2006年8月27日



夏休みも残すところあと5日、日中の残暑も厳しいですが、朝夕涼しい風を感じるようになりました。本日の友達の輪には幸手市日本語教室のボランティア スタッフである南節子さんご紹介いただきました日本語教室生徒の高橋美幸さんに登場いただきます。

幸手市日本語教室
生徒 高橋 美幸さん
本紙取材 木 康夫

【木】こんにちは。南さんから日本語教室を通じての友人と伺いました。本日はよろしくお願いいたします。


【高橋(敬称略)】はじめまして。南さんには大変お世話になっています。よろしくお願いいたします。

【木】高橋さんはどちらのご出身ですか?また、日本に来られたのは?

日本に興味を持ち
日本語を学ぶ

【高橋】タイのルイ県というところで生まれ、バンコクで育ちました。ルイ県は日本ならば東北のような所で高橋美幸さんす。日本には26才の時に国際結婚で来ました。私は学生時代から自分の国以外に住みたいという気持ちがありました。また、日本に興味があり日本語学校に通っていました。当時、ガソリンスタンドの事務と外国製品の輸入の事務を兼ねてバンコクでお勤めしていましたが、日本語が出来るとお給料が良くなるので一生懸命勉強しました。おかげで日本語は簡単な会話が出来る程度まで上達しました。日本語が話せるようになった事で仕事を通じて日本の方たちと接する事が多くなったのです。そして縁があって、主人と一九九〇年に国際結婚をして日本にやってきました。来日して初めて住んだ所が幸手でした。

【木】幸手が日本のふるさとになったのですね。印象はいかがでしたか?

タイと日本の
文化の違い

高橋すごい田舎の町だなと思いました。それとバンコクではベッドの生活でしたから、毎日布団を上げなければならない日本の文化には驚きました。部屋が狭いからしかたがない事なのでしょうね。また、カビが多いのにもびっくりしました。タイは湿気がないのでカビが生えにくいのです。でも、日本のことわざで「住めば都」と言いますが、私も幸手にしか住んだことがありませんので、他は知りませんが、温かい方が多くて住みやすい良い町だと思っています。現在、小学校六年生の息子も地域のサッカーチームに参加してゴールキーパーをやっていますが、子どもを含め家族全員が地域の方達と楽しく暮らしています。

【木】食生活はいかがでしたか?

【高橋】日本の食事に慣れるまでにそれほど時間がかかりませんでした。タイ料理で有名なものには、トムヤンクンやグリーンカレーがあります。日本でも食べられているようですが、トム・ヤンクンは日本の料理にはない酸味があったり、グリーンカレーはなじみのないココナッツミルクを使うなどしますので、主人に食べさせてあげようと作りましたが、最初は主人の口にあいませんでした。また、ナンプラーという魚から作った醤油を料理の調味料として良く使います。日本人には生臭いという印象が強く、好き嫌いがはっきりしていますね。それで、字が少し読めたので日本の料理を本で勉強しながら作りました。私もタイの料理が懐かしく、食べたくなる時もありましたが、そんな時は主人が都内のタイ料理のお店に連れて行ってくれました。今はなんでも大丈夫になりました。

【木】日本語教室にはどうして参加するようになったのですか?

高橋美幸さん

日本人と同じように
話したい

高橋日本で生活していて、感じたのですが、自分も日本人と同じようにお友達といろいろなことを話したいし、子どもの学校のことなども日本人のように話したいと思ったのです。それで、日本語の勉強をもっとしたいと思ったのです。それで、友人から松原団地にボランティアの人たちが教えてくれる日本語学校があることを知りました。土日を中心に週1回2、3時間ですが、子どもを連れて二年間通いました。日本語能力試験という試験が4級から1級のレベルであります。1級に合格すると大学受験資格が取れるものですが、2年間かかって2級に合格しました。その後、幸手市にも日本語教室が開かれるというお話しを聞いて、幸手市日本語教室には開設当初より参加しました。

【木】日本語も話せる高橋さんですが、日本で暮らして困ったことなどありましたか?

チャレンジ精神で
日本国籍取得

高橋そうですね。結婚して何か仕事をしたいと思い、求人情報を見てあちこち電話して問い合わせました。パートタイマーの求人でしたが、日本語も話せますと言っても「外国人は雇用できない」と、ほとんどのところに断られてしまいました。日本で生活するには日本国籍がなければ不便に感じました。それで、日本国籍を取得しようと法務局に申請しました。申請を代行していただくと30万円から50万円かかると言われ、日本語教室の先生や主人、主人の弟に協力してもらい、自分で書類を書いて申請しました。法務局の面接では「なぜ、日本国籍を取りたいのですか?」などの質問もされました。外国人にとっての日本国籍取得は大変なものだと感じました。現在は日本国籍も取得し、学校給食の仕事をしています。そして、自分の能力をアップしたいと思い、何か免許を持っていれば後で役に立つのではないかと考え、調理師の免許取得に昨年からチャレンジしました。今月8月に試験は終わり、9月下旬に合格発表がある予定ですが、今回は駄目だったと思います。なぜなら、問題がすべて日本語出題ですから読めない漢字もあり、日本語の意味もわかりづらかったのです。丸暗記するしか克服の方法がありませんが、合格するまで頑張ろうと思っています。そして、調理師の免許を取得できたら、また、何か次のものにチャレンジしたいと思っています。

【木】頑張って下さい。では、お友だちをご紹介下さい。

【高橋】日本語教室で大変お世話になっている長下部圭作さんをご紹介します。長下部さんは他にもたくさんのご趣味をお持ちの方です。

【木】ありがとうございました。さらに日本語や多くのものを学んでいろいろなものにチャレンジして下さい。ご活躍を期待いたします。
(高橋さんはパンニパーさんというタイ名をお持ちですが、地域の方達にパンニパーちゃんというニックネームで親しまれている方です。なんでも前向きに一生懸命取り組む姿勢を強く感じた方でした)




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