世界中が大騒ぎしたニューセンチュリーでしたが、早いものでもう一月も終わろうとしています。今日の友達の輪には(株)花輪工業の会長である花輪孝二さんからご紹介いただきました粉奈電機工業代表である粉奈徹(こなとおる)さんにご登場願います。粉奈さんは多彩な趣味をお持ちの方で市内でIT先進のお仕事をされております。
粉奈電機工業
代表 粉奈 徹さん
本紙取材 高木 康夫
【高木】はじめまして。花輪さんとは親子二代でご縁があるとのことですが。
【粉奈(敬称略)】私の父がモーターの修理をやっておりまして、私がまだ子供時代のころ、花輪さんが師事を受けたと聞いております。偶然ですが、花輪さんが写真の趣味で写友会に入ってこられて再会し、現在はパソコンを使った写真加工を指導しております。
【高木】コンピューターをはじめ、ずいぶんたくさんの機器がありますね。現在のお仕事はどのようなものでしょうか?
【粉奈】シーケンサーやサーボモーターといった自動制御の機器を設計からシステム作り、設置、メンテナンスまで行っております。解りやすく言えば工場の機械システムなどをコンピューターなどで管理して、制御するシステムをすべて請け負っております。最近話題になっている産業用ロボットなどもその一種ですが、ありとあらゆるところで制御機器は使われております。ですから、会社や研究所、工場など色々なところから仕事の依頼があります。すべて、当社のオリジナルなシステムで設計から製作まで行いますので、それぞれが世界にたった一台のKONAブランドの制御機器ですね。宣伝はしておりませんが。(笑)
【高木】すごいですね。幸手市内に粉奈さんのような会社があるなんて知りませんでした。このお仕事のきっかけは何ですか?
【粉奈】幼い頃から機械や電気機器に興味があったということでしょうか。小学校の頃、初めてゲルマニウムラジオを作って楽しさを覚え、その完成したラジオを聞いていたら、なにやら楽しい会話が受信できたのです。それがアマチュア無線でした。さっそく、アマチュア無線に興味を持って中学生三年生の時に資格を取得したのです。当時の国家試験は難しく、アマチュア無線人口も約六千人と少なかったのですが合格しました。そして開局のための手続きもすべて自分で行い、JA1DQLというコールサインを取得出来ました。四十一年前のことですが、幸手ではアマチュア無線局の第一号というおまけつきでした。現在では通信機器も市販されておりますが、当時は受信機も送信機もすべて真空管で、回路図を見ながらの手作りでした。それ以来、約二百五十カ国の人達と交信しました。
【高木】すごい国の数ですね。なにか、エピソードなどありますか?
【粉奈】とにかくたくさんの友人が出来ました。そのひとりであるハワイの日系二世の方は、幸手の桜の話しをしたところ、桜が見たいと幸手に来たのです。それ以来、私もハワイに行った時には彼の家に泊めていただいたり、彼も権現堂の桜が咲く頃に四度ほど幸手に来ました。もう七十才近くになる方ですが、桜堤を観てとても感激していました。桜は日本が世界に誇れる花ですね。また、テイチクで八代亜紀さんのプロデューサーの熊谷正夫さんとも親しくなりました。先日もこの事務所に遊びに来られて趣味の話で盛り上がりました。(笑)
【高木】 趣味が合うと友人は広がりますね。他にご趣味があるのですか?
【粉奈】中学のとき物理部だったのですが、カメラも好きで写真部にも顔を出していました。当時はジャバラ式のカメラで撮影して、部室の暗室で現像したものです。被写体の表情や構図など写真の持っている魅力に引かれ、写真はそれ以来続けている趣味です。冬は厳冬の中前夜から湖畔などに泊まり込みで、明け方に飛来する白鳥や、カワセミやヤマセミを撮影に行きます。特にヤマセミは写真仲間では撮影出来る場所も秘密にされており、私もファインダーに納めることは出来ませんでしたが、一瞬ですが肉眼で生態を見ることが出来ました。いつかはファインダーに納めたいと楽しみにしています。写真撮影も兼ねて春は桜を見に京都に行くのが楽しみです。京都は秋の紅葉シーズンにも必ず行くところですが、何度訪れてもお寺をはじめ景色が素晴らしい所ですね。そして、現在は文楽にはまってます。
【高木】文楽ですか!?
大人になったら
文楽は観ておけ!
【粉奈】亡くなった両親が「大人になったら文楽を一回は観ておけ」と言われて、文楽の人形浄瑠璃を観たのですが、はまってしまいましたね。情を語るのが文楽の世界ですから、人生を積まないと理解できないのですね。だから、父が「大人になったら」と言ったのだと思います。年四回、国立劇場の小劇場で公演されるのですが、すべて、かかさずに観に行ってます。大阪の国立文楽劇場が本場で、そちらも一度、観に行ったことがあります。ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、長野オリンピックの時にはインターネットで公開されました。凄いアクセス数で世界中からの反響が大きかったようです。時間さえ許せば大阪の国立文楽劇場での公演もすべて観たいと思ってます。
【高木】本当に多彩な趣味ですね。
【粉奈】まだありますよ。友人と二人でオールデジタルのPAをやっています。オーディオが趣味で、カラオケなどのミキサーや音響機器の操作を行っております。趣味で始めたのですが、今ではJBLやボーズのコンサート用スピーカーやヤマハのプロ用デジタルミキサーなど、購入した音響機材が本格化して、どこにも負けない音質でデジタル録音できます。デジタルミキサーだけでも操作するには一年かかるシロモノです。音楽スタジオが開けちゃいますね。(笑)
【高木】それでは、お友達をご紹介下さい。
【粉奈】仕事上のお付き合いをさせていただいてます東京スプリングの社長である小林英武さんをご紹介致します。小林社長は世界に情報を求めて飛び回っている方で、スケールの大きな方です。
【高木】ありがとうございました。今後も幸手市内の先進技術企業としてご活躍下さい。
(少年の頃からメカが大好きで、その延長線上で今でも活躍されている姿がとても頼もしく感じました。所せましと置かれた機器や、コンピューターに向かう姿からは、研究者の横顔を垣間見ることが出来ました。)