友達の輪667号(2023年5月7日発行)
株式会社小林工業 代表取締役 小林 達也さんへ
【本紙】 この仕事を始めたきっかけは?
【小林】(敬称略) 元々はペンキ屋さんでした。ただ、ペンキの仕事は波があり、仕事がある時期とない時期がありました。仕事がない時期に、たまたま同級生の宮杉さんと極楽湯に行ったのですが、そこで宮杉さんの知り合いの外構屋さんと出会ったのです。私の体格を一目見て「うちでバイトをしないか?」と誘われました。仕事もない時期でしたし、アルバイトだったら気楽に辞められるだろう、と思って引き受けました。そうして始めた最初の仕事が大手スーパーの現場で、営業時間外での作業ですから夜勤業務でした。2週間位と聞いていましたし、アルバイトですから、工事が終われば辞められるかな?と思っていたのですが、仕事がめちゃくちゃきつかったのです。仕事は素人でしたし、いくら力に自信があると言っても、普段やったことのないことをやるので余計に疲れるのです。例えば、穴を掘るのも土遊びでスコップ使って掘るのとは訳が違います。穴を掘るくらい誰でも出来ると思いますが、これを一日ずっとやっているとかなりきついのです。
【本紙】 機械を使ったりはしなかったのですか?
まじ、きつかった
【小林】 本当なら使うのでしょうが、あえて使わせなかったのだと思います。そして、2週間が過ぎアルバイト終了かなと思っていましたが、「いつ辞めさせてくれるのですか?」と聞くのも不自然なので、3カ月経ってしまったのです。何回目かの給料日だと思いますが「慣れたか?」と言われました。思わず「慣れましたね」と返したのですが、それでもうそのまま勤めるような感じになりました。3ヶ月は試用期間だったようなもので、それ以降は給料も上げてくれましたね。自分でも「塗装の方に戻らなくてもいいかな」とか、「これだけきつい思いをして辞めるのももったいない」と感じそのまま業界入りしたのです。また、辞めなかった理由のひとつは、宮杉さんの紹介だったというのもあります。こっちの都合で辞めてしまったら彼の面子を潰すことになってしまいますから。宮杉さんからの紹介でなかったらすぐに辞めていたと思います。それくらいにきつかったですね。(笑)
【本紙】 現在の基礎を学んだわけですね。
離婚覚悟で(笑)
【小林】 そうですね。実はその会社は、ある一定の工事までしかやらない会社で、私としては部分部分だけでなく、全部をやれるようになりたい、と思うようになっていました。独立云々は別として「ここしか出来ないのか?」と思われるのが嫌だったのです。それでも、2年間お世話になり、外構工事のすべてをやれる会社に自ら電話して、面接を受け移ることにしました。ここでも2年間お世話になりました。仕事をしていて楽しかったですね。そして、ある時、会社にいたひとりの子が別の会社の人と仲が良くて、手間受けの話が出たようです。完全歩合制で、ブロックひとつ積んでいくらとか、コンクリートも1平米あたりいくらという感じの仕事です。今まで日当、月給だったものが自分のスキル次第で稼ぎを増やすことが出来るのです。それをやってみないか?と誘われたのです。貯金を全部はたいて道具を買ってのチャレンジです。妻にも相談したら、一ヶ月で結果を出さなかったら離婚と言われました。自分では出来るだろうと思っていましたし、出来高なのでやればやるだけ収入も増えていきましたね。
【本紙】 メインはどのような仕事ですか?また、これからやってみたいことなどは?
家族を大事に
【小林】 外構工事やエクステリア工事と5年前から解体工事も請け負うようになりました。解体工事業をやっていた仲の良い後輩が仕事を辞めて地元に戻ってきて、うちで働きたいというのです。最初から外構工事を覚えても仕事が出来るようになるまで時間がかかります。であれば、後輩が持っている解体工事のノウハウをうちの事業に組み込んでしまおうと思ったのです。今後のことですか?実はあまりそういったことは考えていません。日々、生きていければいいと思いますし、お金もあればいいのかもしれませんが、ありすぎても使いきれないですしね。若い頃は向上心もありましたし、お金を稼ぎたいという欲求はありました。家族などさておいて、とにかく仕事という時期もありました。しかし、うちの下の子に障がいがあると分かった時に、仕事の為だけに生きていくよりも、その子の為だけに時間を作ってあげたいなという感じに気持ちが変化しました。あれもこれもと手を付けていくと、忙しくなってしまって、家も子供も疎かになってしまうと思ったのです。
【本紙】 家族あっての仕事ですよね。お部屋に飾ってある絵が気になるのですが、お上手ですね。
絵が好きな子どもたち
【小林】 あの絵は上の子が描いたもので、表彰されて市の展示にも出させてもらえました。私は絵が全然ダメですが、私が言うのも何ですが、二人の子どもたちは上手ですね。下の子は教育長から「涙が出てくるような絵」ということで作品賞をいただきました。そこに絵を描いた紙がいっぱいありますが、スイッチが入ると取りつかれたように絵を描き続けるのです。面白いので捨てずに取ってありますが、いつかそれをまとめてみるのも楽しいかもしれません。また、ブロック塀に描いた絵をプリントアウトしてデザインしてみるというのも考えたこともあります。うちの子に限らず、親は障がいがあると将来働けるかどうかという心配があると思います。そういう子どもたちが輝ける場を作れて、尚且つ働ける環境が出来ればいいですね。
【本紙】 ご趣味などは?
【小林】 キャンプと海釣りですね。釣り好きなのでキャンプも海でしたいと思いますが、仲間内で釣り好きがいないので山キャンプになってしまいます。暑いときは山がいいですが、寒いときは海と思います。房総の方に家族でよく行きますが、冬でも最低気温は6℃とかですから。釣りに関しては海だけです。船釣りも投げ釣りもやります。船の免許も持っていますし、どちらかというと船の方が多いですね。今の時季なら鯛が釣れますよ。ただ、私はあまり鯛が好きではないので、好んで釣りに行ったりはしません。ちょっと前までならイカを釣っていました。その時たまたま雑誌の方がいまして、私が最初にイカを釣ったということもあり、雑誌に大き目に掲載させていただきました。
【本紙】 この雑誌ですね。では、お友達をご紹介ください。
【小林】 妻のママ友でもある武石純子さんをご紹介します。消しゴム判子の講師をやっている方です。
【本紙】 ありがとうございました。
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