2006年9月10日



9月に入り夕暮れにはアキアカネの姿も多く見られるようになりました。本日の友達の輪には幸手市日本語教室生徒の高橋美幸さんご紹介の長下部圭作さんにご登場いただきます。長下部圭作さんは「あかね会」という自分史の会の会長をはじめいろいろ活動している方です。

自分史の会「あかね会」
会長 長下部 圭作さん
本紙取材 木 康夫

【木】こんにちは。高橋さんから日本語教室では日本語の教師としてお世話になっている恩師と伺いました。本日はよろしくお願いいたします。


【長下部(敬称略)】こんにちは。高橋さんは勤勉な方でいろいろなことに熱心に取り組んでいられます。先月調理師試験を受けられたのですが、出題の日本語の意味を理解するのも大変だったと思います。必ず合格の日が来ることを信じて応援しています。今日は高橋さんから紹介されて取材ということですが、よろしくお願いします。

【木】自分史とはどのようなものなのですか?また「あかね会」はどのような会なのですか?

人生を回想し
ページを綴る

長下部自分史とは自分の生きてきた人生の記録です。年代順に書かなくてもよく、一時期を切り取って書いても、集めれば個人の歴史となります。大切なことは飾らないで正確に書くことです。歳を重ねると記憶があいまいになるので、日長下部圭作さん記や新聞などの資料も必要になります。社会や歴史との関わり合いも取り上げることもあり、戦時の体験など書けば貴重な資料となります。
平成12年、長須房次郎先生を講師として、中央公民館で自分史講座が開かれました。講座終了後、受講生たちの要望で、平成十三年に「あかね会」が発足しました。一年間の勉強の成果を一冊の本にまとめようという気運が起こり、平成十四年三月に第一集が刊行されました。以来、毎年三月に発刊され、本年三月には第五集を刊行、平成十七年から私が会長を務めています。会員は現在十六名、月一回の集りで長須先生のご指導で、日常語の語源、かなづかい、表記の仕方、聞きやすく読みやすい表現など、自分史を書く勉強をしています。
起承転結など要領を得た、達意の文章を目指しています。


【木】正しい日本語の使い方ですね。インタビューは緊張してしまいますね。(笑) ところで、多趣味と伺っていますが、玄関に蝶の標本がありますね…

ビーズで作る世界の蝶
 超リアルな美珠蝶(ビ―ズチョウ)!

長下部蝶が好きで欲しいのですが、採集して標本にするには殺さなくてはなりません。それが嫌で、もっぱら写真に撮って愉しんでいました。玄関にある標本はグラスビーズで作ったもので本物ではありません。(笑)昔、娘がビーズでピエロなど作っていました。それをタイピンにつけてプレゼントしてくれました。そのタイピンが話題になって、自分でも作る気になりました。いろいろ作った結果、蝶がいちばん見栄えがすることを発見、本物の標本に近いものを作る決心をしました。誰もやっていないことを考案し制作して、その部門の日本一になりたいと思ったのです。写真や図鑑、実物を見ながらデザインしました。点描の感じで、ステンレスのワイヤーを使ったビーズの編物です。羽4枚と胴を別々に作り、胴に羽を縫い付けます。この時点で羽はだらんとしています。前羽と後羽を縫ったビーズの中にもう二本ワイヤーを通して縫い合わすと、羽が伸びます。胴にワイヤーを通して、捻って肢を作ります。この瞬間、ガラスの小さな珠の集りが、「空飛ぶ宝石」に変わります。一頭に数時間から、十時間以上かかります。二十五年間に七百頭位羽化させました。外国の方に差し上げたり、ほとんどプレゼントして飛んでいってしまいました。(笑) 今百二十頭位います。。

【木】今でも作っているんですか。

長下部はい、ときどき新しいものに挑戦しています。

長下部圭作さん

紙飛行機に夢中

長下部四年程前から紙飛行機にのめり込んでいます。(笑) 紙飛行機は滞空時間や飛距離、早さなどを楽しみます。石塚医院の院長先生から「紙飛行機に興味ない?」と声をかけていただき、いろいろ教わってこの道にはまってしまいました。紙飛行機は、特別な道具も場所も要らず、手に入り易い材料で安価に気軽に作れます。音もしないし安全性も極めて高いのが魅力です。広い公園や野原で愛機を空に放っては追いかけて拾うことを繰り返すと、二時間位すぐに過ぎてしまいます。子供たちにとってはもの作りの楽しさや科学的思考を養うきっかけになります。今年六月一日、川幅百メートル以上の行幸湖の横断飛行に成功しました。今月の二日には子育て支援「幸ネットワーク」の皆さんと共に小学校五年生を対象にした紙飛行機の製作をしました。

【木】たくさんやることがありますね。

逆立ちで降りた
愛宕山男坂八十段

長下部趣味は二十位ありますよ。三十代の頃は鉄棒と倒立です。当時体操をやっていて倒立が得意でした。江ノ島の灯台の手すりの上に逆立ちしたり、NНK愛宕山の急な階段を倒立で降りることにも挑戦しました。八十六段あるのですが、八十段が記録でした。何度も挑戦しましたが、残念でした。自分では「逆立ち道」と称して時には命がけの挑戦もしました。五十歳の時、五十メートル逆立ち歩きができました。今七十二歳、気持は老人ではありません。

【木】それにしてもお元気ですね。夢などお持ちですか?

長下部子供たちに紙飛行機の楽しさを教えて、幸手のどの小学校の校庭でも、紙飛行機を飛ばす子供たちを見かけるようになったらいいなあと思っています。
それと大人を含めて間違った日本語を使っていることが多いので、短歌や自分史を通じて、日本語を正してゆきたいと思っています。


【木】頑張って下さい。ではお友達を紹介して下さい。

長下部紙飛行機教室を主催される子育て支援「幸ネットワーク」の正村久美子さんをご紹介します。

【木】ありがとうございました。幸手の空に手作りの紙飛行機が飛び交うといいですね。ますますのご活躍を祈念します。
(長下部さんは若い頃から趣味に集中されたようで、数々の趣味をお持ちでした。ウエスタンに凝ったという頃の写真はカウボーイそのもの、ブーツを穿いてモデルガンで映画もどきの早撃ちをしたそうです。現在、エッセイを書いたり絵を画いたり、忙しく過ごしていらっしゃいます)

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