タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪692号(2024年7月7日発行) 
落合ブロック工業代表 落合 和美さんへ

【本紙】 落合ブロックはいつ頃に創業されたのですか?

【落合】(敬称略) 私が20代後半の頃開業しました。もう25年くらい前になります。以前は別の会社に勤めていましたが、そこから独立した形になります。

【本紙】 お仕事はどのようなことがメインなのですか?

【落合】 当社は住宅の外回りに関する工事全般を中心にやっています。今は弟とふたりでやっています。今年の3月まではスタッフがもうひとりいたのですが、年齢的に厳しいということで退職されました。体力仕事でもありますし、夏場はずっと外にいるからこれからの時期は大変厳しくなります。ブロックの仕事と言うと大抵の人がブロック塀を想像されるかと思いますが、もちろんそれだけではなく、カーポートやガレージ、物置など家の外にあるものは全般的に取り扱っています。逆に室内の物は全く手を触れません。それはまた別の業種になります。ただ、屋外での仕事になりモルタルやコンクリートを扱いますから、雨が降ってしまうと水で薄まってしまう可能性があり、強度が落ちてしまうので雨天時の仕事は止まってしまいます。今年は梅雨入りが遅いので雨による中断は少ないですが、これからの時期は工期をそれなりに長く取ってもらえると助かります。

【本紙】 鳶組合に入っているそうですね。

鳶組合友達の輪写真

【落合】 はい。加須鳶組合に入っています。本来は鳶職専門の会なのですが、伝統を繋いでいくために会を作っているのですが、人数不足もあり私の義理の弟が加須の鳶組合に在籍していたこともあり声をかけられました。彼は私が中学時代に体操部だったということを知っていたので、それだけで梯子とかに乗れるのではないかと言われて、それがきっかけで鳶組合に加入して現在まで活動しています。体操部のことですが、実は一年間しかやっていなかったのですが。(笑)それから、かれこれ加入して12年~13年になりますが、鳶組合でのデビューは40歳で梯子乗りとしてはかなり遅い方でした。鳶としてのお披露目は加須の出初式やお祭りでしていました。私は46歳くらいまで梯子に乗っていて、それ以降は若い世代に譲りました。

【本紙】 木遣りを歌ったりもしますよね。発声練習とかするのですか?

【落合】 鳶職では、梯子乗り、纏振り、木遣りという3つの伝統を守っていくことが主流となっています。今でも全部続けています。特に木遣りは扇子を用いて、みんなでリズムを取って練習したりします。この、木遣りは地区によって変わってきます。その地域、地区で伝承されながら発展していくものですから、どこかで聞いたことがあったとしても微妙に違っていたりするのです。木遣りの歌詞には意味があります。大抵が祝いの言葉になります。昔は弔いのための木遣りもあったそうですが、今はもうそういったものはないかと思います。

【本紙】 幸手では見ないですね。練習も週に何回や月に何回とかあるのですか?

お披露目は出初式

【落合】 残念ながら幸手にはないようです。この周辺ですと唯一加須になります。上っていくと春日部にもありませんし、先に行って越谷には存在します。幸手にない理由はわかりませんが、恐らく鳶自体が出来ていないのだと思います。もし、幸手にあったとしたら私は加須の組合には入れてもらえなかったですね。他のところとの掛け持ちというのは出来ないのです。練習ですが、今となっては披露するところは年に1回の出初式くらいしかありません。ですから、そんなに頻繁に練習することもありません。出初式に向けて10月~11月くらいを目処に練習するようにしています。デビューの方がいると2ヶ月から3ヶ月くらいの練習期間が必要になってきますが、乗った経験のある人だけなら12月からの練習でも大丈夫です。練習というよりも、勘を取り戻すみたいな感覚ですね。

【本紙】 梯子に引っ掛けるような道具がありますよね?また、梯子上での動きに型はあるのですか?

びびると震える友達の輪写真

【落合】 よくご存じですね。梯子は手で押さえるのではなく、鉤という道具を使って抑えるのです。12人で梯子1本を支えるので12本必要になってきます。ちなみにその鉤は今の消防車にも装備されています。12人でしっかり梯子を抑えているように見えますが、実際のところはめちゃめちゃ揺れます。でも不思議なことに、上手な人が乗ると全く揺れないのです。梯子の高さが三間半(約6メートル)くらいありますから、乗っている人がびびって震えていると、梯子を抑えている12人にもそれが伝わってくるのです。危険な技ですので、私は落ちたことはないのですが、落ちるところを見たことはあります。練習では大丈夫でも、本番の緊張で手が滑ってしまったり、体が思うように動かなかったりというのがあるのではないでしょうか。3年くらい前に加須の出初式で落下事故があり、次の日から披露することが出来ないかもしれないという事態になってしまいました。加須の市役所を始め、色々なところが絡んでいますし、そういうのを目の当たりにしてしまうと市民からの批判も出てきたりして、続行の判断も厳しくなってくるのでしょうね。昔だったら、ちょっと怪我したくらいや、絶対に落ちないというわけではない、という形で収まったでしょうけど、今はそういうわけにもいかなくなっています。型というか基本の技として遠見というのがありまして、意味としては梯子に乗って火事がどこにあるかというのを見つけるというものです。一本遠見や二本遠見と種類があります。

【本紙】 お祭りや鳶には伝統を感じますね。ご趣味などは?

【落合】 鳶職の会は埼玉県内12支部ありますが、50周年ということで、大宮の氷川神社に今年奉納させていただきました。趣味では釣りが好きですね。長野の斑尾高原にあるブルーベリーポンドによく行きます。今年も7月後半くらいに仲間と一緒に泊まりで行く予定です。

【本紙】 楽しそうですね。では、お友達をご紹介ください。

【落合】 同業者ですが、都築健さんをご紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。益々のご活躍をお祈りします。(落合さんは父が自衛隊員でもあったことで自衛隊に入隊されたそうです。その後現在のお仕事に転じ、今は地域で消防団にも入っており、なくてはならない方でした。)