友達の輪700号(2025年3月2日発行)
NPO法人幸手市芸術文化振興協会 中江卓二さんへ
【本紙】 オペラがお好きと伺いましたが。
【中江】(敬称略) オペラに興味を持ったのは20歳の頃です。それまでクラシックは聴いていたのですが、オペラは長いし言葉も分かりません。面倒くさくて敬遠していました。たまたまNHKテレビでやっていたオペラ放送を観た時に、テレビだと字幕が出るので言葉の意味が分かり、全曲を観てみたらオペラっていいなと感じました。それからレコードを買って聴き始め、やがてレコードはCDになり、そのうち映像の時代になりました。当時はレーザーディスクでしたが、それも今はDVDやブルーレイの時代です。衛星放送のBSやスカパーでもオペラの放送をたくさんやっていたのでいち早くパラボラアンテナを設置し、映像でオペラを鑑賞し始めました。かつては二期会や新国立劇場のオペラ公演にも頻繁に足を運びましたが、今は高齢となったので都心まで出でオペラを観るのはきつくなりました。もっぱら自宅でオペラ鑑賞をしています。長い間に買い集めたレーザーディスク、DVD、ブルーレイが部屋のラックに入りきらない位ありますし、録画したビデオ、DVD、ブルーレイも何千枚あるか見当もつきません。
【本紙】 オペラの良さはどんなところですか。
【中江】 オペラは演劇と音楽が一体的になったもので、セリフを全部歌ってしまいます。その結果セリフだけでは表現できない感情が音楽によって盛り上がり、見ている人に大きな感動を届けるのです。オペラでは一般人には出すことがほぼ不可能な大きな声をマイクなしで劇場中に響かせます。特にソプラノやテノールが出す超高音は得も言われぬ恍惚感を聴く人に与えてくれます。
【本紙】 どんなオペラが好きですか。
【中江】 いろいろな国のオペラを観ていますが、イタリアオペラが何と言っても好きですね、人間の感情をストレートにぶつけて来るのでわくわくします。特にドニゼッティやベッリーニといったいわゆるベルカント・オペラが好きです。「ルチア」は私が最初に観たオペラです。イタリアのヴェルディやプッチーニが中心ですが、ロッシーニ、モーツァルト、ワーグナー、ビゼー、チャイコフスキーなども観ています。ヴェルディの「椿姫」、ビゼーの「カルメン」、プッチーニの「蝶々夫人」はオペラの定番曲です。
合唱との関わり
【本紙】 合唱を始めたきっかけは。
【中江】 大学を出て区役所に勤めていたのですが、区で混声合唱講座をやったところ、参加者は女性ばかりで男性が集まりませんでした。主催する館の館長が親しかったこともあり、「男手がいないから参加しろ」と言われ合唱講座に参加しました。講座を3ケ月位やった後で「合唱団を作ろう」ということになり、その講座のメンバーで活動を始めました。これが合唱を始めたきっかけです。定年退職後はここをやめて地元幸手の混声合唱団に入りました。今はNPO法人幸手市芸術文化振興協会(芝あい子代表)が運営する市民合唱団で歌っています。
【本紙】 第九は19回目だそうですが、いつ頃から始められたのですか。
【中江】幸手で第九に参加する5年位前から東京で既に第九を歌っていました。ですから第九の歌い始めは東京が先になります。上野の東京文化会館で第九交響曲の演奏をするにあたって素人の合唱団員の募集がありました。第九合唱は初めてでしたが一般の合唱はやっていたこともあり、この募集に応募しました。毎週1回4ケ月位東京文化会館の地下練習場で練習をして初舞台に立ちました。ドイツ語だったし曲も難しいので、この時は半分も歌えてなかったような気がします。これ以降あちこちの第九に参加して歌いました。幸手の第九も第1回目から参加しています。第九はオーケストラと一緒に歌うことのできる貴重な機会です。地元でオーケストラの生の音を聞きながら歌えるのは至福のひと時です。今や幸手の第九は年末の一大行事として定着しています。私はNPO法人の役員として第九合唱講座を開催したり、毎月会議を行ってコンサートに向けた準備をしたりして、この事業に深く関わっています。
定年後の活動
【本紙】 お忙しく活動されているようですね。
【中江】 そうですね。役所に勤めていた頃は仲間とあちこち遊びに行ったりしていましたが、定年で退職してしまうとそういうこともできなくなってしまいます。私自身、家にいるよりも外に出る方が好きですから、出かける口実という意味合いもあったのでしょうね。埼玉県主催の「いきがい大学」に入りました。高齢者が集まり1年間勉強するのですが、学問的なものではなく、高齢者が老後をどうしたら快適に過ごせるかというような知恵を学べる講座でした。施設見学会や宿泊合宿、日帰り旅行などのイベントもありました。1年間一緒に活動し、その後は班での活動とクラブ活動がずっと続きます。私はハイキングと史跡巡りのクラブに所属し、今でもあちこち出かけています。また、役所のOBで作る「退職者会」の事務局長もしています。定期総会や観劇会、新年会、日帰り旅行、社会施設見学会といった行事にすべて携わります。このほかにクラブ活動も盛んです。私は東京及び近県の花の名所を訪ねる園芸部の部長もしています。月1回どこかに出かけますのでその前に下見に行きます。忙しく動き回っています。
地域環境の監視
【本紙】 地元のための活動もなさっているそうですが。
【中江】 かつては地元の区長や民生委員としても活動していました。今は権現堂川地域環境保全協議会の会長をしています。権現堂川地域に「桜泉園」という昔のごみ焼却場があります。今はもう使っていないのですが、煙突にダイオキシンが貯まっているという話で、地元としては煙突を撤去してほしいと言っているのですが、なかなか話が進みません。煙突は蓋がしてあるのでダイオキシンが飛散する心配はあまりないのですが、地元でしっかり監視していく必要があります。そのため年1回ダイオキシンの測定調査も地元立ち合いの下でやっています。そのほか地域環境を良くするため、権現堂川小学校にパンジーを寄贈して植えたり、子どもたちのジャガイモの植付けや収穫、ケナフを栽培してそれを原料にした紙漉き体験などを学校側と共同で行っています。
【本紙】 子どもたちへの環境教育ですね。ではお友達をご紹介ください。
【中江】 環境保全協議会や学校ボランティアなどでご一緒している鳥海久恵さんをご紹介いたします。
【本紙】 ありがとうございました。益々のご活躍をお祈りいたします。(中江さんご夫婦は別々の団体で合唱を楽しみ、オペラ鑑賞は共通の趣味だそうで、ご夫婦で観に行かれるそうです。また、オペラ好きな人が集まり、オペラを鑑賞するサークルも開いているそうです。オペラに興味があるけど敷居が高くて戸惑っているという方や、何から観ればいいのかわからないという方は気軽にご参加くださいということです。会費として年額2000円、毎月第四火曜日の午後1時半から西公民館の視聴覚室で活動しているそうです。見学は無料とのことです。)