2005年6月5日



梅雨入りを前に権現堂の紫陽花もつぼみがふくよかになってまいりました。本日の友達の輪は那須でホームギャラリーを経営される鎌田叶子さんからご紹介いただきました吉田裕子さんです。吉田さんはご自宅でパン工房を主宰し、パンやケーキ作りの教室を開かれています。

パン工房 YOU (ゆう)
主宰 吉田 裕子 さん
本紙取材 木 康夫

【木】こんにちは。鎌田さんからケーキの先生と伺いました。


【吉田(敬称略)】こんにちは。よろしくお願いいたします。鎌田さんにはケーキ教室にご参加いただいてからのお付き合いです。なんでも積極的にされる素晴らしい方ですね。

【木】ご自宅でパンやケーキの教室をされているようですね。パンやケーキ作りはいつ頃からですか?


吉田ケーキは独身時代から好きで作っていましたから、ずいぶん長い歴史ですね。(笑)パン作りは結婚して長女が産まれた時、生後三ヶ月くらいの頃ですね、我が娘に手作りの離乳食を食べさせてあげたいと思い、パン作りの本を読みながら独学で始めました。最初は失敗ばかりでなかなか上手に出来ませんでした。不思議なもので同じように作っているのに、上手くいく時とそうでない時があるのです。以来、かれこれ二十六年作っています。パン工房として幸手で本格的に教室を開いてからは約十五年になります。

【木】工房ではカリキュラムや資格取得などあるのですか?パン作りってどんな工程ですか?吉田裕子さん

八つの工程で
  美味しいパン

吉田ジャパンホームベーキングスクールというところで初級、中級、上級、講師といったカリキュラムがあります。当工房では参加される方の多くが女性で、家庭を持った主婦の方が多いですね。ですから、ゆとりを持って月に一回程度の出席で二〜三年かけ、初級、中級、上級とカリキュラムを進めています。ジャパンホームベーキングスクールの教室テキストを用いたり、自分で考えたレシピによるオリジナルテキストを使ってパン作りの指導を行なっています。講師になる方もいらっしゃいますよ。工程ですか?パン作りは材料の量が適当ではうまく行きません。まず、しっかりと用いる粉や水やイーストなどを正確に計量をする事が大事です。次はニーディングと言って、材料を混ぜ機械又は手でこねてふっくらしたパンを作るのに必要なグルテンを作っていきます。そして、生地に一回目の発酵(一次発酵)をさせます。発酵とは生きているイースト菌が炭酸ガスを出して生地をふくらませていく状態をいいます。次に分割と言って生地を必要な大きさにカットします。そして、カットした生地をまるめて再び休ませます。ベンチタイムと呼びますが、可愛い名前でしょ(笑)パン作りにはとっても大切な時間です。それから、パンの形に成型して行きます。その後、二回目の発酵(二次発酵)をさせて、生地を大きくして、最後に釜で焼き出しをして完成です。

【木】パンを焼かれている読者もいると思います。おいしいパンの秘訣みたいなものは?

吉田裕子さん

夢は世界のパンと
  こだわりのパン作り

吉田パンはイースト菌という生き物を使って作ります。イーストの力を最初から最後まで活かし、更にイーストのご機嫌を見ながら作るのです。室温や湿度にも大きく左右されます。だから美味しいパンを作ろうとしたら生地の様子をみながらゆとりを持って作っていくことが必要です。教室のカリキュラムは限られた時間の中でも美味しく出来あがるメニューを扱っています。現在、私の教室では基礎を終わらせたあと、ゆっくりパン作りを楽しみたい生徒さんに二ヶ月に一回くらいのペースで私のオリジナルレシピを使ってのベイシッククラスを設けています。そこでは粉の旨みを十分に引き出した長時間発酵のパンなど、時間に妥協しない美味しいパンが作れるように、前日に仕込み一晩発酵させておいた生地を使ったりもします。時には季節のケーキを焼いたりもしています。パンを作ること、パンを食べることが本当に好きな人達と一緒にこだわりのパンをいつまでも焼き続けて行きたいですね。そして、その仲間達と世界のパンを食べ歩きの旅をするのが今の私の夢です。

【木】新しいパン作りも大変でしょうね?

家族が
  パンの評論家

吉田そうですね。オリジナルレシピを作ることもありますから、日々新しいパン作りへの挑戦があります。出来あがったパンは家族が試食をして評価をしてくれます。ときどき子ども達が学校に持参し友達に試食してもらい感想を聞いてきてくれます。子ども達の声はストレートですからとても参考になります。また、都内のパンの店やケーキのパテシィェに師事し、プロの味や技を教えていただいています。最近では材料も家庭用として手に入りますからそんなに変わらないものが作れます。なんと言っても家庭用はコスト計算がいらないから愛情と最高の材料を使って楽しく作れますよね。(笑)

【木】吉田さんのパンって何ですか?

吉田いつもお世話になっていますパン教室の吉田裕子さんをご紹介いたします。

パン作りは
  コミュニケーション

【吉田】私にとってのパン作りは、最初、家族のために焼いたものでした。子どもが小さいときにはパン作りを通して近所の人たちとふれあいがありました。パンを習いに来てくださる生徒さんから生活の知恵、地域の事など教えてもらう事も沢山あります。今でもそうですがパンを通じて家族との会話も深まります。子ども達が「大学の集まりがあるからパン焼いて」「友達の所に遊びに行くからお土産にパンを持っていく」など、パンは我が家ではコミュニケーションのひとつです。工房も趣味が高じて今に至っておりますが、十二月のクリスマス時期には教室でクリスマス用のケーキとパンのオリジナルレシピを用意します。ご家庭で手作りのケーキとパンでクリスマスのひとときを楽しんでもらえたらと思うと、夏頃から考えはじめるクリスマスレシピに思いが膨らんできます。

【木】楽しさと美味しさが伝わりますね。では、お友達をご紹介下さい。

【吉田】工房で使用するケーキ作りのイチゴをお願いしている白石貞雄さんをご紹介いたします。

【木】ありがとうございました。おいしいパンとケーキをこれからも作り続けて下さい。パン工房を通じてコミュニケーションの輪が広がりますことをご祈念いたします。
(吉田さんはとても明るく、パンやケーキ以外にもその写真を撮るフード・フォトなど勉強されているようです。若い感性でいろいろなジャンルに挑戦されている素敵な方でした)




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