さくらの花々の間から力強い緑の葉が輝き始めました。早いもので二十一世紀も4ヶ月目、そして明日は小中学校の入学式。小さな身体に大きなランドセルを背負った新一年生やちょっと大きな制服に身を任せ、緊張した面持ちの中学一年生など、期待と不安でいっぱいのことと思います。そんな季節の友達の輪には助産婦さんの谷古宇弘恵さんからご紹介いただきました八代小学校教諭の城戸京子さんにご登場願います。
八代小学校教諭
城戸 京子さん
本紙取材 高木 康夫
【高木】こんにちは。谷古宇さんから、小学校四年生の担任で読書の楽しさを薦めてくれた恩師と伺いました。本が好きになったのは先生のお蔭だそうですね。
【城戸(敬称略)】友達の輪は毎回楽しみに拝見させていただいております。谷古宇弘恵さんとはしばらく会ってはおりませんが、お母さんと時々お目にかかる機会がありまして、その時などに弘恵さんの活躍を伺っておりました。でも、教え子である弘恵さんからこの企画にご紹介いただけるとは思っておりませんでした。忘れずにいてくれたと思うととても光栄です。
【高木】先生にとっては嬉しいことですね。
【城戸】幸手東小学校に赴任した頃の思い出ですからなつかしいですね。当時、幸手小学校はとても大きな小学校で、そこからの大きな分離でしたから開校時、東小の教職員三十名の2/3は幸手小学校から配属された者たちでした。私もその中の一人として東小学校に移ったのですが、何もかもが新鮮でした。自分たちで新しいものを創り出していくことのたいへんさもありましたが子供たちとともに夢と希望に満ちあふれていました。何か新しい未来が拓かれていくという感じを強く受けたものです。
【高木】何かエピソードはありますか?
【城戸】開校当時は十九学級、七二七名の児童数で、体育館もなければ校庭も整地されていませんでした。新入生の入学式の会場をどこにするかさえみんなで思案したものです。今思うと信じられないことですが、入学式は職員室を使って挙行したのです。とっても思い出深い入学式でした。また、開校しても校庭の整地工事が続いていますからダンプカーが入って来るのです。おかげで雨があがった後もしばらくはぬかるんだ校庭でした。体育の時間なども校庭が使えないことがしばしばありました。もちろん、休み時間に校庭で遊ぶこともできません。そこで、何か子どもたちに学校に来る楽しみをつくってあげようと思い、国語の時間はもちろんホームルームの時間も利用し、毎日、本の読み聞かせを始めたのです。子どもたちも楽しみにしてくれ、私よりずっと本好きになってくれたようです。
【高木】先生というお仕事は影響力も大きいですが素敵なお仕事ですね。どうして選ばれたのですか?
【城戸】子どもの頃から赤ちゃんや小さな子どもが好きで、我が家に子ども連れのお客様が来られると、いつも相手をしていました。泣いている赤ちゃんをかまってあげるとすぐに泣き止んだりしたものですから、「あやすのが上手」と誉められました。それがきっかけなのでしょうか。自然と子どもに関わる仕事を選んで教師になったような気がします。現在の仕事で心していることは、子どもたちがとても良いことをしている時は見逃さずに誉めてあげるということです。自分を振り返っても感じるのですが、自分を理解してもらえたと思うと自分の中にない力まで引き出すことができたりします。不思議なものですね。それともう一つ心がけていることは、ひとりだけ良ければいいという考え方ではなく、些細なことでもみんなと共に出来たことを賞賛するということです。
【高木】最近の子どもたちはいかがですか?