友達の輪662号(2023年2月19日発行)
そば処 つるや3代目 槇島 元太さん ひかるさんへ
【本紙】 あとを継がれたのはいつですか?
【槇島ひかる】(敬称略) 両親が現役でやっていますので、まだ継いだわけではなく、修行中という身です。私たちは2019年に結婚して、夫婦でお店に入ったのはそれからになります。
【本紙】 お二人はどちらで出会ったのですか?
オーストラリアで偶然に
【槇島元太】 僕は福島県の出身で、オーストラリアに1年間語学留学したのですが、その留学先で知り合いました。
【槇島ひかる】 偶然ですが、同じ日にオーストラリアに来て、入学した日も同じで、同じ語学学校に入ったのです。この語学学校は英語以外が禁止で、出会ったときはお互いに日本人かどうか確証が持てませんでした。私は日本では語学大学で学んでいたので日常会話程度の英語は話せていたのですが、逆に彼はYes、Noくらいしか話せなくて、語学学校で彼に英語を教えている内に親しくなった感じですね。
【槇島元太】 その彼女は語学学校を3ヶ月で卒業してしまったのです。
【槇島ひかる】 私は留学というよりは、ワーキングホリデーでしたから彼と一緒の語学学校は3ヶ月程でした。あとは現地で語学実践をしながら、ひたすら働いてお金を稼いでいました。(笑)当時のオーストラリアの最低賃金が1,300円位で、しっかり貯金ができました。そのお金を使って、オーストラリア内を旅行していました。
【本紙】 ひかるさんがお金を貯めている間、元太さんは一生懸命勉強していたのですね。いつ帰国されたのですか?
一緒に帰国
【槇島元太】 そうなりますね。僕は、語学の勉強をしようというよりも、他の国の方々との交流や日本以外の生活様式を知りたくて留学したのです。友人もたくさんできましたね。そして、なによりも彼女と出会ったのが一番大きいですね。僕はハウスメイトのところでホームステイをしていましたが、その期限が切れるタイミングに、彼女がお世話になっているホストファミリーで、一緒にお世話になることにしたのです。
【槇島ひかる】 ワーキングホリデーは1年間で、私は帰国してあと1年、日本の大学に通わないといけませんでした。それで、彼の語学学校の卒業と同じタイミングで一緒に帰国しました。
【槇島元太】 僕はオーストラリアにいる間に父の知り合いの郡山にある会社に就職が決まっていました。そこでの仕事開始が3月からでしたので、それに合わせるために帰ってきたのです。
【本紙】 オーストラリアで出会って、もう結婚する感じだったのですか?
遠距離から
【槇島元太】 僕はそのつもりでしたね。色々と話していると人柄って見えてくるじゃないですか。英語を教えてもらっている時は、友達でも恋人でもない距離感だったので、その人となりがよく見えたのでしょうね。
【槇島ひかる】 こんなことを言うのも変ですが、日本に帰ったら埼玉と福島で遠距離になって疎遠になるのではないかと思っていました。でも、結果的にそうはならなかったですね。
【槇島元太】 遠距離に若干の不安もありましたし、また地方と都内の賃金差というのもあり、郡山の会社を退職して、都内で働くようになったのです。
【槇島ひかる】 私は都内にある紙の専門商社に在職し、OLをやっていました。実家から通っていたのですが、結婚する1年くらい前から越谷で暮らし始めました。
【本紙】 実家を継ごうと思ったのは?
【槇島ひかる】 私は3代目になるつもりはなくて、親にも家は継がないと言っていたのです。
【槇島元太】 実は僕が継ぎたいと思ったのです。お義父さん、お義母さんに話をさせていただき、継がせてもらえることになり幸手に戻ってきました。コロナ禍で飲食店は厳しいというのは分かっていましたが、40年以上続いている歴史ある仕事です。お義父さんからは「後継者もいないので、少しずつ規模を縮小して、いずれは無くす」ということを聞いていました。後継者がいないので店を畳むのはもったいないと思ったのが一番の理由です。
【槇島ひかる】 正直、「え、継ぐの?」という気持ちもありましたが、両親もすごく喜んで、せっかく継いでくれるのであれば、自分の家でもあるし、私もついていかなくてはと思いました。
馬刺しを導入
【本紙】 こちらのお勧め料理はなんでしょうか?
【槇島元太】 メニューの種類が多くて、お昼で言うと煮込みモツとまぐろのブツ定食が一番出ます。
【槇島ひかる】 彼は福島の出身ですが、会津の馬刺しをお店に導入してくれたのです。つるやでは馬刺しを導入したことも無いし、導入するつもりもなかったのですが、彼が馬刺しを導入させてほしいとメニュー化しました。
【槇島元太】 一般的に有名な馬刺しは熊本産ですが、会津の馬刺しは赤みが主で、にんにく辛し味噌で食べます。馬刺しは高たんぱく低カロリーです。お客様からも非常に好評で馬刺しだけを食べに来る方もいらっしゃいます。
【槇島ひかる】 夫婦でよく居酒屋を回ったりもするのですが、扱っている馬刺しを見ると九州産か外国産のものです。会津産の馬刺しもあると思いますが、取扱店の少なさも武器のひとつと思います。
夫婦仲良く食べ歩き
【本紙】 趣味はありますか?また、これからの目標は?
【槇島ひかる】 美味しいものを食べるのが好きで、いろいろな飲食店に行きますね。旅行に行く予定を立てる時も、「どこに行きたい」ではなく、「なにを食べたい」で計画します。買い物などで幸手を離れるときには、行先でネットを使って個人でやっている飲食店に行ったりもします。
【槇島元太】 僕は彼女と付き合っていた頃から、理想の結婚生活を考えていて、夫婦仲良く、笑いあえる家庭で老後まで生活できればと思っています。僕の両親がとても仲が良いので、見習いたいですね。お店としては、これからは個人でやっているお店同士、横の繋がりを大事にして、幸手市自体を盛り上げていかないと、人口も減っていき最悪の場合、幸手市がなくなってしまうという可能性もあります。自分たちだけでなく地域全体で盛り上げて、来てもらう動きに変えていく必要があると思います。特に個人店はそうしないと生き残れないと考えるようになりました。
【本紙】 ありがとうございました。では、お友達をご紹介ください。
【槇島ひかる】 パチンコ店「チャレンジャー」を買い取って経営されている、小田原史朗さんを紹介します。
【本紙】 益々のご繁盛をお祈りします。(お二人は留学中に知り合った世界の友人達とのお付き合いも続いていて、その人達が来日すると観光案内もしているようです。お店ではご両親も現役だそうですが、初代のお婆ちゃんも一緒にお仕事されているそうで仲の良い家族と感じました。)
そば処 つるや電話番号 0480-48-1037
幸手市大字下吉羽1566
※営業時間 11時〜15時、17時〜21時
※定休日 毎週水曜・第二木曜