高野FCの代表をしている中村彰宏さんを紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。益々のご繁盛を祈念いたします。(本多さんは非日常を感じていただけるようなお店を目指しているそうです。趣味はサッカーや息子さんとの釣りだそうです。家族の香りもする粋なお店で、旬な料理の奥深さを楽しめそうですね。)

旬彩 本多
埼玉県幸手市南3丁目12-23
TEL0480-53-5157
完全予約制
コース:6,000円 8,000円 10,000円
営業時間:17時30分~22時位まで