今週はクリスマスウィーク、思い思いのクリスマスをそれぞれが演出して楽しまれることでしょう。そしていよいよ、今年も残りわずか。この友達の輪も1999年度最後の方、つまり、大げさに言えば1000年度のおおとりをとっていただく方になるのですが、幸手市なぎなた連盟理事長の林基子さんよりご紹介いただいた大妻女子大学二年生の鈴木佐智子さんにお話を伺ってまいりました。
大妻女子短期大学
二年生 鈴木佐智子さん
本紙取材 高木 康夫
【高木】林さんから伺ったのですが、なぎなたの埼玉県代表として五年前の香川県で開催された全国中学生大会では先鋒で活躍されベスト8位に入賞されたそうですね。いつ頃からなぎなたを始められたのですか?
【鈴木(敬称略)】はじめまして。林先生からご紹介いただきとても恐縮しております。私などが出ても良いものだろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。なぎなたと出会ったのは緑台小学校三年生の時でした。ちょうど、幸手市に武道館が出来て、緑台小学校で「親子なぎなた教室参加者募集」のプリントが配られました。そのプリントを母が見て、早速申し込みをしようと電話をかけているのです。そのころの私は人見知りが強くて、知らない人たちと一緒に、まして、見たことも聞いたこともない「なぎなた」なんてものはやりたいとも思いませんでした。どちらかというと、やりたくない気持ちがいっぱいで、今では考えられないことなのですが、母が電話をしている背中を見ながら「ウェンウェン」大泣きしていたのを覚えています。(笑い)そして、次の日学校に行くと、友達が「あたしもなんだよ!」と同じ境遇で(笑い)その友達とは高校二年まで一緒になぎなたをしました。
【高木】なぎなたの魅力ってなんですか?
【高木】現在は世界大会までありますが、当時は私の周囲でなぎなたを知っている人はほとんどいませんでしたね。小学生にとっては2m15cmのなぎなたはとても重く、持ってるというよりはなぎなたに持たれているような感じで、厳しいときは厳しく、やさしい時はやさしく、といった林先生の真剣な指導があったからこそ11年間も続けられたものと思います。現在でも親子でなぎなたをやっていますが、お互いに仲間として、時には相談相手として奥の深い武道に取り組んでいる充実感、生涯スポーツであるということも、私にとっての大きな魅力でしょうか。
【高木】他の趣味などは?
【鈴木】実は紅茶が趣味なんです。 大学の帰りに都内でアルバイトをしているのですが、そこが紅茶のおいしいお店として有名なんです。そこの受け売りではありませんが、アルバイトしながらいろいろと紅茶のことを教わっています。趣味の範囲ですが将来は紅茶インストラクターの資格を取りたいと思っています。紅茶は何百種類もあるんですよ。世界の国々には緑茶や紅茶、ウーロン茶などのお茶がありますが、気候や産地こそ違いますがすべて同じ葉っぱです。ただ、製法が違い緑茶は加熱によって発酵を止めたもの、紅茶は完全発酵したものです。また、ウーロン茶は、60〜70%発酵させたもの(台湾式)です。紅茶のおいしい入れ方はお水を沸騰させてはいけないんです。お湯の中に含まれている空気が茶葉にふれ、空気の対流が起こっておいしい紅茶が抽出されます。ですから、お湯は沸騰する直前に火を止める事が肝心ですね。
【高木】なるほど、参考になりました。ところで、年が明けると成人式ですね。2000年の抱負は?
【鈴木】そうですね。具体的なことは考えていませんが、2000年という年を考えると「何かでっかいことをやってやろう!」みたいな気持ちがあります。特に私にとっての2000年は就職して社会に出て行く年でもありますから、夢と希望に満ちています。
【高木】どんなお仕事に就かれるのですか?
【鈴木】現在、英文科に籍を置いており、英語のほかにドイツ語も専攻しています。大学のゼミでヨーロッパの比較文化を学んでから、異文化に対するあこがれが強くなり、特にドイツには深い関心があり、語学力を活かせる職業に就きたいと思っておりましたら、貿易関係の会社から内定をいただきました。就職試験の面接のときでしたが、私のなぎなたに面接官が興味を示して下さり、なごやかに面接をすますことができました。面接官も少林寺拳法をやっており、武道というジャンルで好感を持っていただいたようです。自分を表現しやすいなぎなたをやっていてよかったなと思いました。
【高木】しっかりした考え方を持っておられますが、座右の銘などは?
【鈴木】座右の銘というほどのものではありませんが「何事もやってみないとわからない」と思っています。何かをする時、頭で考え、この先のことを予測して失敗を恐れたり、不安になったりするより、まず行動するようにしています。もちろんただ闇雲に行動しているわけではないですが・・・。自分の目で確かめに行く、実際に体験してみる。結局自分から動かなければ、何も始まりませんし、何もわからないまま、納得いかないままで終わってしまうと思います。また私は、失敗することは良い事だと思っています。失敗して失うことなど何もなく、むしろその反対で、学ぶことのほうが多いと思っているからです。「どんなに些細な経験でも無駄になることはなく、いつか役に立つ時がくる。」その様に前向きに考えることで、これからも教養に対する視野を広げていきたいと思っています。
【高木】まさに新しい時代は鈴木さんのようなアグレッシブさが必要ですね。それでは、お友達をご紹介ください。
【鈴木】友達というわけではありませんが、以前ピアノを習っていた時の遠藤 多希(エンドウ タキ)先生を紹介させていただきます。
【高木】ありがとうございました。今年も残りわずかですね、来年も良い年でありますようにお祈りいたします。
(なぎなたを通じていろいろなことを学んだようで、何事にも前向きに取り組む姿勢が印象的な、やさしさと明るさを兼ね備えたすてきなお嬢さんでした。)