タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪674号(2023年8月20日発行) 
May’s garden代表 野川 真理子さんへ

【本紙】 May's gardenはどのような活動をされているのですか?

【野川】(敬称略) フードパントリー(無料食料配付会)を軸に、子ども食堂や、体験機会を提供しています。何らかの理由で不登校や引きこもりになってしまったり、障がいや病気があってなかなか表に出てくることが難しくなってしまった子どもや保護者に、地域社会との繋がりをつくり、自尊心を育んで輝いてもらおうと活動しています。団体名称のMayの語源はMightyで、やれば出来るなど可能性を表す意味でつけています。子どもたちの可能性はもちろん、活動に関わる皆さんの可能性も大切にしています。

【本紙】 子どもたちというと、対象はどれくらいまでですか?不登校や引きこもりというのは、外からは見えにくいですよね。そこはどう対応されるのですか?

子どもたちを支援

【野川】 今はヤングケアラーなどでも、幅広い定義で子どもとなっていますが、当団体では0歳から18歳(高校生)までの子どもがいて、児童扶養手当や、ひとり親家庭等医療費を受給している生活困窮世帯を主な対象として支援しています。数年前に参加した子どもの貧困の勉強会で、生活困窮は複合的な要因で生まれていて、特に、児童扶養手当や、ひとり親家庭等医療費を受給中の世帯は家庭内に複数の問題を抱えているケースが多いことを知りました。何かできないかと思い、私たちは子育て応援フードパントリーという活動を始めたのです。最初は勉強会で講演された埼玉県庁の職員さんからフードバンクやフードパントリーをやっている方を紹介していただきノウハウを学びました。フードパントリーのチラシはウェルス幸手内の、こども支援課(幸手市では児童扶養手当やひとり親家庭等医療費受給者証をこども支援課が発行)や社会福祉協議会の窓口付近と情報コーナーに置かせてもらい、食料支援を受けたい方の目に触れやすくなるようにしています。

【本紙】 いつからスタートされたのですか?月にどれくらいやられているのですか?

プライバシー重視友達の輪写真

【野川】 2019年5月に立ち上げ、6ヶ月ほどの準備期間を経て、2020年2月からフードパントリーを始めました。定期開催は2ヶ月に1回で、偶数月の連続する第一土日に予定を組んでいます。当団体指定の場所に受け取りに来ていただく形で、開催場所は関係者以外非公開としています。利用されている方の中には、同じような境遇で安心するという方もいますが、利用していることを知られたくないという方もいらっしゃいます。デリケートなところなので非公開です。活動開始間も無くコロナ禍に入ってしまい、近隣の子ども食堂は会食を控えるために活動を休止するところが多かったのですが、そのような時だからこそ必要な活動と考えた私たちは、詰め合わせた食品をドライブスルー方式でお渡しするなど、出来る限り接触を避ける工夫をして活動を続けました。

【本紙】 どれくらいの方が利用されているのですか?

【野川】 立ち上げ当初は8世帯への支援から始まり、現在の登録世帯数は60世帯ほど。そのうちの50世帯くらいがコンスタントに利用されています。幸手市の児童扶養手当の受給世帯は300世帯程とのことですから、その5分の1くらいの世帯とつながっています。また、埼玉フードパントリーネットワークと埼玉県子ども食堂ネットワークという県域ネットワークにも加盟し、活動における工夫の情報交換や寄贈食品を運営団体同士でシェアしています。直近では、埼玉県の夏休み期間中の子どもの食を支援する事業の情報提供がありました。県から当団体にパックご飯やレトルトカレーなど子ども100人分(1人あたり12食、合計1200食分)を提供していただくことができ、非常に助かっています。

【本紙】 フードパントリーがもっと広がるといいですね。

民間にも広げたい

【野川】 そうですね。県域だけでなく、市町村域で広がればいいなと思います。私たちは、食品の寄付などを市民の皆様や企業から頂くフードドライブもやっています。賞味期限まで2ヶ月以上あり、未開封かつ常温保存ができるものが対象となります。お酒などのアルコール類は受け付けていません。幸手市が主催のフードドライブキャンペーンも年に2~3回ほど行われておりますが、幸手ショッピング1階のパン屋プルミエールさんや幸手駅前の大手コンビニさんが、常設型フードドライブボックスの設置に協力してくださっています。貰いすぎて消費できないお中元やお歳暮、買いすぎてしまったものなどがありましたら、ご寄付いただければ幸いです。

【本紙】 行政施設でもっと設置協力していただけるといいですね。民間でフードドライブに協力したい場合はどうすればいいですか?

【野川】 そうですね。例えば、お隣の久喜市では郵便局や市の公共施設にフードポストを常設し、食品を回収しています。民間企業さんのご協力は非常にありがたいので、気軽にMay’s gardenまでご連絡いただければと思います。

【本紙】 ボランティアですから、本当に大変ですね。なにか趣味などありますか?

気分転換も友達の輪写真

【野川】 昔はモダンバレエを24年くらいやっていました。今はたまにホットヨガに行ったり、有機農業を少し学んだので田んぼや畑の土いじりをしています。実家が農業や不動産業をしていたこともあり、農家の方から農地をなんとか出来ないか?という相談もよく受けていたことがきっかけで通った、社会人向けの農業ビジネススクールでの巡り合わせが、埼玉県の職員さんと知り合った子どもの貧困勉強会や、フードパントリーや子ども食堂に継続的な支援をしてくださるや農家さんとの出会いにもつながっています。

【本紙】 これからやってみたい、ということはありますか?

【野川】 幸手市内にはフードパントリーが1ヶ所、子ども食堂が3ヶ所ありますが、近隣市町と比べると数が少なく尚且つ必要なエリアに足りないと感じています。子どもたちが歩いて行ける範囲に、ここに行けば学校や親以外にも頼れる大人がいるという、安心して過ごせる居場所等を増やしていきたいです。

【本紙】 では、お友達をご紹介ください。

【野川】 昔、父がやっていたテニススクールを引き継いでくれた「石井真テニスアカデミー」で指導をされている小堀正敏さんを紹介します。

【本紙】 地域の子どもたちに豊かな未来を紡いでいただきたいですね。益々のご活躍に期待いたします。(野川さんの本業は不動産業で宅地建物の取引をされていますが、いつのまにか、本業とボランティアの比率が逆転してしまったようです。地域に必要なとても頼もしい方です。)

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