季節も梅雨から夏へと移り変わろうとしている今日この頃ですが、上吉羽の黒川さんよりご紹介いただきました「わが家」というお店を経営されている幸手東1丁目にお住まいの稲葉賢さんにお伺いして参りました。
居酒屋『わが家』
店主・稲葉賢さん
本紙取材・高木康夫
【高木】こんにちは。黒川さんとはゴルフを通じて家族ぐるみのお付き合いとうことですが。
【稲葉(敬称略)】私は以前会社勤めをしていまして、このお店は昨年12月3日に開店したばかりなんです。サラリーマン時代からゴルフはしていたのですが家内が四年程前にゴルフを始めた時に、練習で黒川さんたちと一緒になったのがきっかけで、夫婦そろって親しくさせて頂いています。年は離れていますが、黒川さんがとても明るく素直な方ですので、今でもいいお付き合いをさせて頂いています。
【高木】そうですか。居酒屋を脱サラで始められたのですか?
【稲葉】私達夫婦は俗に言う職場結婚で、結婚する前から「お店を持ちたい」というのが2人の夢だったのです。結婚して家内は家族と子育てに専念したのですが、夫婦共、サービス業に従事していましたので「いつかは!」と夢を持ち続けていました。
【高木】稲葉さんは46才ということですが、第2の人生への転換はかなり思い切りが必要だったのでは?
【稲葉】ここ数年会社の景気も横ばいが続いて、リストラもずいぶん行われました。サラリーマンにとっては厳しい環境と思ってましたのと、子供たちも自立し始め、長年抱いていた夢を実現させるのは今しかないと考えたのです。でも、簡単に始められることではありませんし、自営の経験や調理技術もありませんでしたから、草加市の老舗を友人に紹介してもらい、会社が終わった後、夫婦で修行に通いました。初めに言われたのが「そんなに甘いもんじゃないよ」という言葉でした。でも、3ヶ月間毎日通って指導を受け一生懸命さを認めてもらえ、お店の開店までバックアップして頂き、今では感謝の気持ちでいっぱいです。こんなお話をお客さんにしてますと、お客さんの中には同じようにお店を開きたいと思っていらっしゃる方もいるようで、夢の実現に相談されたりもします。
【高木】稲葉さんの人柄が生きているんですね。
【稲葉】私は幸手生まれで幸手育ちなんですが、仕事もそうですしほとんど幸手で活動してませんでしたから、幸手の事はあまりわからないというのが本音だったので、地元に戻っての転業は不安がいっぱいでした。でも、開店にあたっては多くの友達がメニューの作成から開店の手伝いまでしてくれて、この街の人柄がとても嬉しかったです。お客さんも同級生が偶然知らずにきて「あれ!」なんて驚いたりして、昔話に花が咲いて毎日がとても新鮮なんです。それに子供たちと同じ世代に若者の真剣な話しに加わったりして、みんな若いのにがんばっているなと感心したり、何か今までの自分が気がつかなかったものを吸収している気がします。
【高木】居酒屋『わが家』という名前には?
【稲葉】以前からなんですが、自宅では何かあると皆があつまってまってワイワイガヤガヤ宴会が始まるのです。私たちもその雰囲気がとても好きで、こんな感じのお店にしたいねと『わが家』という名前にしました。ですから、自宅がお店になったという感じです(笑)さくら通りに面していまして、自分でも帰りがけに「ただいま」なんてちょっと立ち寄れるお店が欲しかったものですから「おかえりなさい」という感じで負担にならない料金設定にも心がけました。また、家族そろってこられるような家庭的な雰囲気も大切にしたつもりです。お客さんの層も若い方からご年配の方まで広くいらっしゃいましてとても楽しく仕事をさせてもらってます。仕事を通じて色々な方たちと出会え、お話を通じて人柄に触れることが出来るので、それを大切にしていきたいと思います。
【高木】おすすめは?
【稲葉】草加で修行したときに伝授された「焼き鳥」と関取のつるが峰直伝の「わが家風野菜ちゃんこ」です。《野菜ちゃんこは6月から8月まではメニューからはずれて9月から再び始めるそうです》焼き鳥は毎日自分で刺して仕込み、たれにも自信があります。とくに鳥皮は人気があります。焼き鳥と生ビールでちょいと1杯の味わいと、一緒になったお客さん同士の会話を大切にしたいと思ってます。時々ですが私もお客さんと一緒になり、仕事を忘れて話し込んでしまうこともあります。(傍らで奥さまの玲子さんがしょっちゅうですよーと合いの手を)(笑)
【高木】今までのお勤めとは違い、夫婦で24時間一緒の生活ですね。
【稲葉】そうなんです。初めは夢を追っているもんですから気にもなりませんでしたが、しばらくすると意見の違いで喧嘩ばかりでした。子供たちも長男は都内まで調理の道を求め勉強してますし、長女も親を理解してよく手伝ってくれます。いずれ2人っきりになるのかと思うと、仲良く仕事が出来ればと思っています。当然、休みも一緒ですから趣味のテニスやスキー、ゴルフを夫婦で楽しんだり「わが家杯コンぺ」と名付けたゴルフコンペで楽しませてもらっています。5月の下旬に開催したときは、主催者側の家内が準優勝してしまい慌てましたけどね。(笑)こんな夫婦でお店を切り盛りしてますからお客さんも色々話をしてくれるのかも知れませんね。
【高木】これからも、ご夫婦で夢を描いていかれるのですか。
【稲葉】新たな出会いを求めていくことが夢の1つです。その先にはきっと大きな夢への可能性が潜んでいると思っています。
【高木】それでは、お友達をご紹介下さい。
【稲葉】お客様でもあり、個人的にもよき相談役でもある「幸手和太鼓保存会」会長の栗原仁良さんを紹介いたします。栗原さんたちは今度の土曜日ですがあすかる幸手で創作和太鼓の3周年リサイタルを開催されるそうで、今、張り切っています。
【高木】ありがとうございます。ご商売を通じて「出会い・ふれあい」を大切にされ繁盛されることをお祈りいたします。
【とても仲の良いご夫婦でした。私達も新たな出会いをさせて頂きました】