タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

サイトマップ・個人情報取扱いについて
  • トップ
  • 友達の輪
  • タウンプレスとは
  • タウンプレス最新号
  • 会社案内
  • 特集号
  • 学校新聞
  •  
  • 読売新聞

友達の輪680号(2023年11月19日発行) 
のぐちフルート音楽教室 フルート指導・演奏家 野口 美穂さんへ

【本紙】 音楽はいつからやられているのですか?

【野口】(敬称略) 私が育った我が家ではいつも音楽が流れていました。特に父と祖母は演歌が好きで、NHKの「のど自慢」は私も必ず観ていて、「誰が合格するのか」を当てる楽しみ方をしていました。そんな風に幼い時から音楽に親しんできたので、近くのピアノ教室で習ってみようと幼稚園の年長からピアノを始めました。小学校までやっていましたが、中学で吹奏楽部に入部したのをきっかけにピアノから離れました。

【本紙】 ピアノから吹奏楽部ですか。

音が出た!

【野口】 小学校高学年の時に音楽祭があり、うちのクラスが選ばれ「花まつり」という曲を演奏したのですが、曲の初めと終わりにリコーダーソロがあり私が選ばれたのです。演奏会後、多くの保護者から「良かった」「感動した」という声を頂き、初めて人に感動を与えられたことがとても嬉しかったのです。それで中学では吹奏楽部に入り、同じ笛ということでフルートを選びました。フルートは人気のある楽器で2人選ばれますが、希望者が5、6人いて演奏試験で先輩から「音が出ればいいよ」と言われて吹きましたら、私は上手く音が出たのです。それで認められてフルートを担当することになりました。1年生の時は、先輩方は大会のための練習、私たち1年生は曲の練習ではなく基礎練習をしていました。基礎練習ばかりの毎日でしたので、1年生の頃はモチベーションが上がらないなか、私は先輩たちの合奏を聞きながら外で一生懸命自主練をしていました。その熱意が顧問や先輩にも届いたようで熱心に指導していただき、フルートも上手くなるのが実感できて嬉しかったです。吹奏楽があるから学校に行っていたというぐらい夢中で楽しかったです。3年生の時、県大会に出られたのですが、同時に受験も迫っていました。音楽の先生から、「あなたは音楽をやっているときが一番楽しそうだから、専門的にやってみたら?」と提案されました。そのとき、初めて専門的に音楽を学ぶ場があることを知ったのです。それで、受験のためフルートを専門的に学ぼうと教室に通うことにしました。

【本紙】 音楽の道を歩み始めたのですね。

フルート一筋友達の輪写真

【野口】 おかげで松伏高校(音楽科)に進学しました。高校生活は楽しいことが沢山あると思いますが、私は吹奏楽部にも入り音楽一筋で練習していました。北海道で吹奏楽の東日本大会が行われ、そこで1位を取ることも出来ました。それで、さらに音楽の勉強をしようと武蔵野音楽大学の器楽学科を進路に選び、4年間フルートの勉強に努めました。卒業を控え就活する時、音楽と同じくらい子供が好きで、保育士さんになりたいと思ったのです。それで、音楽を続けながら子供にも関われる学童保育に就職しました。私は音楽だけでここまで来たこともあり、子供たちに「何かひとつでも得意なものがあればいいんだよ」というのを教えたかったのです。学童の子供たちは両親共働きが多くて、寂しがり屋な子が多いのです。そういう子供たちの母親代わりにもなりたかった気持ちもありました。結婚を機に退職するまで4年間勤めましたが、子供たちから得るものも大きく、非常に良い経験になりました。学童の頃から友達の演奏会などにも出ていましたが、辞めてからはフルート教室など再び音楽一筋でやっていくことにしました。

【本紙】 ご家族は?

音楽でコミュニケーション

【野口】 主人と4歳の娘がいますが、実は娘は発達障害です。まだ、言葉も出なくて、療育という児童発達支援サービスを利用しています。1歳、2歳の頃はまったく子供とコミュニケーションが取れなくて、なにをしても無反応でした。この子はどうやったらコミュニケーションが取れるのだろうと今も悩んでいますが、方法のひとつが音楽だったのです。娘は「おかあさんといっしょ」が大好きで、番組で流れる音楽に合わせて私が歌ったら反応してくれたのです。そこから音楽に合わせて手を叩いたり、体を揺らしたりするのが出来たときは感動しました。私自身、音楽をやってきたにも関わらず音楽でコミュニケーションが取れるというのを知らなかったのです。それを娘のおかげで知ることが出来て、それなら同じような子たちにも音楽で伝えられることがあるのではと。まだ行動には移せていないのですが、なにかやってみたいと考えています。

【本紙】 発達障害と分かったときはびっくりされたのではないですか?

音楽で繋がった友達の輪写真

【野口】 そうですね。赤ちゃんの頃から違和感はありました。抱っこしても全く泣き止まなかったり、前抱っこが駄目だったり。周りからは「まだ赤ちゃんだから」と言われましたが、私自身としては「あれ?」と思うところはありました。でも、発達障害と分かってからショックや悲しいという気持ちよりも、この子を育てないといけないという気持ちが強くなりました。子供が出来ずに不妊治療をしようと思った矢先の子でしたからなおさらでした。でも、娘の言葉が出ないということと、娘とどうコミュニケーションを取ったらいいかについては今も現在進行形ですが、唯一娘と繋がった瞬間が音楽でした。身振り手振りも出来ない娘が一緒に歌うと反応がしっかりと返ってくるのです。

【本紙】 音楽でコミュニケーションはどう行うのですか?

【野口】 例えば、「大きな太鼓♪」と歌うと「ドーンドーン」と叩く仕草をしてくれます。全くコミュニケーションが取れなかった娘が歌を通して、コミュニケーションが取れるようになり、音楽の新しい可能性を知ることが出来ました。私が子供の頃、音楽に惹かれた事と似ている気もします。娘ももしかしたら音楽で色んなことを覚えていってくれるのではないかと期待しています。いつの日か娘と一緒に演奏会に行ったり、私の演奏を聞いてもらうのが将来の夢です。

【本紙】 娘さんから音楽への生き方を学んだようですね。好きな曲とかありますか?

音楽の可能性

【野口】 そうですね。子育ても楽しくなってきました。機嫌が悪かったらとにかく歌ってあげたりしています。それで機嫌が戻らないときもありますが、それでもひたすら歌ってあげるのです。そうすると、徐々にノッてくれます。最初に好きになった曲は、「おもちゃのチャチャチャ」でした。今でもチャチャチャの部分に反応してくれます。聞いていないようで聞いていると思いましたし、歌と一緒に合わせられるので感動と同時に音楽の可能性を知りました。

【本紙】 では、お友達をご紹介ください。

【野口】 児童発達支援に勤務されている黒川翔太さんを紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。(野口さんは音楽一筋に歩んでこられましたが、子育てをする中で、音楽に励まされたり、音楽の力を実感されたそうです。音楽は素敵ですね。)

のぐちフルート・ピアノ教室