タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪665号(2023年4月9日発行) 
ffee & co. The Coffee Shopオーナー 鈴木英行さんへ

【本紙】 こちらはいつオープンされたのですか?

【鈴木】(敬称略) 以前私は車での移動販売を関東一円で行っていました。いつか、お店を構えようと思っていたのですが、先立つものや信用がなかったのです。それで、出来ることからやっていこうと思い、たまたま持っていたワゴン車をお店として改装するところから始めました。他に同じことをやっている知り合いがいましたので、その人からノウハウを教わって妻と二人で移動販売の車作りからはじめました。移動販売は9年程やっていました。このお店は2015年の6月10日にオープンしました。どうして幸手の地でオープンしたかといいますと、cimaiさんというパン屋さんのところでコーヒーの移動販売をしていたので通いながらこの物件に巡り合ったのです。

【本紙】 色々なところに行かれたのでしょうね。

コーヒー文化に触れ

【鈴木】 そうですね。色々と行きましたね。基本的に関東一円でしたが、関西まで行ったこともありました。私はコーヒーに対するコンセプトがありまして、現在のお店もそうですが、20年前から『自分でコーヒー豆を焙煎して一杯のコーヒーを作る』ということをずっとやってきました。コーヒー屋さんをやろうと思ったのが20代後半の頃です。この頃、コーヒー文化に触れる機会があっていいなと思ったのです。もちろん最初は経験や知識はありませんから、レストランに就職してコーヒーのことはもちろん、社会のことも教え込まれました。そんな中で、常に自分なりにコーヒーをどう創り上げていくか、というものを持っていました。今思えば、細かい技術的なことは別にして、ずっと同じことを続けてきているということが良かったのかなと思います。

【本紙】 店名のffee&coにはどんな由来があるのですか?また、モダンな雰囲気の店内ですが、デザインにはコンセプトがあるのですか?

良いものは良い友達の輪写真

【鈴木】 店名を考えれば考えるほどもっともらしい名前しか出てこなかったのですが、どこかしら崩していきたいという考えがありました。「&co」という響きが好きで、「&co」の前にコーヒーのffeeを持ってきて、「なんて読む?フィー&コーか」という感じになりました。それだけだとコーヒー屋さんと分からないかもしれないので、あとにコーヒーショップを付けました。海外の方が来店されたときに、ユニークな名前だとほめていただきました。店づくりのコンセプトは考えていませんが、この建物を借りて、店内を改装する際にプロに図面は引いてはもらいましたが、だいたいのことは自分たちでやってしまいました。ですから、オープンまでにずいぶん時間はかかってしまいました。お客様から扉や陳列棚もおしゃれと言われることもありますが、昔からの定番で良いものというのはいつの時代でも良いものだと思うのです。そういうところを考えますので、今の時流に乗っているようなものはあまりチョイスしないですね。自分が見ていいな、と思った物を揃えているだけです。あまりゴテゴテしていないので、たまに殺風景だと言われることもあります。(笑)

【本紙】 どんな豆を仕入れているのですか?

時流に流されず

【鈴木】 2000年代にコーヒー業界にサードウェーブという新しい概念が入ってきました。サードウェーブの特徴は、種子から1杯のコーヒーに至るまでの過程が明確であること、トレーサビリティ(追跡可能性)が明確であることです。コーヒー豆が大量生産された時代、生産者が正当な対価を受けられないことが問題視されました。しかし、コーヒー豆の品質が重視されるようになった今日では、コーヒー豆の価値に対して正当な利益を守る取り組みが増加しつつあります。また、サードウェーブコーヒーはコーヒー豆本来の個性を重視するため、浅煎りが多くなりました。その流れの中でおしゃれでドリップしてコーヒーを淹れるサードウェーブですが、実はそういったものは私の中にはありません。正直に言うと私はサードウェーブという時流には乗っていません。豆の取引には商社が入る形になりますが、最近ではコーヒー豆をブランディングして、しっかりと付加価値を付けた上で私たちのようなショップに案内してくれるようになっています。その中から私たち自身で良いものを吟味して選ぶということになりますが、私がコーヒーに関心を持った時から今までずっと続けていることです。

【本紙】 コーヒーは何種類扱っているのですか?

守破離の気持ち友達の輪写真

【鈴木】 ブレンドで3種類、ストレートで3種類に加えてアイスコーヒーです。ブレンドは自分のイメージの中で、一番オーソドックスな国の豆をまとめて癖もなく一杯のコーヒーとして飲んでもらえるようにしています。ただ、今あるコーヒー豆はどれも付加価値もついてクオリティも高いものばかりなので、ブレンドしてしまうと逆にもったいないと感じてしまうのです。コーヒーには違いを楽しむという文化が強いので、そういう面で見たらわざわざブレンドしなくてもいいのではないか?と思うこともあります。お客様から見れば、ブレンドには可もなく不可もなく、外れがなくて安心というイメージもあるかと思います。また、当店のこだわりの一つですが、コーヒーの抽出方法も自分たちで試行錯誤してきました。お店で出すコーヒーに対して、どうやったらぶれなく美味しいものを出せるかを考え、ドリップやサイフォンなどの抽出方法をいったん全て脇に置いて、コーヒーと向き合ってどういうものを作ればいいか考えました。あとから武道をやっている人から「守破離」という言葉があると聞いて、自分の中で勝手にそれと結びつけてしまい、まさに「守破離」の境地だと思ってしまいました。その結果、浸漬式(しんし式)という抽出方法でやっています。浸漬式は一定時間お湯にコーヒーの粉を漬け込むことでコーヒーを抽出する方法です。最後にネルドリップで粉や余計な雑味を取るのです。とても簡単な方法ですが、一粒のコーヒーを一杯のコーヒーにするまでの作業を一貫させているという自負はあります。かといって、一から十までガチガチにこだわって気難しくやっているわけではないので、気軽に来店していただければと思います。

【本紙】 では、お友達をご紹介ください。

【鈴木】 お客様でもあるRecovery Conciergeの代表である宮杉憲佳さんを紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。これからもおいしいコーヒーを楽しませてください。(鈴木さんはとても穏やかな明るい方で親しみやすく感じました。)

ffee & co. The Coffee Shop
埼玉県幸手市緑台1丁目26-23
TEL:0480-43-1220
定休日:水曜定休
営業時間:10:00~18:30LO・19:00閉店
(10:00~12:00までモーニングセットあり)