タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪686号(2024年2月18日発行) 
オートレーサー 髙橋 義弘さんへ

【本紙】 オートレーサーはいつからですか?なろうと思ったきっかけは?

【髙橋】(敬称略) デビューが22歳でした。20年位前になりますね。父がオートレース好きで、小さい頃からよく連れられていました。その影響ですね。最初の頃は夢というより憧れの職業でした。私自身なれるとは思っていませんでした。試験も実は自分から申込んだのではなく、私が専門学校時代に「父が受けてみろ」という感じで持ち込んできたのです。それで受けたのですが、案の定落ちてしまいました。それからも父とレース場には通っていましたら、一緒に試験を受けて合格した人たちが新人として紹介されたのです。それを見て、合格していたらあそこにいたのだなと思いました。試験は2年に1回ありますので、また挑戦しようと思ったのです。この間、就職していましたが、2回目の試験で無事に受かったので会社を辞めました。実のところ自分自身、受かるとは思っていませんでした。倍率も高い時は50倍もありました。2回目で落ちたら次は受けなかったでしょうね。試験は学科と適性検査です。意外かもしれませんが、実技はありません。3次試験まであり、2次が面接でした。3次は養成所に入る段階でつくばサーキット内にありました。

【本紙】 養成所での生活はどんな感じでしたか?

完全遮断の養成所友達の輪写真

【髙橋】 毎日のようにバイクにひたすら乗って走っていました。中にはバイクに乗ったこともないような人も入ってきたりします。実は私もバイクは原付しか乗ったことがありませんでした。養成所の期間は10ヶ月でしたが凄くきつかったです。10か月間ほとんど休みなしで、携帯も持つことは許されず、外部と完全に遮断されていました。家に帰れるのは盆と正月くらいでした。悪いこともしていないのに、捕まったような感じでしたね。(笑)事前に養成所のビデオとかを見ていて予習はしていたつもりですが、実際は想像をはるかに超えるきつさでした。毎朝6時に点呼があり、それから1時間くらいランニングや筋トレが始まります。あとは実践練習や整備訓練もありました。体力的にも、もちろんですが、外にも出られないし、誰とも接触できない事でメンタル面が特にきつかったです。実際のレースになれば、開催中は会場に缶詰めですから、その為の訓練でもあるのだと思います。これはオートレースに限らず、競馬・競艇・競輪などどれも似たような状況になると思います。

【本紙】 どれくらいのレースに出るのですか?失礼な質問ですが基本給とかは?

賞金王は一億超え

【髙橋】 月1回開催で期間は3日間~5日間くらいになります。その中で走るのは1日1レースです。5日間開催の場合、前日が検査日となりますので、それを含めて6日間レース会場に缶詰めになります。予選から始まって、勝ち上がっていけば準決勝、そして優勝戦と上がっていきます。最初の方で負けてしまうと一般戦回りになってしまいます。そうすると、やっぱり賞金も下がってしまいます。賞金の他に日当や出場手当もあります。勝ち上がっていけば、プラスアルファで貰える額が増えていきます。実力さえあれば年齢関係なく稼げる仕事ではあります。賞金王までいくと年間で1億円を超えるレーサーもいます。もちろん、それは一握りの実力者の話ですが。守秘義務の遵守も必要ですし、その為、レース期間中は外部との接触が禁じられるのです。

【本紙】 全国のレース場に行かれるのですか?仕事で辛かったことなどは?

怪我が付き物友達の輪写真

【髙橋】 私の所属は川口ですが、全国のレース場に遠征もあります。いろいろな場所に行けていいなあとか思われますが、レース場のある所は他に何もない所が多いのです。この間まで山口県に行っていましたが、山陽というところでなにもない所です。福岡にもレース場がありますが、炭鉱の町で有名な飯塚というところで、やはりなにもありません。博多まで1時間位かかる場所なので、旅気分を味わうには帰りに博多に立ち寄るしかありませんね。他に群馬、浜松などにもレース場があります。辛かったのは怪我ですね。養成中に左手首骨折での手術したこともありますし、30代の頃にも左足首骨折し、手術をしました。前走者の転倒に巻き込まれてしまったのです。この仕事は大怪我が付き物ですが、私はまだ少ない方だと思います。

【本紙】 得意な走法はあるのですか?

【髙橋】 前のバイクを抜くには、外側からか内側からの二択になるのですが、若いときはイケイケだったので外から抜きにかかることが多かったですね。今は内側から行くことの方が多いです。立ち上がりの際に内側に切り返すのが基本ですが、そのときに接触してしまったりするのです。抜かれまいとブロックする選手もいますが、ルールがきちんとありますので、審判員の方たちが厳しく目を光らせています。反則をする方も故意にやっているわけではありませんので、判断は難しいところですが、明らかに悪質と分かる場合は失格もあります。

【本紙】 危険ですね。レーサーになりたい人がいた場合、どこに相談すればいいですか?

【髙橋】 HPの方に選手募集の窓口があると思います。以前は2年に1回の募集でしたが、今は1年に1回の募集となっています。年齢制限も、私の時は18歳~23歳まででしたが、私の後の期から年齢制限が撤廃されました。

【本紙】 G1レースにも3回優勝されていますね。優勝回数はどれくらいになりますか?

【髙橋】 優勝回数は12回です。勝ち続けていくというのはやはり難しいです。生涯1000勝を達成するレーサーがいますが、本当に凄いことだと思いますし、速いレーサーでもなかなか達成することは難しいですね。

【本紙】 これからも怪我無く優勝回数を重ねて下さい。では、お友達をご紹介ください。

【髙橋】 幸手のサッカーチームで指導をしている渡辺明さんを紹介します。私の子どもも指導を受けていました。

【本紙】 ありがとうございました。ご活躍を楽しみにしています。(レースがないときは気分を変えてご夫婦でゴルフを楽しんだりしているそうです。ハードなレースですが勝負師とは思えない素敵な雰囲気の方でした。川口オートレース場に地元幸手の選手を応援に行きましょう。)